雑誌
Voice 2014年3月号
今月号の読みどころ
1月下旬、安倍総理はダボス会議で靖国参拝について問われ、「国家のために命を捧げた方々に祈りを捧げるのは当然のこと」だと説明。しかし、案の定中国と韓国が反発し、それを聞いた欧米メディアも曲解した。国や家族のために尊い命を犠牲にした先人を尊敬しないのでは、いまに生きる誰が国や家族のために命を懸けようと思うのか。国家指導者が戦没者に尊崇の念を込めて靖国神社に参拝するのは、当然のことであり、国民として誇りに思う。中韓からとやかくいわれる筋合いのものではない。「靖国批判に反撃せよ」との総力特集では、小川榮太郎氏が「靖国参拝は純粋に精神的価値であって、外交的な駆引きが本来存在しようのない事案」と喝破する。岡崎久彦氏は靖国参拝問題も従軍慰安婦問題も、実は日本(のメディア)から提起され、戦後の歴史問題が歪められたと説く。在米特派員の古森義久氏は「日本側としては米国や国際社会に対して靖国参拝の真実を粘り強く知らせていくべきだ」という。長期戦を覚悟のうえで、世界の理解を得るしかない。
特集「日本経済に春は来るか」では、(米国の)金融緩和の出口戦略の難しさをどう解釈するか、(日本の)4月からの消費税増税の影響と成長戦略について考えた。岩井克人氏は「アメリカ経済の悪化によって株価が下がったと判断するのは早計である」と、その実体経済がまだ回復期であると読む。原田泰氏は「法人税減税とTPPは効果がある」が、公共事業については再考を促す。一方で、藤井聡氏は巨大地震に備え「東京強靭化は五輪成功のために必要不可欠だ」とする。
ところで、今月号が発売されるころには、新しい東京都知事が誕生しているだろうが、首都高撤去の提案と「核のゴミ」論争について、専門家が斬新な提言を行なっている。東京都民でなくとも、ぜひご一読いただきたい。最後に、菅官房長官は本誌の対談で「日本にとって安重根は伊藤博文初代総理大臣を殺害したテロリストです」と歴史的事実を述べている。同号でノンフィクション作家の早坂隆氏が、綿密な取材と膨大な資料の読み込みから「テロリスト・安重根」の連載をスタートさせた。中韓が事件現場となったハルビン駅に開設した安重根記念館に対して、抗議の意味も含め日本の立場を明確にしたい。
特集「日本経済に春は来るか」では、(米国の)金融緩和の出口戦略の難しさをどう解釈するか、(日本の)4月からの消費税増税の影響と成長戦略について考えた。岩井克人氏は「アメリカ経済の悪化によって株価が下がったと判断するのは早計である」と、その実体経済がまだ回復期であると読む。原田泰氏は「法人税減税とTPPは効果がある」が、公共事業については再考を促す。一方で、藤井聡氏は巨大地震に備え「東京強靭化は五輪成功のために必要不可欠だ」とする。
ところで、今月号が発売されるころには、新しい東京都知事が誕生しているだろうが、首都高撤去の提案と「核のゴミ」論争について、専門家が斬新な提言を行なっている。東京都民でなくとも、ぜひご一読いただきたい。最後に、菅官房長官は本誌の対談で「日本にとって安重根は伊藤博文初代総理大臣を殺害したテロリストです」と歴史的事実を述べている。同号でノンフィクション作家の早坂隆氏が、綿密な取材と膨大な資料の読み込みから「テロリスト・安重根」の連載をスタートさせた。中韓が事件現場となったハルビン駅に開設した安重根記念館に対して、抗議の意味も含め日本の立場を明確にしたい。
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今月号の目次
総力特集:歴史を知らない中韓 靖国批判に反撃せよ
緊急寄稿 これからが本当の勝負だ |
小川榮太郎 |
36p |
特別対談 汝、隣国を愛するなかれ |
高山正之×倉山 満 |
50p |
オバマ政権の「失望」に反論する |
古森義久 |
62p |
外務大臣こそ参拝せよ |
杉原誠四郎 |
70p |
歪められた戦後の「歴史問題」 |
岡崎久彦 |
78p |
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時代を拓くコンセプト 日本悪玉論のウソ |
ヘンリー・S・ストークス/聞き手:タカ大丸 |
18p |
特集:日本経済に春は来るか
アメリカがアベノミクスに味方する理由 |
岩井克人 |
92p |
法人税減税とTPPで復活する日本 |
原田 泰 |
102p |
必ずやってくる「巨大地震」に備えよ |
藤井 聡 |
112p |
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TOKYO 2020 首都高撤去で青空と水辺の街へ |
藤岡和賀夫/磯崎 新 [司会・進行]柴崎信三 |
132p |
生活保護受給者を人財として活かす |
渡邉幸義 |
157p |
第9回 日本貿易会賞懸賞論文 審査結果発表 |
163p |
|
〝核のゴミ〟論争の虚妄 |
石川和男 |
189p |
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テロリスト・安重根〈第1回〉 ハルビン駅 |
早坂 隆 |
146p |
乙武洋匡、世界の大使に会いに行く〈第1回〉 福祉大国・デンマークの秘密 |
乙武洋匡 |
197p |
総理を支える軍師の力量 |
菅 義偉/篠原文也 |
120p |
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新世代の流儀 「物語性に富む純文学があってもいいというのが僕の思いです」 |
中村文則 |
183p |
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「ニッポン新潮流」〈国内政治〉 知事選で見えた都政報道の問題点 |
菅原 琢 |
28p |
「ニッポン新潮流」〈経済政策〉 消費増税ショックを乗り越えるには |
飯田泰之 |
30p |
「ニッポン新潮流」〈生活社会〉 もう少し選挙らしい選挙がしたい |
山形浩生 |
32p |
「ニッポン新潮流」〈科学医療〉 認識のエラーが医療ミスを引き起こす |
最相葉月 |
34p |
武士の碑〈第6回〉 率兵上京 |
伊東 潤 |
205p |
汝の隣人を愛せ〈最終回〉 ため息が漏れる東アジア外交 |
島田雅彦 |
220p |
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巻頭言〈3〉 『永遠の0』が教えるもの |
小浜逸郎 |
15p |
オックスフォード留学記〈第23回〉 博士論文性胃炎 |
彬子女王 |
226p |
覚醒するクラシック〈第9回〉 ドン・ジョヴァンニ |
百田尚樹 |
231p |
私日記〈第171回〉 引き際と品格 |
曽野綾子 |
236p |
平成始末〈第51回〉 人間→人→ヒト→モノ |
山折哲雄 |
246p |
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||
友アートを訪ねて〈14〉 [モーリス・ドニ] |
原田マハ |
6p |
凜たる女性〈39〉 [平原綾香] |
撮影/遠藤 宏 |
9p |
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||
Keyフレーズ 時代を斬る!論点 |
1p |
|
Voiceブックス 編集者の読書日記 |
172p |
|
Voiceシネマ 編集者の映画三昧 |
173p |
|
Voiceレター 読者の感想&意見 |
244p |
Voice とは
月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。