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Voice 2016年3月号
今月号の読みどころ
北朝鮮は核実験に続いて弾道ミサイルを発射し、周辺国を刺激する。中国は南シナ海で人工島を建設し、飛行試験を繰り返す。台湾ではまもなく民主的に選ばれた新総統が誕生し、中国は強硬姿勢に転じるだろう。一方、中東ではサウジアラビアとイランが国交を断絶し、一触即発の状況だ。IS(イスラム国)はなおも勢力を維持しており、解決の目途が立たない。シリアに触手を伸ばすロシアは、トルコとの対立を深めている。いまや火種はあちこちに転がっている。世界はテロと戦争の時代に突入にしたのか。
3月号の総力特集は「世界の自滅 日本の自立」。日高義樹氏は「2016年は、アメリカの『トランプ化』ともいうべき深刻な分裂、北朝鮮やロシアの核戦力の強化、中東の収拾のつかない大混乱、中国の経済的発展の終焉などから、大きな変化の年になる」と予測し、「第二次大戦後70年にわたって続いてきた『アメリカの時代』が終わり、世界は未知の時代に突入する」と結論づける。エネルギー問題に詳しい藤和彦氏は1バレル=10ドルまで下落する可能性を示したうえで、「シェール企業の大量倒産はいよいよカウントダウンに入っている。そうなればサブプライムローンの残高を超えるジャンク債市場の崩壊を通じて米国をはじめとする世界の金融市場の悪影響は避けられない」と警鐘を鳴らす。一方で、それぞれの識者が日本の針路に示唆を与える。福島香織氏は「日本が米国と共に外交的、経済的な後押しをすれば、蔡英文政権の台湾は直面する内政的・経済的困難を乗り越え、中国の覇権に歯止めをかける民主主義国家陣営として、韓国以上に信頼できる同盟国となるかもしれない」と述べる。難民問題に手を差し伸べるべきと説く三浦瑠麗氏は「外交の根本に積極的平和主義を掲げ、国連の非常任理事国を務め、G7の議長国を務める国の姿勢として、その程度のことから始めても」いいと提案する。また、ケント・ギルバート氏は「韓国に対しては厳しく迫り、きちんと譲歩させることが絶対に必要です。表面上は友達を装うけれど、ウラでは悪口ばかりいうというのは、本当の人間付き合いではありません」と、日本側の姿勢に苦言を呈する。
第二特集は「歴史プロパガンダに負けるな!」と題し、慰安婦問題や中国の情報戦について、その裏側の動きを探った。古森義久氏は「憲法9条にノーベル平和賞を」との政治運動が韓国と中国との共同作戦であると指摘し、「日本に『平和憲法』を保持させておくことが韓国や中国の対日軍事攻勢には、きわめて有利な武器なのである」と説く。川口マーン惠美氏はドイツでの日韓合意のニュース報道に驚愕したという。ドイツでは「極悪非道の日本軍に『性奴隷』として奉仕させられた20万人の少女や女性たちの多くは、虐待と拷問で生きて帰ってこられなかった。(中略)このたび安倍政権が軍の関与をも含めて初めて認めた。そして謝罪し、10億円の慰謝料を払うことになった」と伝えられている。歴史戦争はまだまだ続きそうだ。ぜひ、ご一読を。
3月号の総力特集は「世界の自滅 日本の自立」。日高義樹氏は「2016年は、アメリカの『トランプ化』ともいうべき深刻な分裂、北朝鮮やロシアの核戦力の強化、中東の収拾のつかない大混乱、中国の経済的発展の終焉などから、大きな変化の年になる」と予測し、「第二次大戦後70年にわたって続いてきた『アメリカの時代』が終わり、世界は未知の時代に突入する」と結論づける。エネルギー問題に詳しい藤和彦氏は1バレル=10ドルまで下落する可能性を示したうえで、「シェール企業の大量倒産はいよいよカウントダウンに入っている。そうなればサブプライムローンの残高を超えるジャンク債市場の崩壊を通じて米国をはじめとする世界の金融市場の悪影響は避けられない」と警鐘を鳴らす。一方で、それぞれの識者が日本の針路に示唆を与える。福島香織氏は「日本が米国と共に外交的、経済的な後押しをすれば、蔡英文政権の台湾は直面する内政的・経済的困難を乗り越え、中国の覇権に歯止めをかける民主主義国家陣営として、韓国以上に信頼できる同盟国となるかもしれない」と述べる。難民問題に手を差し伸べるべきと説く三浦瑠麗氏は「外交の根本に積極的平和主義を掲げ、国連の非常任理事国を務め、G7の議長国を務める国の姿勢として、その程度のことから始めても」いいと提案する。また、ケント・ギルバート氏は「韓国に対しては厳しく迫り、きちんと譲歩させることが絶対に必要です。表面上は友達を装うけれど、ウラでは悪口ばかりいうというのは、本当の人間付き合いではありません」と、日本側の姿勢に苦言を呈する。
第二特集は「歴史プロパガンダに負けるな!」と題し、慰安婦問題や中国の情報戦について、その裏側の動きを探った。古森義久氏は「憲法9条にノーベル平和賞を」との政治運動が韓国と中国との共同作戦であると指摘し、「日本に『平和憲法』を保持させておくことが韓国や中国の対日軍事攻勢には、きわめて有利な武器なのである」と説く。川口マーン惠美氏はドイツでの日韓合意のニュース報道に驚愕したという。ドイツでは「極悪非道の日本軍に『性奴隷』として奉仕させられた20万人の少女や女性たちの多くは、虐待と拷問で生きて帰ってこられなかった。(中略)このたび安倍政権が軍の関与をも含めて初めて認めた。そして謝罪し、10億円の慰謝料を払うことになった」と伝えられている。歴史戦争はまだまだ続きそうだ。ぜひ、ご一読を。
公式サイト |
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今月号の目次
巻頭インタビュー 勝負は朴槿惠大統領の次だ |
マイケル・ユー |
18p |
総力特集:世界の自滅 日本の自立
「トランプ化」するアメリカ |
日高義樹 |
34p |
サウジ版サッチャー革命の衝撃 |
藤 和彦 |
44p |
歯車の狂った中東派兵 |
笈川博一 |
52p |
拉致解決を妨げる北朝鮮の工作活動 |
西岡 力 |
59p |
民主国家の勝利と蔡英文の試練 |
福島香織 |
67p |
欧州の難民政策は正しいか |
三浦瑠麗 |
75p |
韓国の「日本依存症」は治らない |
ケント・ギルバート |
84p |
特集:歴史プロパガンダに負けるな!
九条ノーベル平和賞運動の闇 |
古森義久 |
94p |
クリスマスと慰安婦の話 |
川口マーン惠美 |
102p |
ハリウッドで進む中国の情報戦 |
マイケル・ヨン |
110p |
読み物・連載
日経平均下落論の勘違い |
高橋洋一 |
117p |
御製にこめられたお心 |
秦澄美枝 |
132p |
中国経済をどうみるのか |
牛尾治朗 |
140p |
反原発思想を排す |
小浜逸郎 |
148p |
第11回日本貿易会賞懸賞論文審査結果発表 |
191p |
|
父との別れ、役との別れ |
中村七之助 |
125p |
「日本の翼」の真実 |
水間政憲 |
156p |
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平成の社長〈第1回〉 家喜信行 日本PCサービス社長 |
[取材・構成]夏目幸明 |
183p |
超韓流猫コリにゃん 超韓流猫コリにゃん〈第11話〉 |
室谷克実[原案]/諸星惣一郎[漫画] |
167p |
ニッポン新潮流〈国際政治〉 無条件降伏要求の狂気 |
渡辺惣樹 |
28p |
ニッポン新潮流〈経済政策〉 中国に下村治は誕生するか |
飯田泰之 |
30p |
ニッポン新潮流〈生活社会〉 下手な鉄砲がイノベーションを生む |
山形浩生 |
32p |
しぶといやつ〈第3回〉 第一章 鎧袖一触 (3) |
幸田真音 |
199p |
健康は生成する〈最終回〉 幸福と瞑想と脳科学 |
斎藤 環 |
207p |
天あり、命あり。〈第10回〉 中国へのプラント輸出、実現す。 |
江上 剛 |
216p |
覚醒するクラシック〈第33回〉 レクエイム |
百田尚樹 |
231p |
巻頭言〈第15回〉 死ぬまで終わらない |
養老孟司 |
15p |
私日記〈第194回〉 ベルは誰が鳴らしたのだろう |
曽野綾子 |
236p |
平成始末〈第75回〉 裏カルテの「カミダーリ」 |
山折哲雄 |
246p |
友(アート)を訪ねて〈24〉 アンリ・ルソー |
文/原田マハ |
6p |
凛たる女性〈63〉 中谷水嶺 |
撮影/遠藤 宏 |
9p |
Keyフレーズ 時代を斬る!論点 |
1p |
|
Voiceブックス 編集者の読書日記 |
164p |
|
Voiceシネマ 編集者の映画三昧 |
165p |
|
Voiceレター 読者の感想&意見 |
244p |
Voice とは
月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。