Voice
発売日
2021年7月9日
税込価格
840円
(本体価格764円)
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Voice 2021年8月号

今月号の読みどころ

2021年7月、中国共産党は結党100年を迎えた。7月1日の式典では習近平党総書記(国家主席)が「台湾の完全統一は歴史的任務だ」と述べたが、台湾問題以外にも香港やウイグル、さらには新型コロナウイルスの「初動」における情報秘から「戦狼外交」まで、世界の目が中国に向いていることは間違いない。とくに日本にとって中国とは、地政学的な意味合いも含めて「大難題」であり、いかに向き合っていくかを感情論抜きで考えなくてはならない。特集では昨秋に駐中国大使に就任し、「中国が警戒する男」ともいわれる垂秀夫氏への独占インタビューを掲載するほか、中国の各国への浸透戦略に警鐘を鳴らすクライブ・ハミルトン氏や、習近平の野望を分析する天児慧氏などが登場。中国という国の行動原理やその背景を紐解いたうえで、日本の戦略をさまざまな角度から議論する内容となっている。

特別企画は「『五輪論争』の盲点」。コロナの感染状況など目の前の事象ばかりが語られるなか、より大きな視野で五輪を取り巻く問題を浮かび上がらせる。巻頭インタビューでは橋下徹氏が菅政権に「決定プロセスを見せよ」と提言するほか、東京都のデジタル戦略の旗振り役である宮坂学・東京都副知事の特別インタビューも必読だ。
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今月号の目次

総力特集:中国という大難題
日本の国益のためベストを尽くす
垂 秀夫
40p
北京の「侵略工作」と対峙せよ
クライブ・ハミルトン
52p
毛沢東の反逆、習近平の野望
天児 慧
62p
「グラデーション型」安保に向き合え
神保 謙
70p
「屈辱への気概」と戦狼外交の危うさ
城山英巳
78p
監視大国で進む「見えない思想統制」
高口康太
86p
凄惨な弾圧を招く「外」への負の感情
平野 聡
94p
日本は台湾を死守せよ
グラント・F・ニューシャム
102p
特別企画:「五輪論争」の盲点
オリンピックの価値を問い直す
舛本直文
110p
二十一世紀の「危機の二十年」に備えよ
村田晃嗣
118p
戦時中と重なる国家意思の非決定状況
井上寿一
126p
「五輪成功」の幻にすがらない政治を
池田謙一
134p
連載 ほか
菅政権は決定プロセスを国民に見せよ
橋下 徹
18p
日本は世界経済の強靭化に貢献を
兼原信克
142p
ヘイトクライムと「憎悪の民主化」
ブライアン・レビン
150p
ネット空間に「住所」を提供する
加藤貞顕
158p
男と女の「残念な脳」
中野信子&山口真由
208p
あなたの人生が化石になる
デイビッド・ファリアー
216p
「シン・トセイ」が体現する真のDX
宮坂 学
166p
「次」の歴史と人類の新軌道〈8〉
現代世界の「形のない皇帝」
長沼伸一郎
184p
言葉のリハビリテーション〈2〉
「正しさ」と「精緻」
森田真生
194p
質的価値×日本の新時代ビジョン〈4〉
静岡県・沼津「深海魚直送便」
青山沙織/鈴木宏和
200p
なぜ難解なネット音楽がバズるのか
おしら
224p
令和の事業家
微生物ゲノムは人類の宝の山
佐藤公彦
232p
著者に聞く
アメリカを愛した悪魔
高橋昌一郎
236p
ニッポン新潮流〈歴史論争〉
渋沢栄一と幸田露伴
渡辺惣樹
30p
ニッポン新潮流〈政治外交〉
リベラルな国際秩序は復権したか
三浦瑠麗
32p
ニッポン新潮流〈現代社会〉
高い法案成立率が意味するもの
西田亮介
34p
ニッポン新潮流〈日本文化〉
オリ・パラ後の建築・都市・国土
藤村龍至
36p
西南、南西、テレビ風〈58〉
夢を諦めなかった男
結城豊弘
38p
歴史家の書棚〈14〉
前田啓介『辻政信の真実』
奈良岡聰智
240p
巻頭言〈8〉
エピジェネティックな変化
長谷川眞理子
15p
文明之虚説〈44〉
コロナと人間(じんかん)交際
渡辺利夫
246p
今そこにある近代〈10〉
郡山公会堂
写真・文/門井慶喜
1p
Wonder People〈8〉
諸葛孔明の子孫が暮らす村
写真・文/佐藤健寿
8p
令和の撫子〈27〉
神林夏実
撮影/川島伸一
11p
Voiceブックス
編集者の読書日記

242p
Voiceシネマ
編集者の映画三昧

243p
Voiceレター
読者の感想&意見

244p

Voice とは

 月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。