雑誌
Voice 2022年9月号
今月号の読みどころ
特集1は「戦争と暴力の構造」。この数年、「民主主義の危機」が叫ばれ続けている。新型コロナウイルスの感染拡大もさることながら、今年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻は民主主義への挑戦と非難され、去る7月8日には安倍晋三元首相が白昼に銃撃され、命を落とすという信じがたい事件が起きた。いま求められるのは、戦争やテロなどの暴力がなぜ生み出されるのか、その構造あるいはメカニズムを冷静に見極めたうえで、いかに平和を掴みとるかを議論する態度ではないだろうか。
本特集では「第三次世界大戦はすでに始まっている」と語るエマニュエル・トッド氏、今回の安倍元首相の銃撃事件を受けて危機管理を論じる福田充氏などが緊急寄稿。現下の戦争やテロの背景と短期的な対処を検討しつつ、中長期的にどのような秩序や視座をもつべきかを考える。また、巻頭企画として河野克俊・自衛隊元統合幕僚長や宮家邦彦氏が、安倍元首相が日本に遺したものとその人柄を偲ぶ。
特集2は「『言論の自由』の行方」。そのほかにも、山極壽一氏と田中恆清・石清水八幡宮宮司、瀨川大秀・仁和寺門跡の特別鼎談や、長沼伸一郎氏と成田悠輔氏という注目を集める研究者2人の対談も掲載。
本特集では「第三次世界大戦はすでに始まっている」と語るエマニュエル・トッド氏、今回の安倍元首相の銃撃事件を受けて危機管理を論じる福田充氏などが緊急寄稿。現下の戦争やテロの背景と短期的な対処を検討しつつ、中長期的にどのような秩序や視座をもつべきかを考える。また、巻頭企画として河野克俊・自衛隊元統合幕僚長や宮家邦彦氏が、安倍元首相が日本に遺したものとその人柄を偲ぶ。
特集2は「『言論の自由』の行方」。そのほかにも、山極壽一氏と田中恆清・石清水八幡宮宮司、瀨川大秀・仁和寺門跡の特別鼎談や、長沼伸一郎氏と成田悠輔氏という注目を集める研究者2人の対談も掲載。
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今月号の目次
特集1:戦争と暴力の構造
大戦の過ちを繰り返す西洋の愚かさ |
エマニュエル・トッド |
38p |
エネルギーから紐解くウクライナ危機 |
古舘恒介 |
46p |
要人暗殺テロを防ぐ「根本療法」は何か |
福田 充 |
53p |
卑劣な暴力に「意味」を与えてはならない―戦前の血盟団事件と五・一五事件 |
小山俊樹 |
62p |
同盟なき安全保障は脆い―NATOの教訓 |
スベン・ビスコップ |
68p |
国連安保理、準常任理事国の必要性 |
竹内俊隆 |
75p |
欧州とアジアを繋ぐ戦争のメカニズム |
細谷雄一 |
82p |
戦争報道に「真実」を求めてはいけない |
佐藤卓己 |
89p |
負の連鎖を断つ「地球史」という試み |
藤原辰史 |
96p |
特集2:「言論の自由」の行方
侮辱罪の法定刑引き上げ、論点を考える |
曽我部真裕 |
134p |
プラットフォームを統治するのは誰か |
水谷瑛嗣郎 |
141p |
キャンセル・カルチャーが孕む二つの文脈 |
大屋雄裕 |
148p |
言葉の歴史を辿り直す意義 |
古田徹也 |
155p |
特別鼎談
「第二のジャポニズム」が平和を誘(いざな)う |
山極壽一&田中恆清&瀬川大秀 |
104p |
追悼 安倍晋三元首相が遺したもの
稀有なリーダーだった「自衛隊の大恩人」 |
河野克俊 |
16p |
国家観と戦略に基づく現実主義外交 |
宮家邦彦 |
20p |
連載 ほか
メタバースは人類の希望か絶望か |
長沼伸一郎&成田悠輔 |
114p |
三船遭難事件とL-19潜水艦〈後編〉一九四五年夏―留萌沖の惨劇 |
秦 郁彦 |
124p |
米国の中絶禁止を生んだバイブル・ベルト |
松本佐保 |
203p |
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地政学的要衝研究会〈8〉 海賊対策から見る中東地勢戦略 |
中畑康樹 |
162p |
コロナ下の夜の街〈7〉 雲伯地方、神々の国と鬼太郎のまち |
谷口功一 |
182p |
天才の光と影〈7〉 ―異端のノーベル賞受賞者たち―マックス・フォン・ラウエ |
高橋昌一郎 |
190p |
言葉のリハビリテーション〈15〉 「育行」する日々 |
森田真生 |
198p |
リーダーになるための映画〈2〉 『トップガン』に学ぶリーダーシップ |
伊藤弘了 |
218p |
喫茶店を再興しよう |
古舘伊知郎 |
210p |
令和の事業家 価値ある土地に人材が集まる |
平井 瑛 |
226p |
著者に聞く 都市の「病」を診る |
饗庭 伸 |
230p |
ニッポン新潮流〈歴史論争〉 ピンクの石棺 |
渡辺惣樹 |
26p |
ニッポン新潮流〈政治外交〉 歴史に残る宰相の死 |
三浦瑠麗 |
28p |
ニッポン新潮流〈現代社会〉 不安定な世情と党内環境のなかで |
西田亮介 |
30p |
ニッポン新潮流〈都市文化〉 建築か、テロか |
藤村龍至 |
32p |
地域から日本を動かす〈5〉 世界を「こんにちは」で迎えられる万博に |
結城豊弘 |
34p |
令和の人文アニメ批評〈1〉 『犬王』 |
渡邉大輔 |
234p |
歴史家の書棚〈27〉 細谷雄一編著『世界史としての「大東亜戦争」』 |
奈良岡聰智 |
238p |
巻頭言〈21〉 ヒトの本性は性善説か、性悪説か |
長谷川眞理子 |
13p |
文明之虚説〈57〉 スポーツ中継番組 |
渡辺利夫 |
244p |
今そこにある近代〈23〉 旧岡山偕行社 |
写真・文/門井慶喜 |
1p |
Wonder People〈21〉 無人島に住み着いた奇妙な「住人」 |
写真・文/佐藤健寿 |
6p |
令和の撫子〈40〉 坂井志保 |
撮影/川島伸一 |
9p |
Voiceブックス 編集者の読書日記 |
240p |
|
Voiceシネマ 編集者の映画三昧 |
241p |
|
Voiceレター 読者の感想&意見 |
242p |
Voice とは
月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。