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Voice 2022年11月号
今月号の読みどころ
東アジア情勢が、緊迫化の一途を辿っている。8月2日、アメリカのペロシ下院議長が台湾を訪問すると、中国は1995~96年の「第三次台湾海峡危機」を上回る大規模な軍事演習を展開し、世界の目が台湾海峡に向いた。10月半ばには中国共産党大会が控えているが、はたして「台湾危機」はどこへと向かうのか。インド太平洋戦略を掲げている日本は、米中対立、そして台湾とどのように向き合うべきか。ジョセフ・ナイ氏や趙天麟氏など米台の識者や、六四天安門事件当時の学生リーダーであるウーアルカイシ氏の声もふまえて、台湾情勢の現在と本質、そして日本の使命を議論する。また、巻頭には中西輝政氏が緊急寄稿。「プーチンの終わりの始まり」が国際秩序、そして東アジア情勢に与える影響を論じる。特集2は「爆発する『生きづらさ』」。SNSの普及などで私たちの生き方が急速に変わるいま、「無敵の人」が生まれる背景など、生きづらさを抱えている人びととの向き合い方を考える。特別企画では、8月に逝去した稲盛和夫氏の経営哲学から学ぶべき点を、野中郁次郎氏と江上剛氏があらためて分析する。
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今月号の目次
巻頭論稿
「ポスト・プーチン」の世界秩序 |
中西輝政 |
16p |
特集1:世界が危ぶむ台湾危機
米国が中台に効かせる「二重の抑止」 |
ジョセフ・ナイ |
42p |
私たちは断じて「台湾封鎖」を許さない |
趙 天麟 |
52p |
台湾軍との意思疎通を加速させよ |
小野田治 |
60p |
「台湾消滅」が招く現秩序の瓦解 |
秋田浩之 |
68p |
迫る党大会、中国が抱える「三つの問題」 |
福田 円 |
76p |
インド太平洋と台湾――許されざる戦略の空白 |
墓田 桂 |
84p |
中国膨張に加担する西側諸国 |
ウーアルカイシ |
92p |
特集2:爆発する「生きづらさ」
「無敵の人」を生まない幸せのかたち |
阿部真大 |
138p |
「怒り」のシェアでつながる人びと |
山口真一 |
146p |
複雑・巧妙化する、若者の承認欲求 |
金間大介 |
154p |
特別企画:いまこそ「稲盛経営哲学」に学べ
二項動態を体現した稀有な経営者 |
野中郁次郎 |
104p |
グローバルに通用する「現代の渋沢栄一」 |
江上 剛 |
112p |
連載 ほか
「物価高」と金融政策――日銀は「出口」を出られるか |
中里 透 |
120p |
藝大が「表現者」への先入観を変える |
日比野克彦 |
128p |
国民が財政をコントロールする時代 |
井手英策 |
204p |
〈読書の愉しみ〉 本が私のなかの宇宙を広げてくれる |
影山優佳 |
212p |
地政学的要衝研究会〈10〉 欧州を巡るNATOとロシアの因縁 |
長島 純 |
162p |
令和の事業家 サイボーグ技術で人間を拡張する |
粕谷昌宏 |
226p |
著者に聞く 批評は論破をめざさない |
福嶋亮大 |
230p |
コロナ下の夜の街〈9〉 浜松、「検証と反省」に思いを馳せて |
谷口功一 |
182p |
天才の光と影〈9〉 ―異端のノーベル賞受賞者たち―アルベルト・アインシュタイン〈続〉 |
高橋昌一郎 |
190p |
言葉のリハビリテーション〈17〉 「休み」の恵み |
森田真生 |
198p |
リーダーになるための映画〈4〉 『ハケンアニメ!』が描くリーダーの成長 |
伊藤弘了 |
218p |
ニッポン新潮流〈歴史論争〉 家康の遺言〈その1〉 |
渡辺惣樹 |
30p |
ニッポン新潮流〈政治外交〉 戦争をプロに任せてよいか |
三浦瑠麗 |
32p |
ニッポン新潮流〈現代社会〉 置き去られる「沖縄のいま」 |
西田亮介 |
34p |
ニッポン新潮流〈都市文化〉 漂う大阪・関西万博 |
藤村龍至 |
36p |
地域から日本を動かす〈7〉 「頑張る地域の人を応援したくて」 |
結城豊弘 |
38p |
令和の人文アニメ批評〈3〉 『ONE PIECE FILM RED』 |
渡邉大輔 |
234p |
歴史家の書棚〈29〉 國分良成『防衛大学校』 |
奈良岡聰智 |
238p |
巻頭言〈23〉 アフリカは遅れているのか |
長谷川眞理子 |
13p |
文明之虚説〈59〉 国家の生存本能 |
渡辺利夫 |
244p |
今そこにある近代〈25〉 高田降臨教会 |
写真・文/門井慶喜 |
1p |
Wonder People〈23〉 東欧の基層から目覚めた「鬼」 |
写真・文/佐藤健寿 |
6p |
令和の撫子〈42〉 松井玲奈 |
撮影/川島伸一 |
9p |
Voiceブックス 編集者の読書日記 |
240p |
|
Voiceシネマ 編集者の映画三昧 |
241p |
|
Voiceレター 読者の感想&意見 |
242p |
Voice とは
月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。