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第二回・一行怪談創作コンテスト(#一行怪談創作部) 優秀作品発表!

吉田悠軌著 『一行怪談(二)』発売記念 「第二回・一行怪談創作コンテスト(#一行怪談創作部)」の優秀作を発表致します。

 

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『一行怪談(二)』の発売を記念し開催された「第二回・一行怪談創作コンテスト(#一行怪談創作部)」。 2017年に開催した第一回に引き続き、今回も4196件の作品が集まる盛り上がりとなりました。

著者・吉田悠軌先生とPHP研究所文藝出版部が選んだ優秀作品を、吉田先生の講評とともに発表致します。

 


 

 

「鍵を握りながら眠ると、扉の夢を見る」そんな噂が学校で広まってから、 僕の学校周辺では、行方不明者が後を絶たない。

WUNDERKAMMER(@kyouinoheya8)

前半の幻想的な設定だけでもじゅうぶん一作品の体を成しているのだが、それだけでなく後半にまた不穏さが進行していく。厳密には二文に渡っているかなとも感じるが、これは好みの問題で、一文に違いないと思う人も多いだろう。ともあれ、わずか一連なりの文章でしっかり重厚な「物語」を感じさせてくれるのは確かだ。かつ、ここから続くであろう「物語」の広がりも予感させる、スタンダードな良作。

 

氷山に滑落し氷漬けになった生き別れの恋人を、三十年探し続けてようやく深海から救い上げた日、彼女の身体を思い切り金槌で叩き割った。

コベカ アオシ(@OshioSoo)

多数の応募があった本コンテスト中、オチの意外性が最もビシッと決まっていた作品。「凍結保存された死体」あるいは「死者を復活させる」というモチーフ(両者はつまり"死の否定"という点で同じなのだが)はしばしば「永遠の愛」を描きがちになる。それを(執着という意味では同じにせよ)憎しみに転換させた驚きが、一文ならではの鋭さで刺さってくる。

 

裏庭にあった井戸を埋めてから、家にある全ての時計が、毎日必ず10分遅れるようになり、少しずつ、少しずつ、追い詰められている気がしている。

ミックジャギー(@22ou812)

「裏庭にあった井戸を埋めて」というモチーフは非常によく、これが異世界からの祟りを招きそうだとは、多くの人が無意識に共感できるだろう。ただそれは逆に言えば、「祟られる前フリ」として既視感があるということだ。この作品の本当の良さは、後半の招かれた祟り描写にこそある。時計が毎日10分ずつ遅れていく現象が、なぜ「追い詰められている気」がするのか。その理由が分からない。分からないのだが、確かに「ヤバい」と共感できてしまう。今までにない設定にて、見えないなにかが少しずつ近寄ってくる肌感覚を描いた点を評価したい。

 

町田さん一家はいつもつけている能面の話題さえ避ければ本当にいい人達なので、今日も近所は平和そのものだ。

阿G(@ajimatakashi)

個人的には、「能面」ではあまりに広すぎるので、もう少しどんな面なのかを具体的に限定した方がいいとは思う(たぶん若い女面なのだろうけど)。能面女子高生の出てくる某漫画なら、どんな面か説明せずとも絵によってスムーズに描写できるのだが、文章ではそうもいかない。そこが文章表現ならではの面倒くささであり、力の入れどころでもある。それはともかく、シュールな状況説明からの「今日も近所は平和そのものだ」という反語的表現が全体をビシッと締めている。つまり能面に言及したとたん、恐ろしい惨劇が起こることを端的に予言しているのだから。「平穏な日常の、薄皮一枚下にある混沌」という恐怖を、ビジュアルとシチュエーションにて同時に表現しているのがうまい。

 

催して夜中に階下へ降りる途中、生暖かい一段を踏んだ。

じゃくじろう(@jackjirou)

「一行怪談」という一文の制約内からさらに、非常に短い「一言」ものを一つ二つは優秀作に選びたいとは思っていた。実際、応募されたショート一行怪談(変な言い方)にも秀作は数多くあった。その中でも、「よくある日常にさりげなく潜む非日常=怪異」を肩肘はらずサラリと、しかし官能的ですらある生々しさを伴って活写してる本作が目を引いた。五七五七七の短歌形式ながら、飛躍のない散文的ストーリーテリングは、「詩ではなく物語である」という私の「一行怪談」凡例を実行してくれている。状況説明→広いエスタブリッシング・ショット→足元のクローズアップというだんだん視点を限定していく映像描写も、いい意味で散文的な語りの妙がある。こうした一歩一歩段階を踏まえる表現は、本作のような一歩一歩降りる「階段の怪談」の怖さとうまく融合しているではないか。

 


(敬称略、順不同)

 

たくさんのご応募ありがとうございました。

 

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コンテスト概要

 

ご自身で考えたオリジナルの一行怪談を、Twitterで呟いてご投稿下さい。優秀作品を投稿された方には図書カードを贈呈します。

※このコンテストは終了しました

 

一行怪談凡例:

 

・題名は入らない。

・文章に句点は一つ。

・詩ではなく物語である。

・物語の中でも怪談に近い。

・以上を踏まえた一続きの文章。

 

食べられないものありますか? と出されたメニューに人の名前しか書かれていない。


いつまでもかたづけられない雛人形の顔がだんだん娘といれかわっていく。

 

卒業アルバムの級友の写真がそれぞれ少しずつ横を向きだして、完全に後ろを向いたものから順に逝去するようになった。

 

(吉田悠軌著 『一行怪談(二)』より)

 

 

応募条件:

・Twitterで、 @php_bungei をフォローしていただいている方

・日本国内に居住されている方(賞品配送先が日本国内の方)

 

著者の吉田悠軌さん、PHP研究所文藝出版部が優秀作品を決定いたします。受賞通知は、2018年9月上旬ごろ、Twitterのダイレクトメッセージで行い、賞品の送付先をお伺いします。通知後7日間のうちにお返事がない場合は、受賞辞退とさせていただきます。

 

応募方法:

1.期間中にPHP研究所文藝出版部アカウント「@php_bungei」をフォローしてください。

 

2.ハッシュタグ「#一行怪談創作部」と、このページのURL[ http://ow.ly/5KmB30kDWLG ]をつけて、オリジナルの一行怪談をツイートしてください。

※作品は107文字以内に収めてください。

 

※このコンテストは終了しました

 

 

賞品:

優秀作品を投稿いただいた5名様に、図書カード1000円分を贈呈します。また、優秀作は9月上旬 当ページにて発表させていただきます。

 

応募受付:

2018年8月16日(木)24:00 まで

 

 


 

※本キャンペーンは予告なく変更・中止することがあります。

※応募作品は、未発表のオリジナル作品に限ります。

※ご応募いただいた作品は、弊社の販売促進媒体に使用させていただくことがございます。

※Twitterの操作方法、応募の受付状況や受賞作の選考結果についてのお問合せには、お答えできかねます。

※小社の個人情報保護方針はこちらをご確認ください。

 


 

本書のご紹介

新刊

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一行怪談(ニ)』吉田悠軌著

Twitterで話題沸騰!

たった一行に込められた、美しい悪夢のような物語集。

 

解説の大槻ケンヂ氏も「一行怪談、と定義づけられているが、これは時に短歌であり、散文詩であり、あるいは文学でありオカルトであり絶妙のショートショートでもある。発想、技術が、すごい、すご過ぎる」と大絶賛!

 

想像力を刺激され、恐怖や不安、幻想、ユーモアなどを感じられる作品を多数収録。

奇妙で恐ろしい世界に迷い込んだような新感覚の怪談集。

 

既刊

一行怪談

 

一行怪談』吉田悠軌著

「公園に垂れ下がる色とりどりの鯉のぼりに、一つだけ人間が混じっている。」一行のみで綴られる、奇妙で恐ろしい珠玉の怪談小説集。


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