水谷もりひと(『みやざき中央新聞』魂の編集長)

1959年、宮崎県生まれ。明治学院大学卒業。学生時代に『国際文化新聞』を創刊、初代編集長となる。’89年にUターン。宮崎中央新聞社に入社し、’92年に経営者から会社を譲り受け、編集長となる。26年間社説を書き続け、『日本一心を揺るがす新聞の社説』(ごま書房新社)など著書多数。
 

「三つの習慣」のおかげで、水谷もりひとさんは、毎日が面白くて仕方がないといいます。

私は、ほとんど同業者がいないと思われる新聞を発行しています。『みやざき中央新聞』という名前の週刊紙です。どんな新聞なのかと言うと、「みやざき」という名前が付いているのに「宮崎」の話題が全く載っていなくて、「中央」なんて言っていながら本社は日本列島の端の宮崎市にあり、「新聞」と言っているくせにニュースが載っていない新聞です。
創刊から60年以上経つのですが、以前は、地元のニュースばかりの新聞でした。でも情報過多のご時世です。ミニコミ紙が生き残っていくのは容易ではありません。そこで20数年前、私が編集長になる時に、二つのものを捨てました。

一つは地元の話題です。地元には地元の大きな新聞社があります。そこと競争しても勝ち目はありません。だから地元の話題を捨てました。もう一つは政治・経済や事件・事故などのニュースです。これは大手マスコミの得意分野です。だからそういう情報を集めるのはやめました。
それで私たちが探し出したのは、「読んで元気になれる」とか「読んで感動する」という情報です。それをいろんな講演会を取材する中に見つけました。

私たちの仕事は、毎日面白い情報を探し、編集し、発信することなので仕事が面白くて仕方がないのです。だからいつの間にか私の生活習慣は「毎日を面白くする」ことになっています。「どこかに面白い話はないかな」とか「今日はどんな面白い話が聞けるかな」とか、これが仕事に対する私の基本姿勢です。

そういう毎日を創り出す私の習慣を三つ紹介します。
 

1)何でも「面白いね!」と承認する

一つは「まずは何でも承認する」です。以前私がいた職場の上司は私がとんでもない企画を提案すると「それは無理」とか「そんなことはできない」と即否定していました。そうするとモチベーションが下がります。

もちろんすぐに受け入れてもらえるとは思っていないんです。ただ「それユニークな考え方だね」とか「面白いこと考えるんだね」と言ってもらえるだけで嬉しいのです。
だから若い子と接している今は、突拍子もない考え方に対してすぐ否定するのではなく、「まず承認する」ことを心掛けています。

たとえば部下がとんでもないアイデアを持ってきても、「それ面白いね。今すぐにはできないけど、近い将来必ずそういう時代がくるよ」というような具合に。

 

2)トラブルには「オー、イエー!」と言う

二つ目は「トラブルを歓迎する」です。自分がミスをした時、部下がミスをした時、何か大きなトラブルが起きた時、親指を立てて「オー、イエー!」と声に出すのです。「死ぬこと以外はかすり傷」の精神です。

自分がミスをすると落ち込みます。部下がミスをすると責めたくなります。会社でトラブルが起きるとパニクッてしまいます。でも、不思議なもので、親指を立てて「オー、イエー!」と声に出すと、「ドンと来い」「何とかなる!」という気持ちになるのです。
 

3)誰かのために作り笑顔をする

三つ目は「作り笑顔」です。普通「作り笑顔」というのは商売のために偽りの自分を表現する卑しい行為で、それより自然な笑顔のほうが美しいと思われていませんか?

でも、自然な笑顔は自分の心が喜んでいないと出てきません。プライベートで嫌なことがあった時、あるいは仕事でつらいことがあった時、自然な笑顔になれません。

しかし、私たちは大人です。つらくても、落ち込んでいても、作り笑顔をすることで、周りが明るくなります。お客様に失礼にならない接客ができます。「作り笑顔」は自分のためではなく、誰かのため、周りの人たちのためにするのです。「作り笑顔」を心掛けていると、いつの間にか、それが習慣になって、美しい笑顔になっていくものです。
 

この「毎日を面白くする三つの習慣」は自分の意識次第で今日からできます。この意識が毎日を面白くするのです。