月刊「PHP」2024年4月号 裏表紙の言葉

人間なら誰もが時には病になり、病になれば薬を服用する。治癒のためには薬の服用は最重要だが、その際、悩ましいことが1つある。副作用である。
患者の心理からすれば、なぜ副作用のない薬が開発できないものかと不満がつのる。しかし、薬学の専門家によれば、彼らはそもそも副作用を排除する思考はしないらしい。
どんな薬だって化学構造に基づき、その効能が確定されている。ただ、薬を服用すれば、どうしても全身に回り、ある臓器にはプラスに働いても、別の臓器にはマイナスに働いてしまうことがある。また、ある成分は病の種類によっては作用・副作用が逆転する。
だから、専門家は薬の副作用を絶無にすることより、効能のバランスに配慮した開発を心がけるのだという。かりに、副作用がない薬があったとしても、飲み方を誤れば、その行為そのものが副作用と同じ結果を招く。
薬に限らず、物事の成り行きにおいて、副作用らしきことはたびたび経験する。毛嫌いせずに、少々の副作用は異なもの、味なものと考え、大人のふるまいで対処したい。

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