編集後記

★「後ろには夢がない」と書いたのは寺山修司ですが、彼はその詩の中で何度も背後を、過去をまなざしています。うつむいたり、振り向いたり、よそ見をしたり。その上で目を向けた先に、希望と呼ばれるものがあるのかもしれません。(丹)
★まわりが「本当につらかったですね......」と思わず同情しそうになる苦労や挫折、失敗を、まるで他人事のように「ガハハ!」と笑っておもしろおかしくネタにする人に、私はあこがれます。久田恵さん(41頁)は、まさにそんな方でした。(桑)
★座りすぎは健康によくないとは聞いていましたが、仲野孝明さん(48頁)の調査によると、日中の私たちは「座る」が15時間で「立つ」はわずか一時間だそうです。コロナうつと言われていた症状も、実は座りすぎが原因だったのでは!?(横)
★こちらが言葉を引き出すはずが、つい私のほうが心を開いてしまうような優しさが、安田菜津紀さんにはありました。一分の隙もない武田砂鉄さんの原稿を目にして、すぐ世に届けたい衝動にかられました。ぜひ56頁をご覧ください。(隈)
★今月の藤城清治さんの影絵(2頁)は京都の紅葉です。若葉から新緑、そして赤く色づき、落ち葉へ。変わらず繰り返されるただの自然の営みとわかっていても、見るたびに感動します。紅葉と美しい月の影絵、もう秋の夜長の季節ですね。(窪)

立ち止まったままでもいい 前を向いていこう

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立ち止まって、後ろばかり振り返ることも時にはあります。うつむいて、うなだれて、だからこそまた前を向けるのではないでしょうか。 今月の特集ではコメディアンの藤井隆さん、アイドルの和田彩花さん、小説家の瀬尾まいこさん、幼児教室講師の池江美由紀さん、精神科医の和田秀樹さんにご登場いただき、無理をせずに気持ちを切り替えるヒントをいろいろな視点から紹介し、探ってまいります。

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