「捨てる」と人生が好転する!~特集記事【感情をためこまない】

「捨てる」と人生が好転する!~特集記事【感情をためこまない】

感情はウンコと同じ

また、コロナ禍で行動が制限され、緊張状態が続いたことで、私たちは多くの「我慢」を強いられました。その結果、「コロナ鬱」という言葉がメディアに登場することになりましたが、これもまた同じです。
「ストレスをためこみすぎて病気になった」という話はよく耳にすると思います。私たちの感情は「感じること」で解放されます。しかし、何らかの事情で感情を感じることができなくなって「抑圧」してしまうと、その感情は心の中にためこまれます。
その感情は外に出るチャンスをずっと窺っていて、何かの拍子にあふれ出してしまいます。ためこんできた分だけその量は膨大で、「信じられないくらいの涙があふれてきてどうしようもなかった」という状態になるのです。
しかし、そうしたチャンスが訪れなければ、今度はその感情が「病気」にまで至ります。病気は「気の病」と書きます。気持ち(感情)と病気はつながりがあるのです。
感じた感情はできるだけすみやかに解放してあげること、もし、その場で感じ切ることができないのであれば、ちゃんと感情を解放できる場を用意してあげること。私たちが健康的な心で過ごすためには、こうした日々の心がけがとても大切なのです。
そこでみなさんにぜひ覚えておいていただきたい格言があります。それは「感情はウンコと同じ」です。みなさん、感情の便秘になっていませんか?
どんな感情も感じてしまったらしょうがないんです。怒りたくない場面で怒りが出てきてしまったら、それは「ウンコをしたくない場所で便意が襲って来た」のと同意です。でも、みなさんは大人なのでその場で出しませんよね?きちんとしかるべき場所でしっかり踏ん張ると思うのです。

「御恨み帳」のすすめ

感情も同じです。出すためのしかるべき場所を用意してあげれば大丈夫なのです。
その感情のトイレとして私がいつも推奨しているのは「御恨み帳」です。自分の心の中にある感情をひたすら吐き出すためのノートです。
誰かに見せるものでもなく、また、あとから見返すものではありません。書き終わったらそのページをちぎって丸めてゴミ箱に捨てます。同僚の一言でカチンと来たらそのノートを取り出して、思いのままを書き出します。
幼いころから親に言いたいことが言えなかった方は、親に対して感じていた感情を時間を確保して洗いざらい書き出してみると、どんどん心が軽くなっていくのが感じられると思います。
あるクライアントさんはお母さんへの思いを吐き出すためにホテルを取り、一晩かけて御恨み帳を書き出しました。時に怒り、嘆き、涙しながら朝方までひたすら感情を吐き出していたら、翌日にはすっかりお母さんを許せ、愛情を感じるほどになっていました。
もしくは、SNSの鍵付きのアカウントで思いのたけをつぶやくのも効果的です。
この御恨み帳については多くの方に試していただいているのですが、お母さんを許せた、夫との関係が改善した、仕事が楽しく、おもしろくなったといった報告のほかに、肩こりがなくなった、片頭痛が治った、胃腸の調子がよくなった、よく眠れるようになったなどの報告もいただいています。
ためこまれた感情を解放するには「好きなことを楽しむ」「体を動かす」などの方法も有効なのですが、いつでもどこでもノートさえあれば実践可能な御恨み帳(またはSNSへのつぶやき)を、ぜひ採り入れて心の健康にお役立てください。

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