考証 宮本武蔵
発売日
 
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-56241-4

考証 宮本武蔵

著者 戸部新十郎
税込価格 628円(本体価格571円)
内容 謎の生い立ちから、孤高独歩の末に枯淡の境地に達するまでの求道者・宮本武蔵の実像を同時代の剣道史に照らしつつ検証する。実力派歴史作家が描く剣聖武蔵の全貌。



 剣豪と言われる人は多い。なかでも宮本武蔵は、知らない人はいないだろうと思われるほど有名である。ところが、われわれが知っている宮本武蔵像は、どうやら現実の武蔵像とはかけはなれたものであるらしい。というのは、われわれの持っているイメージの多くは、吉川英治の小説『宮本武蔵』によるもので、小説的創造力の産物なのである。

 武蔵の生涯のうち、とりわけ前半生は、謎に包まれている。それだけに、さまざまな武蔵像がつくられることになるのだが、著者・戸部新十郎は可能な限り憶測を避け、さまざまな資料を丹念に当たって、武蔵の実像を探し求めた。比較的資料のある後半生についてもしかりである。こうした客観的な研究を重ねたうえで武蔵像を導き出したのが本書である。

 果たして武蔵像は、古今無双の剣豪なのか、剣の「道」を探究しつづけた剣聖なのか。実力派作家の眼が、今その全貌を明らかにする。