石原莞爾
発売日
2002年05月01日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-57736-4

石原莞爾
「満洲国」建国を演出した陸軍参謀

著者 楠木誠一郎著 《作家》
主な著作 『名探偵夏目漱石の事件簿』(廣済堂)
税込価格 817円(本体価格743円)
内容 「世界最終戦論」など独自の理論を展開し、満洲国建国のシナリオを描いた陸軍参謀の、信念ある行動と生き方を満洲事変を中心に描く。



 「世界最終戦」論や「東亜連盟」構想など独自の理論で、満洲国建国のシナリオを描いた関東軍参謀・石原莞爾。本書は彼の生涯を描く長編小説である。

 来るべき次の戦争は世界最後の大戦争である。西欧文明の中心は米国に移り、日本は東洋文明の中心となって、日米間で殲滅戦争が行われるであろう。したがって、満蒙に独立国家を建設し、満蒙を『五族協和』『王道楽土』の地にすることは、東亜の民族が一丸となりこの世界最終戦争に備えるためである――これが石原の満洲国建国の目的であった。石原は関東軍司令官本庄繁や参謀板垣征四郎を動かし、なんとか建国にこぎ着ける。だが軍部はそこに止まらなかった。満洲を足がかりにさらなる拡大を目指したのである。不拡大を唱える石原は、強硬派の東條英機と対立。彼は抑えのきかなくなった陸軍に絶望し、やがて自ら予備役を志願するのであった。

 型破りな天才的軍人の闘いの日々を、満洲事変を中心に活写する力作。