母性崩壊
発売日
1999年11月18日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-60881-5

母性崩壊

著者 林 道義著 《東京女子大学教授》
主な著作 『父性の復権』(中央公論社)
税込価格 1,430円(本体価格1,300円)
内容 「児童虐待」「学級崩壊」はなぜ深刻化するのか。ベストセラー『父性の復権』の著者が、「母性」をキーワードに日本社会の病理を摘出。



 母親によるわが子の虐待・殺害が急増している。 炎天下、パチンコ店の駐車場で、幼児を車の中に何時間も置き去りにする母親。男友達と遊び歩き、わが子を栄養失調で死に至らしめる母親。小学生の娘を縛り上げ、夫と友人の三人で打ち殺してしまった母親……。わが子が可愛いと思うのは母親の健全な、普通の姿である。だとするならば、今起きている幼児・児童への虐待は、母親の母性本能の崩壊として見ていかなければならない。 ところが、「『母親ならば自分の子が可愛いのが当たり前』という母性本能説が母親を追いつめて、子どもを虐待させる原因になっている」と主張する人々が少なくない。 心理学の領域から家庭・教育問題を論じ続けてきた著者は、そうした「母性神話」原因説の誤りを徹底的に批判すると共に、さまざまな角度から母性本能の崩壊を分析する。そして、子どもが可愛くない母親、母親に可愛がられない子どもが、いかにすればなくなるかを探る。