怒る技術
発売日
2003年02月14日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-62581-2

怒る技術

著者 中島義道著 《電気通信大学教授、哲学者》
主な著作 『働くことがイヤな人のための本』(日本経済新聞社)
税込価格 1,430円(本体価格1,300円)
内容 日本人は怒るのが下手だ。周囲との軋轢を恐れ、すぐ黙る。ヤワな日本人に向けて、筋金入りの怒り巧者が語る実戦的な怒りのテクニック。



 現代日本には、怒らない、あるいは怒ろうとしてもうまく怒れない人がうじゃうじゃ生息している。そうかと思うと、突如としてキレる青少年も、蔓延している。著者によると、これは車の両輪のような深い関係にあって、「怒る技術」を学ぶ機会がなく、むしろ怒ってはならないことばかり教えられてきたがゆえに発生している、現代日本人特有の症状である。

 著者もまた怒れない青年だったが、ウィーン留学時の体験が大きな転機になった。ヨーロッパ社会では、怒りを表出しなければ、まともに生きていけなかったからである。帰国後も騒音の音源に対する抗議を通じて、著者の怒る技術はますます磨きをかけられ、ついには、場面に応じて怒りの表出のしかたを自由自在に操作すること、つまり「怒りを演技する」ことが可能になった。これは相手に怒り伝達し、具体的な効果を得るために最も有効な技法であり、本書では、そのテクニックを著者の体験に即して読者に指南する。