「出雲抹殺」の謎
発売日
2007年01月05日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-66768-3

「出雲抹殺」の謎
ヤマト建国の真相を解き明かす

著者 関裕二著 《歴史作家》
主な著作 大化改新の謎』、『神武東征の謎』、『継体天皇の謎』(PHP研究所)
税込価格 649円(本体価格590円)
内容 古代史はミステリーである。考古学上の発見が示唆する「強大な出雲」を手がかりに、作家の想像力溢れる仮説でヤマト建国の真相に迫る。



 「出雲は逆立ちしている。出雲の何もかもが、あべこべなのである」。本書の「はじめに」で著者は、いかに出雲という国が謎めいている存在であるかを示唆する。さらに「たとえば、旧暦の十月を普通は神無月というが、出雲では神在月という」「出雲大社の注連縄は、世間一般の神社の縒り方とは正反対に縒っている」と続けて、出雲の特異性を紹介する。

 出雲の特異性は、まだある。全国各所に見られる前方後円墳に対する、出雲の「前方後方墳」。五、六世紀に制度化され、律令制度が廃止されていく中で廃絶されたはずの「国造(家)」が、現在まで続いているという事実。表の現人神が天皇なら、裏の現人神が出雲国造なのであろうか? 著者は出雲に対する謎の多さを事例をあげて強調する。

 ヤマト建国以前に興隆し、建国後には急速に衰退していった出雲。この古代史最大の謎を解く鍵は出雲にある、と著者はいう。

 ヤマト建国の真相を大胆に推理した著者渾身の書。