荒ぶる波濤(はとう)
発売日
2013年11月08日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-67937-2

荒ぶる波濤(はとう)
坂本龍馬と陸奥宗光の青春

著者 津本陽著 《作家》
主な著作 塚原卜伝十二番勝負』(PHP研究所)
税込価格 776円(本体価格705円)
内容 明治の辣腕外相として名を馳せた陸奥宗光、その青春時代の物語。紀州藩を一族脱藩し、龍馬と出会って才能を開花させる姿を描く歴史小説。



 明治の辣腕外交官として、西欧列強との不平等条約改正に奔走した陸奥宗光。かれは新政府の顕官のなかでも、紀州出身、元海援隊士で坂本龍馬から厚い信頼を得た異色の経歴をもつ。

 陸奥宗光は、紀州藩士・伊達宗広の六男として誕生した。しかし切れ者の父は藩主徳川治宝の下で権勢をふるったため、治宝死後は罪人同然で藩を追われ、ついに「一族脱藩」の憂き目に遭う。

 京都に閑居した伊達家に、文化人として名の知れた宗広を訪ね、一人の土佐脱藩浪士がやってきた。それが坂本龍馬と伊達小次郎(陸奥宗光)との出会いである。

 龍馬は小次郎の計算に明るく、機知に富む知恵者ぶりを愛し、何かと目をかけ、のちに海援隊では重要な役割を与えた。「嘘つき小次郎」としばしば仲間からも疎まれたが、龍馬はかれをかばい続けた。幕末動乱期を稀代の英傑と歩んだことで、やがて陸奥陽之助と名乗り、その才能を開花させる。

 龍馬と陸奥の激動の青春を描いた歴史長編。