荒ぶる波濤(はとう)
発売日
2010年06月09日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-77504-3

荒ぶる波濤(はとう)
幕末の快男児・陸奥陽之助

著者 津本陽著 《作家》
主な著作 『下天は夢か』(角川文庫)
税込価格 1,650円(本体価格1,500円)
内容 紀州藩を一族で脱藩、幕末動乱の波濤に飛び込み、坂本龍馬の信頼を得て活躍した陸奥陽之助。のちの外務大臣・陸奥宗光の疾風の青春時代。



 明治時代の外務大臣として、不平等条約改正をはじめ数々の事績を残した陸奥宗光。その若き日は、あの坂本龍馬に「(刀を)二本差さなくても食っていけるのは、俺と陸奥だけだ」と言わしめたほど。本書は、そんな陸奥の青春時代を、よき理解者であり先導者であった坂本龍馬との関係を軸にみずみずしく描いていく。

 紀州藩の執政だった父が、政敵に職を追われ一族が没落した。少年だった牛麿(のちの陸奥陽之助)は、その理不尽への怒りを胸に江戸に出て苦学に勤しむ。やがて父や義兄が一族で紀州藩を脱藩すると、陽之助も尊王攘夷運動に心を寄せる。

 しかし坂本龍馬との出会いが、世界への目を開かせた。勝海舟の神戸海軍塾、さらに龍馬が結成した亀山社中、海援隊と行動をともにした陽之助は、周囲から「嘘つきの小次郎」と渾名されながら、龍馬の片腕として活躍し始めるのだが……。

 龍馬と陽之助の破天荒な青春を見事に活写した、渾身の書き下ろし長篇小説。