上達論
発売日
2020年01月09日
判 型
四六判並製
ISBN
978-4-569-84560-9

上達論
基本を基本から検討する

著者 甲野善紀著 《武術家、武術研究家》
方条遼雨
主な著作 できない理由は、その頑張りと努力にあった』(PHP研究所)
税込価格 1,760円(本体価格1,600円)
内容 基本練習をひたすらやって、かえって「下手を植え付ける」人が多い。武術家の視点から、真の「学び」の在り方を考える。



 「まず基本を身につけよう」

 この言葉に呪縛されて、どれだけ多くの才能が芽を吹かずに枯れていったか――

 下手がやみくもに基本練習を繰り返しても、かえって下手を植え付け「未知への対応力」を鈍らせてしまう。そして、基本の「意味」を認識し、「意義」を体現できている指導者が壊滅状態にある今、他人に基本をひたすら繰り返させるのは、本来恐ろしい行為である。だが、世間では「基本が大事」と言って止まない。「基本信仰」こそ思考停止社会の元凶である。

 武術の探求者・甲野善紀の武術には「基本」がない。学ぶ側は、やみくもに頑張るのではなく、その瞬間瞬間の対応を迫られる。わかることに意味はなく、創造しできるようになる工夫をし続ける。本書では、甲野を観察し一から独自の理論と稽古法を構築して一流の格闘家からも驚かれる技を身につけた方条遼雨のユニークな上達論と、それをめぐる二人の対論で「上達の原理」を解き明かす。