Voice
発売日
2023年6月6日
税込価格
880円
(本体価格800円)
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Voice 2023年7月号

今月号の読みどころ

半導体はもはや、石油以上の戦略物資である。
先端半導体をつくる能力は、軍事的優位性にも直結し、製造能力をめぐる問題は国際政治上の問題に置き換えられる。
昨年秋に米国が中国への半導体輸出規制の強化を発表したのも、経済安全保障上の重要性が高まっているからだ。
しかし、かつて世界シェアで50%を誇っていた日本の半導体産業は、いまでは米国や台湾、韓国の後塵を拝するなど厳しい状況に追い込まれている。
本特集では、著書『半導体戦争』が世界的なベストセラーになったクリス・ミラー氏や、先端半導体の国産化をめざすRapidusの会長を務める東哲郎氏などの独占インタビューのほか、米中や台湾を中心に繰り広げられる半導体競争の最前線や、日本の構造的な課題やサプライチェーン・リスクに迫りつつ、半導体をめぐる覇権競争との向き合い方を探る。

特集2は「暴力とリベラルの罠」。
安倍晋三元首相が凶弾に斃れてからまもなく1年が経ついま、社会に蔓延る暴力を前に、日本のリベラルがはまっている陥穽を考える。
巻頭では、日本銀行前副総裁の若田部昌澄氏と、新著『日本の水商売』が話題を呼ぶ谷口功一氏が対談。
そのほか、小泉悠氏と與那覇潤氏の対談や、小説家の冲方丁氏へのインタビュー記事なども必読だ。
公式サイト

今月号の目次

特集1:半導体戦争の最前線
これから起きる本当のインパクト
クリス・ミラー
38p
再起した「日本半導体」の勝算
東 哲郎
48p
「棚ぼたの成長」に甘んじた日本
益 一哉
58p
地経学の問題としての半導体
鈴木一人
66p
心臓を貫かれた中国とAIブーム
高口康太
74p
「賭け」に勝った台湾の半世紀
野嶋 剛
82p
サプライチェーンリスクに備えよ
塩野 誠
90p
世界トップシェア企業が見据える変化
廣江敏朗
98p
特集2:暴力とリベラルの罠
テロリズムの正義とリベラリズムの自死
福田 充
130p
「暴君放伐」とリベラルの二つの道
河野有理
138p
安倍元首相襲撃事件は世論を変えたか
秦 正樹
146p
リベラル化する社会で「絶望」は生まれる
橘 玲
153p
連載ほか
今も続くロシアの「いちばん長い日」
小泉 悠&與那覇 潤
108p
物語も現実も「日本主義」
冲方 丁
122p
米国株のピークアウトと日本株の復活
中山大輔
212p
令和の事業家
フードテックが健康格差をなくす
橋本 舜
226p
巻頭対談
保守とは「夜の街」を守ること
若田部昌澄&谷口功一
16p
地政学的要衝研究会〈終〉
超大国アメリカの動揺と覚悟
吉田正紀
182p
近代日本暗殺史〈4〉
【大正(後編)】原敬暗殺事件(上)
筒井清忠
160p
大人の国語力が危ない〈3〉
解像度の高い社会に疲れる若者たち
石井光太
194p
考えさせたい大人、答えが欲しい若者〈5〉
ゆるブラックを避ける若者の深層心理
金間大介
202p
本音の目的を隠す喫煙規制
井上達夫
218p
著者に聞く
『ドラクエ』が描く家族の価値
藤田直哉
230p
ニッポン新潮流〈歴史論争〉
伊豆半島は古代史の宝庫
渡辺惣樹
28p
ニッポン新潮流〈現代社会〉
被選挙権年齢の合理性
西田亮介
30p
ニッポン新潮流〈都市文化〉
政治の舞台としての建築
藤村龍至
32p
地域から日本を動かす〈15〉
新しい飛行機で空港再生を狙え
結城豊弘
34p
令和の人文アニメ批評〈11〉
『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』
渡邉大輔
234p
歴史家の書棚〈36〉
金澤裕之『幕府海軍』、大久保健晴『福沢諭吉』
奈良岡聰智
238p
巻頭言〈31〉
サイエンスとアート
長谷川眞理子
13p
文明之虚説〈67〉
アルコールと読書
渡辺利夫
244p
今そこにある近代〈33〉
丸山タンク
写真・文/門井慶喜
1p
Wonder People〈31〉
未来の「破滅」に備えた北極圏の貯蔵庫
写真・文/佐藤健寿
6p
令和の撫子〈50〉
川名 桂
撮影/吉田和本
9p
Voiceブックス
編集者の読書日記

240p
Voiceシネマ
編集者の映画三昧

241p
Voiceレター
読者の感想&意見

242p

Voice とは

 月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。