雑誌
Voice 2024年3月号
今月号の読みどころ
長らく停滞してきた先進国の経済は、この数年で大きく様変わりしました。世界がパンデミックからの回復期にあったなか、ロシア・ウクライナ戦争などが勃発したことで、マネーの潮流は激変し、各国は急激なインフレに直面しました。インフレ制御と経済活動鈍化の狭間で、財政政策と金融政策を調和させながら舵取りを担うというかつてない困難な局面にあります。マネーの流れの変化は、新たな成長経済を牽引する強大な動力源として作用すると同時に、中国の不動産不況や米シリコンバレー銀行破綻などの経済危機を引き起こす要因ともなっています。本特集では、マネーの新潮流とそれが及ぼす影響に着目し、さまざまな観点から新たな経済の深層に迫りました。経済界と政界のキーパーソンであるマネックスグループ会長の松本大氏と衆議院議員の越智隆雄氏の特別対談などに加えて、ノーベル経済学賞受賞も有力視されているダロン・アセモグル氏の独占インタビューなどを掲載しています。
特集2は「検証・学歴社会」。功罪が語られ続けている学歴社会について、組織開発コンサルタントや行動遺伝学研究の第一人者などが多角的に議論しています。
巻頭には、1月13日に投開票された台湾総統選の結果を受けて、台湾政治に精通するジャーナリストの野嶋剛氏と、かつての「ひまわり学生運動」のリーダーであった林飛帆氏の緊急対談を掲載。台湾の現在と東アジアの未来を考えるうえで必読の内容です。
特集2は「検証・学歴社会」。功罪が語られ続けている学歴社会について、組織開発コンサルタントや行動遺伝学研究の第一人者などが多角的に議論しています。
巻頭には、1月13日に投開票された台湾総統選の結果を受けて、台湾政治に精通するジャーナリストの野嶋剛氏と、かつての「ひまわり学生運動」のリーダーであった林飛帆氏の緊急対談を掲載。台湾の現在と東アジアの未来を考えるうえで必読の内容です。
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今月号の目次
特集1:マネーの流れが変わった
フラット化の終焉で起きること |
伊藤元重 |
34p |
経済と社会を動かすカギは資本市場 |
松本 大 越智隆雄 |
42p |
求められる異次元緩和の「リニューアル」 |
中里 透 |
56p |
高まる「金融ショック」へのリスク |
大槻奈那 |
64p |
「安く買い負ける日本」から脱却せよ |
坂口孝則 |
72p |
ドル覇権は2050年まで続くか |
河合正弘 |
80p |
グリーンファイナンスは逆流していない |
吉高まり 大場紀章 |
90p |
国際政治を動かすマネーの新潮流 |
ダロン・アセモグル |
100p |
特集2:検証・学歴社会
真の課題は「仕事観」のアップデート |
勅使川原真衣 |
130p |
ニセモノの「能力主義」が問題だ |
安藤寿康 |
138p |
「教育格差」は絶対悪か? |
おおたとしまさ |
148p |
変わる韓国、岐路に立つ日本 |
有田 伸 |
156p |
「自由で開かれた国際秩序」は実現するか |
墓田 桂 |
110p |
日本人の「伝統的職業観」を取り戻せ |
田口佳史&田村 潤 |
118p |
マッチングアプリ、ホスト、真実の愛 |
山田昌弘&佐々木チワワ |
164p |
連載ほか
緊急対談 民進党の「苦い勝利」が意味するもの |
野嶋 剛&林 飛帆 |
16p |
「中国嫌い」のための中国史〈6〉 始皇帝 |
安田峰俊 |
182p |
日本史は「敗者」に学べ〈2〉 西郷隆盛(前編) |
呉座勇一 |
190p |
戦争を「ポルノ」にしない覚悟 |
五十嵐元道 |
200p |
誰一人取り残さない「男女共同参画社会」へ |
萩原なつ子 |
208p |
名作映画の「感動」が人生を形づくる |
本村凌二 とり・みき |
218p |
万博と裏庭問題 |
橋下 徹 |
226p |
著者に聞く 若者の連帯、世界への怒り |
大田ステファニー歓人 |
234p |
ニッポン新潮流〈現代社会〉 能登半島地震、情報不足の背景 |
西田亮介 |
26p |
ニッポン新潮流〈都市文化〉 奥能登の未来を考える |
藤村龍至 |
28p |
地域から日本を動かす〈23〉 九州推し |
結城豊弘 |
30p |
歴史家の書棚〈44〉 兒玉州平・手嶋泰伸編『日本海軍と近代社会』 |
奈良岡聰智 |
238p |
巻頭言〈2〉 孤高の愛国者、キッシンジャー |
冨田浩司 |
13p |
文明之虚説〈75〉 フロイト思想の在り処 |
渡辺利夫 |
244p |
邂逅する中世と現代〈5〉 対価と補償 |
作・文/野口哲哉 |
1p |
里山―未来へつなげたい日本の風景〈3〉 季節を運ぶ花 |
写真・文/今森光彦 |
6p |
令和の撫子〈58〉 真子千絵美 |
撮影/遠藤 宏 |
9p |
Voiceブックス 編集者の読書日記 |
240p |
|
Voiceシネマ 編集者の映画三昧 |
241p |
|
Voiceレター 読者の感想&意見 |
242p |
Voice とは
月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。