Voice
発売日
2024年9月6日
税込価格
880円
(本体価格800円)
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Voice 2024年10月号

今月号の読みどころ

7月3日、ドル・円の為替レートは一時、1ドル=161円90銭台にまで下落しました。1986年12月下旬以来の円安水準であり、その後はピークアウトしたものの、「弱い円」の問題については今後も議論されていくでしょう。この間には日経平均株価も乱高下を続けており、日本の金融や経済を取り巻く状況は依然として不透明です。「歴史的」という言葉が用いられるなど、長らく続いている円安の「正体」を解き明かしながら、これからの金融政策やわが国の経済の行方を占います。元日銀副総裁を務めた岩田規久男氏が考える「次期首相」の条件や飯田泰之氏が指摘する「利上げ・円高信仰」の誤解と盲点など、多角的に議論を展開しています。そのほか、巻頭には知日派ジャーナリストであるビル・エモット氏の特別インタビューを掲載。日本経済は「穏やかな成長」の時代であると語る、その理由とは。
特集2は「分断と『ことば』」。世界中で民主主義の危機が叫ばれるいま、「ことば」から分断の背景と対処法を探る特集です。そのほか、陳水扁元台湾総統の独占インタビュー第3弾や、9月27日の自民党総裁選出馬を表明した小林鷹之元経済安全保障大臣の特別論考「日本を『世界をリードする国』に」など、注目のインタビューや論考を掲載しています。
公式サイト

今月号の目次

特集1:円安の正体
次期首相の条件は量的緩和の継続
岩田規久男
38p
「利上げ・円高信仰」の誤解と盲点
飯田泰之
48p
経常黒字大国で「弱い円」が進む理由
唐鎌大輔
56p
岸田政権の三年は「経済失政」だったか
磯山友幸
64p
「超円安と日本株暴落」のカラクリ
加谷珪一
72p
新NISAによる円安圧力は続くのか
末廣 徹
80p
円安の進展、脱オーバーツーリズム
阿部大輔
88p
日本人に足りない金融リテラシー
田内 学
96p
特集2:分断と「ことば」
メディアが変える米国大統領選挙の流れ
清原聖子
134p
なぜ政治の「ことば」が問題になるのか
朱 喜哲
142p
「コメント欄」からは逃れられない
稲田豊史
150p
怒りは希望を生むのか?
柳澤田実
158p
巻頭インタビュー
日本経済は「穏やかな成長」の時代
ビル・エモット
18p
連載 ほか
日本を「世界をリードする国」に
小林鷹之
104p
「エモい記事」論争から考える報道の未来
武田 徹&西田亮介
112p
礼儀重視の日本、ドライなデンマーク
針貝有佳&三宅香帆
124p
日本で起こりうるテロに備えよ
宮坂直史
204p
「李登輝の後継者」としての懊悩と決断
陳 水扁
166p
「中国嫌い」のための中国史〈終〉
毛沢東
安田峰俊
184p
日本史は「敗者」に学べ〈9〉
山本五十六〈後編〉
呉座勇一
194p
〈宗教と現代世界研究会〉
イスラーム世界の生命力と国際社会での望み
小杉 泰
226p
「推し活」への関心とバックラッシュ
田島悠来
211p
米国の「占領」が残したもの
ミカエル・リュケン
218p
著者に聞く
自分の「浮き輪」をもっては手放す
しんめいP
236p
ニッポン新潮流〈現代社会〉
マスメディアでなくなった新聞紙
西田亮介
26p
ニッポン新潮流〈教育企業〉
「つぶしが効く」は身を助けるのか?
勅使川原 真衣
28p
ニッポン新潮流〈都市文化〉
グローバルイベントと都市
藤村龍至
30p
ニッポン新潮流〈現代思想〉
アメリカをリメイクする想像力
谷川嘉浩
32p
地域から日本を動かす〈30〉
災害時に力を発揮、地方のケーブルテレビ
結城豊弘
34p
歴史家の書棚〈51〉
廣部 泉『人種差別撤廃提案とパリ講和会議』
奈良岡 聰智
240p
巻頭言〈8〉
大統領の肖像
冨田浩司
15p
文明之虚説〈82〉
中国「王朝化」のリスク
渡辺利夫
246p
邂逅する中世と現代〈12〉
栄養と労働
作・文/野口哲哉
1p
里山―未来へつなげたい日本の風景〈10〉
秋の風景
写真・文/今森光彦
8p
令和の撫子〈65〉
大利弥里
撮影/吉田和本
11p
Voiceブックス
編集者の読書日記

242p
Voiceシネマ
編集者の映画三昧

243p
Voiceレター
読者の感想&意見

244p

Voice とは

 月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。