Voice
発売日
2025年9月5日
税込価格
880円
(本体価格800円)
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Voice 2025年10月号

今月号の読みどころ

戦後、日本は「平和と繁栄」を追い求め、それなりに実現しました。表面的に見れば、これほど成功を収めた国は稀有でしょう。しかし実際、現在、どれだけの日本人が幸福感を抱いているでしょうか。アメリカのトランプ大統領の再登場が象徴するように、日本のみならず世界的に従来の価値観が揺らいでおり、テクノロジーの進化によって私たちの生き方も問い直されています。もはや私たちにとって「手本」となるような国は存在せず、つまりは日本の歴史や文化をふまえて「幸福」を考えなければいけません。西洋近代とは異なる「日本思想」から幸福について考察する佐伯啓思氏の論考をはじめ、8つの論考・インタビューから私たちにとっての幸せとは何かを考えます。特集2は「武器化する貿易、日本経済の活路」。トランプ関税で世界が揺れ続けるなか、日本が進むべき活路を検討します。特別企画「自民党は何を間違えたか」では、参院選を経て政局が不安定化するいま、自民党凋落の背景と今後の日本政治について議論。そのほか、彬子女王殿下と漫画家のほしよりこ氏の巻頭対談「『好き』を追求した時間は人生の宝物」を掲載しています。
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今月号の目次

特集1:令和の新・幸福論
現世的かつ現実的な「日本思想」の可能性
佐伯啓思
38p
開かれた協調性という希望
内田 由紀子
52p
厳しい安保環境、フィンランドと韓国の違い
牧野愛博
60p
結婚の「メリット」をいかに引き出すか
筒井淳也
70p
AIエージェントで始まる「新しい人間関係」
三宅 陽一郎
78p
古代ギリシアに学ぶ幸福と自由
荻野弘之
86p
名経営者たちが従業員を幸せにできる理由
前野隆司
94p
読書は人を自由にするか、閉じ込めるか
千葉雅也
102p
特集2:武器化する貿易、日本経済の活路
自由貿易と経済安全保障のジレンマ
鈴木一人
130p
日本の貿易、内なる課題への挑戦
小島 明
138p
産業発展の歴史にみる「競争政策」
和田聡子
146p
特別企画:自民党は何を間違えたか
自民党の命脈はいつ尽きていたか
河野有理&與那覇 潤
184p
二大政党の終焉、多党制時代の到来
佐藤 理
196p
新しい階級社会、岩盤保守の転換
橋本健二
206p
巻頭対談
「好き」を追求した時間は人生の宝物
彬子女王&ほしよりこ
18p
特別寄稿
イラン・イスラエル戦争と中東情勢の転換
山内昌之
110p
【松本紘氏 追悼】
研究者を守り抜いた「大恩人」の志
山中伸弥
122p
連載 ほか
それでも、生まれてきたことを肯定する〈5〉
コーピングとして顕れる心
近内悠太
214p
【トランプ2.0、翻弄される世界を歩く】〈新〉
インドネシア
岡部 伸
154p
【闘う首長】〈6〉
AIを生かしたまちづくり
宮元 陸
166p
【新時代ビジョン研究会】
人口減少下で進める「100年に一度」の大改造――山形県山形市
稲村裕介
222p
日本映画史の画期『雪風 YUKIKAZE』
瀬戸川 宗太
230p
令和の事業家
中学生姉妹が伝統文化にかける思い
りり&てる
236p
ニッポン新潮流〈現代社会〉
「令和の政治」の本格始動
西田亮介
26p
ニッポン新潮流〈教育企業〉
「成長」を求める時代に「成熟」を考える
勅使川原 真衣
28p
ニッポン新潮流〈都市文化〉
青森の祭と空襲の記憶
藤村龍至
30p
ニッポン新潮流〈現代思想〉
批評の最前線はポッドキャスト
谷川嘉浩
32p
地域から日本を動かす〈42〉
「令和のコメ騒動」を再び起こすな
結城豊弘
34p
歴史家の書棚〈63〉
小峯隆生著、柿谷哲也撮影『我ら海中自衛隊』
奈良岡 聰智
240p
巻頭言〈19〉
開放性の政治学
冨田浩司
15p
文明之虚説〈94〉
杉山茂丸という「黒幕」
渡辺利夫
246p
戦跡が語る「先の大戦」〈9〉
グアム島
写真・文/安島 太佳由
1p
里山―未来へつなげたい日本の風景〈22〉
秋空とリンゴ
写真・文/今森光彦
8p
令和の撫子〈77〉
大北 友紀乃
撮影/吉田和本
11p
Voiceブックス
編集者の読書日記

242p
Voiceシネマ
編集者の映画三昧

243p
Voiceレター
読者の感想&意見

244p

Voice とは

 月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。