雑誌
歴史街道 2011年2月号
今月号の読みどころ
「徳川家に輿入れして数年経つというに、いまだ世継ぎができぬとはのう」。三度目の結婚で夫・秀忠よりも年上の正室・江に、そんな陰口が囁かれます。しかし、江には固く秘めた思いがありました。すなわち「ここを自分の生きる場所と定め、父母の血を伝える」というものです。その原点には、炎上する北ノ庄城と運命を共にした母・市の、凛とした姿がありました。「自分には帰るべき実家はない。ならばここで、浅井と織田の血に恥じぬ生き方をしよう」。それこそが母が身をもって示してくれた生きる上での覚悟であり、江だけでなく、姉の茶々(豊臣秀吉側室・淀)や初(京極高次正室)もそれぞれが受け止めたものでした。乱世を気高く生きた浅井三姉妹の誇りを描きます。第二特集は「秋風五丈原」です。
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三姉妹、産仕舞、猿芝居 |
黒鉄ヒロシ |
3p |
この人に会いたいvol. 49 |
竹野内豊 |
7p |
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【総力特集】茶々、初、そして… 江と戦国乱世 浅井三姉妹が守り抜いたもの
[総論] 戦国の荒波の中、誇りを失わず凛として生きた母と娘たち |
坂東眞理子 |
14p |
ビジュアル1 琵琶湖を望む浅井氏の本拠・小谷城の威容 |
20p |
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特別インタビュー 乱世をしなやかに強く生きた江の魅力 |
上野樹里 |
22p |
ビジュアル2 三姉妹を取り巻く人々 |
24p |
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「御前をよきに頼む」夫への想いを秘め、幼子を抱き敵のもとへ |
梓澤 要 |
26p |
コラム1 織田か、朝倉か…浅井家当主の決断 |
31p |
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ビジュアル3 小谷、北ノ庄、大坂…三人を彩った城 |
32p |
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「浅井の血を伝えよ」落城の業火の中、母が最期に示した覚悟 |
八尋舜右 |
34p |
「悪いようにはせぬ」秀吉の打算に翻弄された三姉妹のそれから |
楠戸義昭 |
40p |
コラム2 秀吉を怒らせた江の二人の夫 |
45p |
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今度こそ幸せに…秀頼誕生、秀忠と結婚、しかし風雲は急を告げて |
畑 裕子 |
46p |
コラム3 実直ゆえに…忠隣が推した二代将軍 |
51p |
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豊臣家の母、裏切り者の妻、徳川家の嫁、…それぞれの天下分け目 |
江宮隆之 |
52p |
コラム4 千姫、家光、和子…江の血を継いだ子供たち |
57p |
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江、初、茶々… それぞれの人生年表 |
58p |
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自分がすべきことは何か…大坂城と姉の悲劇になす術もない中で |
植松三十里 |
60p |
NHK大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」に込めた思い |
田渕久美子 |
66p |
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江とその家族たち編 高野山奥之院に戦国武将の墓碑を訪ねて |
70p |
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【特集】諸葛亮孔明 VS 司馬懿仲達 秋風五丈原「北伐」に志を託して
「天下三分の計」か、関中死守か…三国志最後の大戦 |
渡邉義浩 |
78p |
ビジュアル 「天下三分の計」完遂のために…諸葛亮、五度の北伐! |
86p |
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成否を天に委ね、「志」を全うすべく遥か北を目指す[前編] 痛恨の街亭、愛弟子とともに勝機失う |
秋月達郎 |
88p |
天才軍師の最期、名士の逆襲…三国統一年表 |
93p |
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成否を天に委ね、「志」を全うすべく遥か北を目指す[後編] 死して後已む…敵軍を前に将星墜ちて |
秋月達郎 |
94p |
コラム 司馬懿の一矢が導いた中国統一 |
99p |
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連載小説 我、六道を懼れず 真田昌幸 連戦記 第12回 |
海道龍一朗 |
100p |
「歴史街道」伝言板 |
110p |
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BOOKS・CINEMA |
112p |
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この著者に注目! 乾 緑郎 |
114p |
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真実の日米衝突史―その歴史から何を学ぶべきか 第7回 「五十年不動」の改定日米安保の枠組み |
渡部昇一 |
116p |
良質・スピード・情報収集…… 江戸の「下り酒」ビジネス―その栄枯盛衰 |
河島順一郎 |
123p |
きまぐれ探検 昭和なスケッチ 第9回 淡路町界隈 |
本山賢司 |
128p |
歴史街道クイズ 「戦国検定!」 |
132p |
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歴史街道・ロマンへの扉 知恩院 |
鶴田純也 |
134p |
東京で味わう ふるさとの料理×うまい酒 第7回 新潟県 のっぺ |
石田 千 |
136p |
続・自転車紀行 シルクロードをゆく 第1回 タシケントからサマルカンドへ |
長澤法隆(写真・文) |
141p |
歴史街道 とは
「いま、歴史がおもしろい」
歴史は過去の人物や出来事を取り上げるとはいえ、現代の人びとに役立たなければ意味がありません。また、歴史は本来、そんなに堅苦しく難しいものではなく、もっと身近で楽しいものであるはずです。そして何より、人間を知り、時代の流れを知る上で、歴史ほど有益な参考書はありません。そこで『歴史街道』は、現代からの視点で日本や外国の歴史を取り上げ、今を生きる私たちのために「活かせる歴史」「楽しい歴史」をビジュアルでカラフルな誌面とともに提供します。いわば、新しいタイプの歴史雑誌といえるでしょう。