雑誌
歴史街道 2011年3月号
今月号の読みどころ
日露戦争の智将といえば、海軍の秋山真之に対し、陸軍では児玉源太郎を挙げる人も多いでしょう。児玉が類稀な軍略家であったことは事実ですが、しかし、彼はそれだけで括れる男ではありません。台湾総督として卓抜した経営手腕を発揮した政治家であり、国際情勢を見据えて、日露戦争後の日本が進むべき道を示すことのできた指導者です。そして国家が危機に直面すれば、いささかも迷わずに我が身を捨て、笑って貧乏くじを引ける人間でした。彼があと十年長命であれば、大正・昭和の日本は全く変わっていたでしょう。現代の「エリート主義」からは決して生まれない国家指導者・児玉源太郎の魂が、日本人に語りかけるものは何かを探ります。第二特集は「江戸はいかにして創られたか」です。
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木霊幻多量 |
黒鉄ヒロシ |
3p |
vol.50 この人に会いたい |
チェン・ハオ |
7p |
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【総力特集】百年先を見据えた国家指導者 児玉源太郎 明治日本の危機を救ったもの
総論 合理主義に徹し、国家のために火中の栗を拾った真の指導者 |
中西輝政 |
14p |
ビジュアル1 奇跡の奉天勝利、そして新たな戦いへ |
22p |
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ビジュアル2 衛生、交通、産業振興…台湾の近代化に向けて |
24p |
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「児玉がいれば心配無用」貧困と不遇の中で磨かれた果断の将才 |
童門冬二 |
26p |
コラム1 自前の製鉄所を! 欧州視察で知った一流国の条件 |
31p |
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将兵を悉く消毒せよ! 欧米が驚愕した徹底検疫と盟友との出会い |
高野 澄 |
32p |
コラム2 愛すべき磊落さと心遣い |
37p |
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同じアジア人として…近代化に臨んだ最強コンビ、台湾に奇跡をもたらす |
江宮隆之 |
38p |
コラム3 「宥和」と「信頼」から台湾の発展は始まった |
43p |
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人生年表・軍人から国家指導者へ! 55年の軌跡 |
44p |
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身命を惜しまず! 参謀次長の重責を引き受け、日露開戦に備える |
河合 敦 |
46p |
コラム4 議会解散! 戦争に備えての大芝居 |
51p |
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「つけた火は消せ!」激闘の果てに総参謀長が示した幕引きの軍略 |
秋月達郎 |
52p |
「南満州鉄道は生命線」新天地に描いた構想の先に見ていたもの |
松田十刻 |
62p |
ビジュアル3 大胆シミュレーション! もし児玉があと10年生きていたら…? |
66p |
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高野山奥之院に戦国武将の墓碑を訪ねて 全国の名将編 |
70p |
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きまぐれ探検 昭和なスケッチ 第10回 久我山界隈 |
本山賢司 |
74p |
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【特集】江戸はいかにして創られたか―グランドデザインを描いた男たち
第1部 土地開発 神田山切り崩し、町割、五街道…寒村から百万都市へ |
中江克己 |
78p |
ビジュアル 水の確保、街道整備、埋め立て…かくして「大江戸」は生まれた |
84p |
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第2部 水道 市中に水を! 難工事を克服して生まれた「水の都」 |
中江克己 |
86p |
第3部 町づくり 遊廓、魚市場、伝馬役、地相…江戸の繁栄を目指して |
中江克己 |
90p |
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第3回 通信エラーが招いた悪夢の序曲 重巡インディアナポリスの悲劇 |
吉田一彦 |
94p |
第13回 連載小説 我、六道を懼れず 真田昌幸 連戦記 |
海道龍一朗 |
100p |
「歴史街道」伝言板 |
110p |
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BOOKS・CINEMA |
112p |
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この著者に注目! 早坂隆 |
114p |
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真実の日米衝突史―その歴史から何を学ぶべきか 最終回 今こそ、サンフランシスコ講和条約に戻る時 |
渡部昇一 |
116p |
実はこんなにあった! 東京23区古墳MAP |
128p |
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歴史街道クイズ 「戦国検定!」 |
132p |
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歴史街道・ロマンへの扉 大阪城 |
鶴田純也 |
134p |
東京で味わう ふるさとの料理×うまい酒 第8回 秋田県 切りたんぽ鍋 |
石田 千 |
136p |
続・自転車紀行 シルクロードをゆく 第2回 サマルカンドからブハラへ |
長澤法隆(写真・文) |
141p |
歴史街道 とは
「いま、歴史がおもしろい」
歴史は過去の人物や出来事を取り上げるとはいえ、現代の人びとに役立たなければ意味がありません。また、歴史は本来、そんなに堅苦しく難しいものではなく、もっと身近で楽しいものであるはずです。そして何より、人間を知り、時代の流れを知る上で、歴史ほど有益な参考書はありません。そこで『歴史街道』は、現代からの視点で日本や外国の歴史を取り上げ、今を生きる私たちのために「活かせる歴史」「楽しい歴史」をビジュアルでカラフルな誌面とともに提供します。いわば、新しいタイプの歴史雑誌といえるでしょう。