雑誌
歴史街道 2011年5月号
今月号の読みどころ
独ソ戦でドイツ軍の侵攻を退け、ソ連の英雄と謳われたジューコフ元帥は戦後、こう語っています。「自分の軍歴で最も苦しかったのは独ソ戦ではなく、ノモンハンでの日本軍との戦いだった」…。昭和14年(1939)5月より、満蒙国境で日本軍とソ連軍が衝突したノモンハン事件については、長年、侵略の野望を抱いた日本軍を、ソ連軍が一方的に破ったと語られてきました。しかし平成3年(1991)のソ連崩壊後、新史料が公開され、従来の説は覆ります。すなわち越境侵攻したのはソ連軍であり、日本軍は十倍の敵を相手に凄まじい敢闘を見せ、戦車戦でも航空戦でも、自軍を上回る損害をソ連軍に与えていたのです。ノモンハンの真相と日本軍将校の奮闘を描きます。第二特集は「幕末の蘭方医」です。
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ノモンハンは、今もノモンハン |
黒鉄ヒロシ |
3p |
vol.52 この人に会いたい |
前田亜季 |
7p |
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【総力特集】覆る昭和史! ノモンハンの真実 日ソはなぜ、衝突したのか
〈総論〉 日本軍の敢闘とソ連の謀略…それは歴史の一大分岐点だった |
中西輝政 |
14p |
ビジュアル1 戦車部隊の夜襲と渡河攻撃、ソ連軍の度肝を抜く! |
22p |
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ビジュアル2 日ソ両軍の主力兵器比較 |
24p |
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スターリンとヒトラー、欧州を狙う二人の独裁者が極東に戦火を招く |
吉田一彦 |
26p |
ビジュアル3 激戦の舞台となった満蒙国境 |
32p |
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世界初、雷雨を衝く夜襲! 敵戦線を崩壊させた戦車第四連隊の奇策 |
古是三春 |
34p |
ノモンハン、激闘の軌跡 |
40p |
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ビジュアル4 痛恨の結末! ソ連軍大攻勢の前に陣地防禦成らず |
42p |
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明日をも知れぬ戦場で、男たちが綴った思い ―田中誠一上等兵、榊原重男軍曹の手記より |
44p |
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二日間で敵五十一機を撃墜! 「稲妻戦隊」と荒鷲たちの激闘の日々 |
山之口洋 |
50p |
〈コラム〉 英霊を顕彰し、事件の実相を伝えるノモンハン会 |
57p |
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ビジュアル5 九七戦VSИ-16! ハルハ河上空の敵機、掃討せり |
58p |
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ビジュアル6 ホロンバイルの空を駆けた稲妻戦隊 |
60p |
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空戦六十六回! 「野武士戦隊」の闘いの中から得たもの |
瀧山 和 |
62p |
一転して南進、日米開戦…その後の日本の進路を狂わせたものは何か |
福井雄三 |
66p |
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きまぐれ探検 昭和なスケッチ 第12回 言問通りをゆく 後篇 |
本山賢司 |
74p |
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【特集】胸には「仁」の心 幕末の蘭方医 最新医術をもって救命に挑む
蘭方医たちの「情熱」が、近代医学の夜明けをもたらした |
酒井シヅ |
78p |
コラム 西洋医学の灯火を守ったある商人 |
83p |
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ビジュアル 難病・難手術に挑んだ幕末の蘭方医たち |
84p |
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楢林宗建、笠原良策、緒方洪庵… 「天然痘を撲滅せよ」種痘普及に尽くした男たち |
中江克己 |
86p |
佐藤泰然、松本良順、高松凌雲… 開腹手術、梅毒検査、赤十字…近代医術の先駆け |
中江克己 |
90p |
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伝説の仮装巡洋艦エムデン 第1回 神出鬼没の艦、出撃す |
吉田一彦 |
94p |
第15回 連載小説 我、六道を懼れず 真田昌幸 連戦記 |
海道龍一朗 |
100p |
「歴史街道」伝言板 |
110p |
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BOOKS・CINEMA |
112p |
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この著者に注目! 酒井茂之 |
114p |
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駐日米大使グルーの昭和史 ―天皇を敬慕し、開戦回避に尽くしたアメリカ人 第2回 和やかな午餐会 |
太田尚樹 |
116p |
日本初の三百勝投手 スタルヒン ―白球で運命に打ち勝った男 |
澤宮 優 |
122p |
「ラーメン」はいかにして国民食となったのか 後編 |
戸田京助 |
127p |
歴史街道クイズ 「戦国検定!」 |
132p |
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歴史街道・ロマンへの扉 坂越 |
鶴田純也 |
134p |
東京で味わう ふるさとの料理×うまい酒 第10回 島根県 鯛めし |
石田 千 |
136p |
続・自転車紀行 シルクロードをゆく 第4回 アシガバットからマシュハドへ |
長澤法隆(写真・文) |
141p |
歴史街道 とは
「いま、歴史がおもしろい」
歴史は過去の人物や出来事を取り上げるとはいえ、現代の人びとに役立たなければ意味がありません。また、歴史は本来、そんなに堅苦しく難しいものではなく、もっと身近で楽しいものであるはずです。そして何より、人間を知り、時代の流れを知る上で、歴史ほど有益な参考書はありません。そこで『歴史街道』は、現代からの視点で日本や外国の歴史を取り上げ、今を生きる私たちのために「活かせる歴史」「楽しい歴史」をビジュアルでカラフルな誌面とともに提供します。いわば、新しいタイプの歴史雑誌といえるでしょう。