歴史街道
発売日
2011年4月6日
税込価格
660円
(本体価格600円)
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歴史街道 2011年5月号

今月号の読みどころ

独ソ戦でドイツ軍の侵攻を退け、ソ連の英雄と謳われたジューコフ元帥は戦後、こう語っています。「自分の軍歴で最も苦しかったのは独ソ戦ではなく、ノモンハンでの日本軍との戦いだった」…。昭和14年(1939)5月より、満蒙国境で日本軍とソ連軍が衝突したノモンハン事件については、長年、侵略の野望を抱いた日本軍を、ソ連軍が一方的に破ったと語られてきました。しかし平成3年(1991)のソ連崩壊後、新史料が公開され、従来の説は覆ります。すなわち越境侵攻したのはソ連軍であり、日本軍は十倍の敵を相手に凄まじい敢闘を見せ、戦車戦でも航空戦でも、自軍を上回る損害をソ連軍に与えていたのです。ノモンハンの真相と日本軍将校の奮闘を描きます。第二特集は「幕末の蘭方医」です。

公式サイト
今月号の目次
ノモンハンは、今もノモンハン
黒鉄ヒロシ
3p
vol.52
この人に会いたい
前田亜季
7p



【総力特集】覆る昭和史! ノモンハンの真実 日ソはなぜ、衝突したのか
〈総論〉
日本軍の敢闘とソ連の謀略…それは歴史の一大分岐点だった
中西輝政
14p
ビジュアル1 
戦車部隊の夜襲と渡河攻撃、ソ連軍の度肝を抜く!

22p
ビジュアル2 
日ソ両軍の主力兵器比較

24p
スターリンとヒトラー、欧州を狙う二人の独裁者が極東に戦火を招く
吉田一彦
26p
ビジュアル3 
激戦の舞台となった満蒙国境

32p
世界初、雷雨を衝く夜襲! 敵戦線を崩壊させた戦車第四連隊の奇策
古是三春
34p
ノモンハン、激闘の軌跡

40p
ビジュアル4 
痛恨の結末! ソ連軍大攻勢の前に陣地防禦成らず

42p
明日をも知れぬ戦場で、男たちが綴った思い ―田中誠一上等兵、榊原重男軍曹の手記より

44p
二日間で敵五十一機を撃墜! 「稲妻戦隊」と荒鷲たちの激闘の日々
山之口洋
50p
〈コラム〉
英霊を顕彰し、事件の実相を伝えるノモンハン会

57p
ビジュアル5 
九七戦VSИ-16! ハルハ河上空の敵機、掃討せり

58p
ビジュアル6 
ホロンバイルの空を駆けた稲妻戦隊

60p
空戦六十六回! 「野武士戦隊」の闘いの中から得たもの
瀧山 和
62p
一転して南進、日米開戦…その後の日本の進路を狂わせたものは何か
福井雄三
66p



きまぐれ探検 昭和なスケッチ
第12回 言問通りをゆく 後篇
本山賢司
74p



【特集】胸には「仁」の心 幕末の蘭方医 最新医術をもって救命に挑む
蘭方医たちの「情熱」が、近代医学の夜明けをもたらした
酒井シヅ
78p
コラム 西洋医学の灯火を守ったある商人

83p
ビジュアル 難病・難手術に挑んだ幕末の蘭方医たち

84p
楢林宗建、笠原良策、緒方洪庵… 「天然痘を撲滅せよ」種痘普及に尽くした男たち
中江克己
86p
佐藤泰然、松本良順、高松凌雲… 開腹手術、梅毒検査、赤十字…近代医術の先駆け
中江克己
90p



伝説の仮装巡洋艦エムデン
第1回 神出鬼没の艦、出撃す
吉田一彦
94p
第15回
連載小説 我、六道を懼れず 真田昌幸 連戦記
海道龍一朗
100p
「歴史街道」伝言板

110p
BOOKS・CINEMA

112p
この著者に注目!
酒井茂之

114p
駐日米大使グルーの昭和史 ―天皇を敬慕し、開戦回避に尽くしたアメリカ人
第2回 和やかな午餐会
太田尚樹
116p
日本初の三百勝投手 スタルヒン ―白球で運命に打ち勝った男
澤宮 優
122p
「ラーメン」はいかにして国民食となったのか 後編
戸田京助
127p
歴史街道クイズ 「戦国検定!」

132p
歴史街道・ロマンへの扉
坂越
鶴田純也
134p
東京で味わう ふるさとの料理×うまい酒
第10回 島根県 鯛めし
石田 千
136p
続・自転車紀行 シルクロードをゆく
第4回 アシガバットからマシュハドへ
長澤法隆(写真・文)
141p

歴史街道 とは

「いま、歴史がおもしろい」
 歴史は過去の人物や出来事を取り上げるとはいえ、現代の人びとに役立たなければ意味がありません。また、歴史は本来、そんなに堅苦しく難しいものではなく、もっと身近で楽しいものであるはずです。そして何より、人間を知り、時代の流れを知る上で、歴史ほど有益な参考書はありません。そこで『歴史街道』は、現代からの視点で日本や外国の歴史を取り上げ、今を生きる私たちのために「活かせる歴史」「楽しい歴史」をビジュアルでカラフルな誌面とともに提供します。いわば、新しいタイプの歴史雑誌といえるでしょう。