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歴史街道 2011年10月号
今月号の読みどころ
生涯70余度の合戦に臨み、43勝2敗25引き分け、勝率9割5分、しかも大敗は一度もなしという武将がいました。越後の龍、また毘沙門天の化身とも呼ばれた上杉謙信です。神懸り的な強さもさることながら、彼は他の武将とは全く価値観が異なっていました。すなわち己の利のためには戦わず、筋目、つまり「義」のためにのみ戦うのです。宿敵の一人、北条氏康はこう語ります。「信玄や信長は表裏常なく、頼むに足りぬが、謙信のみは請け合ったら骨になっても義理を通す」。また武田信玄は臨終の際、こう遺言します。「わしの死後は謙信を頼れ」。己の信じるものを断じて曲げず、それゆえ敵にすらも信頼された謙信の、無類の強さの秘密を探ります。第二特集は「兵学者・吉田松陰」です。
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関心、謹慎、軍神、謙信、渾身 |
黒鉄ヒロシ |
3p |
この人に会いたい vol.57 |
渡辺 謙 |
7p |
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【総力特集】毘沙門天の化身 上杉謙信 「生涯無敗」の強さを生んだもの
総論 軍神を奉じ「信義」に生きた時、悩める男は最強武将となった |
童門冬二 |
14p |
ビジュアル1 毘沙門天、降臨! 霧の川中島 |
20p |
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ビジュアル2 落城目前! 十一万余の軍勢で、小田原城を追い詰める |
22p |
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ビジュアル3 かくして軍神と化す! 愛用の武具の数々 |
24p |
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ビジュアル4 いざ出陣! 荘厳なる戦勝祈願の「武?式」 |
26p |
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「われは毘沙門天の化身なり」時代に選ばれた大器、越後統一へ |
梓澤 要 |
28p |
コラム1 「我なくば毘沙門天もありえない」謙信の自負 |
33p |
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「義」のみでは人は動かぬ…家臣の離反と葛藤の中でつかんだもの |
江宮隆之 |
34p |
関東管領就任! 大義を掲げ、十一万の軍勢で小田原城に攻め寄せる |
江宮隆之 |
40p |
コラム2 運は天にあり…戦陣に臨む覚悟 |
45p |
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ビジュアル5 関東管領の旗の下に集った関八州の武者たち |
46p |
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「信玄、参る!」懸り乱れ龍の旗を翻し、一挙に武田本陣を衝く |
永岡慶之助 |
48p |
人生年表 |
53p |
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三国峠を越えて戦うこと三十七度…あくまで関東平定を目指して |
花ヶ前盛明 |
54p |
ビジュアル6 七十度の合戦で大敗なし! 最強武将の生涯戦績 |
60p |
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「ならば追撃するまでよ」怒濤と化した越後勢、織田軍を粉砕す |
秋月達郎 |
62p |
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学校を創立した実業家たち |
70p |
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きまぐれ探検 昭和なスケッチ 第17回 竹ノ塚界隈 |
本山賢司 |
74p |
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【特集】兵学者・吉田松陰 ――未曾有の国難に「兵法の理」で挑む
欧米列強の脅威に「兵法の理」で立ち向かった男 |
森田吉彦 |
78p |
ビジュアル 長崎、熊本から津軽まで…実地検分と識者に会う旅 |
84p |
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九州、江戸湾、東北…実地踏査のために脱藩も辞せず |
楠戸義昭 |
86p |
黒船密航、松下村塾の飛耳長目…あくまで兵学者を貫く |
松田十刻 |
90p |
【年表】 兵学者・松陰の足跡 |
94p |
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風船爆弾の真実 第2回 風船兵器の製造、始まる |
吉田一彦 |
95p |
[連載小説]真田昌幸 連戦記 第20回 我、六道を懼れず |
海道龍一朗 |
100p |
「歴史街道」伝言板 |
110p |
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BOOKS・CINEMA |
112p |
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この著者に注目! 西牟田靖 |
114p |
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駐日米大使グルーの昭和史 ―天皇を敬慕し、開戦回避に尽くしたアメリカ人 第7回 忍び寄る共産主義 |
太田尚樹 |
116p |
一泊二日でまわる 世界遺産「古都奈良の文化財」 |
田中次郎 |
122p |
明治・大正の古写真に見る 東京・お茶の水界隈 |
平塚七郎 |
128p |
歴史街道クイズ 「戦国検定!」 |
132p |
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歴史街道・ロマンへの扉 岸和田 |
鶴田純也 |
134p |
東京で味わう ふるさとの料理×うまい酒 第15回 長崎県 茶碗蒸し |
石田 千 |
136p |
続・自転車紀行 シルクロードをゆく 第9回 テヘランからラムサールへ |
長澤法隆/写真・文 |
141p |
歴史街道 とは
「いま、歴史がおもしろい」
歴史は過去の人物や出来事を取り上げるとはいえ、現代の人びとに役立たなければ意味がありません。また、歴史は本来、そんなに堅苦しく難しいものではなく、もっと身近で楽しいものであるはずです。そして何より、人間を知り、時代の流れを知る上で、歴史ほど有益な参考書はありません。そこで『歴史街道』は、現代からの視点で日本や外国の歴史を取り上げ、今を生きる私たちのために「活かせる歴史」「楽しい歴史」をビジュアルでカラフルな誌面とともに提供します。いわば、新しいタイプの歴史雑誌といえるでしょう。