歴史街道
発売日
2012年2月6日
税込価格
660円
(本体価格600円)
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歴史街道 2012年3月号

今月号の読みどころ

「秀忠め、まだ参らぬか」。美濃赤坂に陣取り、爪をかむ徳川家康。一方、大垣城から赤坂を望む石田三成も苛立ちを隠せません。「丹後も大津も、まだ片付かぬか」。関ケ原前日の慶長5年(1600)9月14日、戦機は熟したものの、東西両軍の主将はいずれも、予定の軍勢が参着しないという誤算に焦れていました。その誤算をもたらしたものこそ、籠城戦です。二カ月前の伏見城を皮切りに、田辺城、小松城、安濃津城、上田城、大津城などで攻防が展開され、足止めされて関ケ原に参加できなかった軍勢は、東西両軍合わせて九万。つまり関ケ原の行方を決したのは、実はこれらの籠城戦だったのです。籠城を決断した男たちの、もう一つの関ケ原を描きます。第二特集は「渋沢栄一と武士道」です。

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今月号の目次
籠城する兵に告ぐ
黒鉄ヒロシ
5p
この人に会いたい
vol.62
加藤あい
9p



【総力特集】 関ケ原「籠城」列伝 天下を左右したもう一つの決断
総論
あの軍勢が関ケ原にあれば…籠城の決断が天下の行方を変えた
小和田哲男
14p
ビジュアル1
落城寸前…城主の危機を救った安濃津の奇跡

20p
ビジュアル2
大乱の幕開け! 伏見城の激闘

22p
討死こそ武士の華! 命を高く売った老将の前に大坂方は… ・伏見城
高橋直樹
24p
籠城戦で戦局動く! その時、三成と家康は…
①西軍の戦略構想と家康の誘降工作
工藤章興
28p
「天、見捨て給わず」敵を釘付けにした文人武将、最後の一手 ・田辺城
永岡慶之助
32p
難攻不落! 縄張りから関ケ原の「堅城」を読み解く 伏見城・田辺城
中井 均
36p
「叩くのは今ぞっ」北陸無双の城と伏兵、前田の大軍を痛撃す ・小松城
江宮隆之
38p
コラム1
もう一つの転機…岐阜城陥落

43p
籠城戦で戦局動く! その時、三成と家康は…
②大谷の智謀、三成の懸念、家康の叱咤
工藤章興
44p
男に劣るまじ…絶体絶命の城主、華麗なる若武者に救われて ・安濃津城
梓澤 要
46p
籠城戦で戦局動く! その時、三成と家康は…
③防衛線の破綻と徳川軍西上
工藤章興
50p
難攻不落! 縄張りから関ケ原の「堅城」を読み解く 小松城・安濃津城
中井 均
52p
【年表】
同時並行で籠城線が展開! 決戦までのタイムテーブル

54p
それが一日で終わらなければ…鬼謀の父子が見せた必勝の図式 ・上田城
橋場日月
56p
コラム2
西軍の主要武将たち

61p
難攻不落! 縄張りから関ケ原の「堅城」を読み解く 上田城・大津城
中井 均
62p
ほたると嘲られた男の意地が、湖上の城で最強武将を跳ね返す 大津城
秋月達郎
64p
コラム3
東軍の主要武将たち

69p
籠城戦で戦局動く! その時、三成と家康は…
④なぜ西軍は転進し、東軍は追ったのか
工藤章興
70p



きまぐれ探検 昭和なスケッチ
第22回 高円寺界隈
本山賢司
74p



【特集】渋沢栄一と武士道 「士魂商才」の志を持て
世のために尽くす…「論語と算盤」の根本にある精神
童門冬二
78p
八面六臂の活躍をした92年の軌跡

83p
ビジュアル 「士魂商才」の志を育み、伝えて

84p
今や武士道とは実業道…真の「強民富国」を目指して
鹿島 茂
86p
会社とは公器…適材適所を徹底し、資本主義を育む
鹿島 茂
90p



仮装巡洋艦アトランティス
第3回 オートメドンとの邂逅
吉田一彦
95p
[連載小説]真田昌幸 連戦記
第25回 我、六道を懼れず
海道龍一朗
100p
「歴史街道」伝言板

110p
BOOKS・CINEMA

112p
この著者に注目!
浅見雅男

114p
駐日米大使グルーの昭和史 ―天皇を敬慕し、開戦回避に尽くしたアメリカ人
第12回 日本国民の誠意と「隔離政策」
太田尚樹
116p
「大和なでしこ」のファッション史
朝日 真
124p
江戸の大名庭園に梅を観に行こう

130p
歴史街道クイズ 「戦国検定!」

132p
歴史街道・ロマンへの扉
大津・三井寺
鶴田純也
134p
東京で味わう ふるさとの料理×うまい酒
第20回 鹿児島県 さつま揚げ
石田 千
136p
続・自転車紀行 シルクロードをゆく
第14回 トラブゾンからスングルルへ
長澤法隆(写真・文)
141p

歴史街道 とは

「いま、歴史がおもしろい」
 歴史は過去の人物や出来事を取り上げるとはいえ、現代の人びとに役立たなければ意味がありません。また、歴史は本来、そんなに堅苦しく難しいものではなく、もっと身近で楽しいものであるはずです。そして何より、人間を知り、時代の流れを知る上で、歴史ほど有益な参考書はありません。そこで『歴史街道』は、現代からの視点で日本や外国の歴史を取り上げ、今を生きる私たちのために「活かせる歴史」「楽しい歴史」をビジュアルでカラフルな誌面とともに提供します。いわば、新しいタイプの歴史雑誌といえるでしょう。