歴史街道
発売日
2012年6月6日
税込価格
660円
(本体価格600円)
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歴史街道 2012年7月号

今月号の読みどころ

 その知らせに、日本国民のほとんどが歓呼の声を上げました。昭和7年(1932)の満洲建国です。明治維新以来、大国ロシアの圧迫に苦しめられてきた日本は、日露戦争の勝利で満洲の権益を獲得、満洲は対ロシアの緩衝地帯となります。しかし日本は満洲を武装化せず、満鉄を中心に莫大な投資を行なって、経済発展させる道を選びました。それが明治維新の理想である「アジアの近代化」につながると信じたからです。そしてその志は、中国の辛亥革命と軍閥割拠、ロシア革命という時代の激動に翻弄されながらも、20年の歳月を経て満洲建国に至るまで、失われることはありませんでした。満洲の無辺の大地に、日本人が描いた理想を描きます。第二特集は「神々から読み解く『古事記』後編」です。

公式サイト
今月号の目次
満洲コワイ
黒鉄ヒロシ
3p
この人に会いたい
vol.66
玉木 宏
7p



【総力特集】満洲建国の真実 日本人が曠野に賭けた夢
総論
満洲建国は「明治維新の理想」実現に向けた、最後の一歩だった
中西輝政
14p
ビジュアル1
ある日のヤマトホテル…「五族協和」の宴

22p
ビジュアル2
満鉄を軸に! 目を見張る満洲の近代化

24p
ビジュアル3
徹底図解! 満洲をめぐる中ソの思惑と日本の奮闘

26p
満鉄で世界を繋ぎ、満洲を共栄圏に…大構想の始まり 児玉源太郎と後藤新平
江宮隆之
28p
コラム1
シャンゼリゼを見てきなさい…後藤新平の都市計画

33p
辛亥革命と軍閥割拠、ソ連誕生とコミンテルンの策動…激動の時代へ
北村 稔
34p
コラム2
スパイだった張作霖を助けて…

39p
米国資本で満洲を守れ! 型破りの満鉄社長、起死回生に挑む 山本条太郎
小山俊樹
40p
年表・二つの革命に揺さぶられる満洲

45p
覆る昭和史! イギリス諜報部が指摘する、張作霖爆殺の真犯人とは
加藤康男
46p
コラム3
満蒙独立への胎動

51p
満蒙の人々を救え! 「五族協和」実現の純粋な思いに燃えて 小澤開作
秋月達郎
52p
「人間、必ずわかりあえる」わが父、小澤開作の思い出
小澤俊夫
57p
好機は今! 東亜大同のため、関東軍の両雄ついに起つ 石原莞爾と板垣征四郎
秋月達郎
60p
ビジュアル4
今も失われぬ満洲国の輝き

66p
満洲は清朝後継の独立国家だった…東アジアの安定を図った日本人の志
宮脇淳子
68p



きまぐれ探検 昭和なスケッチ
第26回 鶴見界隈
本山賢司
74p



【特集】神々から読み解く『古事記』 後編 ―日本人の魂の源流とは
秩序の源である姉、知恵と力の弟 ・アマテラスとスサノオ
鎌田東二
78p
「緑の力」で困難に克ち、国を作る ・オオクニヌシ
鎌田東二
82p
ビジュアル1
『古事記』の神々に由来する神社

86p
華々しい「結び」と太陽神の交代 ・天孫降臨
鎌田東二
88p
ビジュアル2
造化三神から天孫降臨まで…神々の系譜

92p



「ヒトラー日記」の幻
第2回 執念の鬼と謎の古物商
吉田一彦
94p
[連載小説]真田昌幸 連戦記
第29回 我、六道を懼れず
海道龍一朗
100p
「歴史街道」伝言板

110p
BOOKS・DVD

112p
この著者に注目!
佐久間靖之

114p
駐日米大使グルーの昭和史 ―天皇を敬慕し、開戦回避に尽くしたアメリカ人
第16回 日米開戦へのカウントダウン
太田尚樹
116p
明治三十八年の薩長同盟 清朝打倒を目指す孫文、黄興と宮崎滔天
高野 澄
122p
思わず頬がゆるむ? 国芳が描く「猫珍百景」

128p
歴史街道クイズ 「戦国検定!」

132p
歴史街道・ロマンへの扉
大阪・八軒家浜
鶴田純也
134p
東京で味わう ふるさとの料理×うまい酒
最終回 福島県 こづゆ
石田 千
136p
続・自転車紀行 シルクロードをゆく
第18回 ソフィアからベオグラードへ
長澤法隆(写真・文)
141p

歴史街道 とは

「いま、歴史がおもしろい」
 歴史は過去の人物や出来事を取り上げるとはいえ、現代の人びとに役立たなければ意味がありません。また、歴史は本来、そんなに堅苦しく難しいものではなく、もっと身近で楽しいものであるはずです。そして何より、人間を知り、時代の流れを知る上で、歴史ほど有益な参考書はありません。そこで『歴史街道』は、現代からの視点で日本や外国の歴史を取り上げ、今を生きる私たちのために「活かせる歴史」「楽しい歴史」をビジュアルでカラフルな誌面とともに提供します。いわば、新しいタイプの歴史雑誌といえるでしょう。