雑誌
歴史街道 2012年7月号
今月号の読みどころ
その知らせに、日本国民のほとんどが歓呼の声を上げました。昭和7年(1932)の満洲建国です。明治維新以来、大国ロシアの圧迫に苦しめられてきた日本は、日露戦争の勝利で満洲の権益を獲得、満洲は対ロシアの緩衝地帯となります。しかし日本は満洲を武装化せず、満鉄を中心に莫大な投資を行なって、経済発展させる道を選びました。それが明治維新の理想である「アジアの近代化」につながると信じたからです。そしてその志は、中国の辛亥革命と軍閥割拠、ロシア革命という時代の激動に翻弄されながらも、20年の歳月を経て満洲建国に至るまで、失われることはありませんでした。満洲の無辺の大地に、日本人が描いた理想を描きます。第二特集は「神々から読み解く『古事記』後編」です。
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満洲コワイ |
黒鉄ヒロシ |
3p |
この人に会いたい vol.66 |
玉木 宏 |
7p |
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【総力特集】満洲建国の真実 日本人が曠野に賭けた夢
総論 満洲建国は「明治維新の理想」実現に向けた、最後の一歩だった |
中西輝政 |
14p |
ビジュアル1 ある日のヤマトホテル…「五族協和」の宴 |
22p |
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ビジュアル2 満鉄を軸に! 目を見張る満洲の近代化 |
24p |
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ビジュアル3 徹底図解! 満洲をめぐる中ソの思惑と日本の奮闘 |
26p |
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満鉄で世界を繋ぎ、満洲を共栄圏に…大構想の始まり 児玉源太郎と後藤新平 |
江宮隆之 |
28p |
コラム1 シャンゼリゼを見てきなさい…後藤新平の都市計画 |
33p |
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辛亥革命と軍閥割拠、ソ連誕生とコミンテルンの策動…激動の時代へ |
北村 稔 |
34p |
コラム2 スパイだった張作霖を助けて… |
39p |
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米国資本で満洲を守れ! 型破りの満鉄社長、起死回生に挑む 山本条太郎 |
小山俊樹 |
40p |
年表・二つの革命に揺さぶられる満洲 |
45p |
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覆る昭和史! イギリス諜報部が指摘する、張作霖爆殺の真犯人とは |
加藤康男 |
46p |
コラム3 満蒙独立への胎動 |
51p |
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満蒙の人々を救え! 「五族協和」実現の純粋な思いに燃えて 小澤開作 |
秋月達郎 |
52p |
「人間、必ずわかりあえる」わが父、小澤開作の思い出 |
小澤俊夫 |
57p |
好機は今! 東亜大同のため、関東軍の両雄ついに起つ 石原莞爾と板垣征四郎 |
秋月達郎 |
60p |
ビジュアル4 今も失われぬ満洲国の輝き |
66p |
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満洲は清朝後継の独立国家だった…東アジアの安定を図った日本人の志 |
宮脇淳子 |
68p |
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きまぐれ探検 昭和なスケッチ 第26回 鶴見界隈 |
本山賢司 |
74p |
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【特集】神々から読み解く『古事記』 後編 ―日本人の魂の源流とは
秩序の源である姉、知恵と力の弟 ・アマテラスとスサノオ |
鎌田東二 |
78p |
「緑の力」で困難に克ち、国を作る ・オオクニヌシ |
鎌田東二 |
82p |
ビジュアル1 『古事記』の神々に由来する神社 |
86p |
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華々しい「結び」と太陽神の交代 ・天孫降臨 |
鎌田東二 |
88p |
ビジュアル2 造化三神から天孫降臨まで…神々の系譜 |
92p |
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「ヒトラー日記」の幻 第2回 執念の鬼と謎の古物商 |
吉田一彦 |
94p |
[連載小説]真田昌幸 連戦記 第29回 我、六道を懼れず |
海道龍一朗 |
100p |
「歴史街道」伝言板 |
110p |
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BOOKS・DVD |
112p |
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この著者に注目! 佐久間靖之 |
114p |
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駐日米大使グルーの昭和史 ―天皇を敬慕し、開戦回避に尽くしたアメリカ人 第16回 日米開戦へのカウントダウン |
太田尚樹 |
116p |
明治三十八年の薩長同盟 清朝打倒を目指す孫文、黄興と宮崎滔天 |
高野 澄 |
122p |
思わず頬がゆるむ? 国芳が描く「猫珍百景」 |
128p |
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歴史街道クイズ 「戦国検定!」 |
132p |
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歴史街道・ロマンへの扉 大阪・八軒家浜 |
鶴田純也 |
134p |
東京で味わう ふるさとの料理×うまい酒 最終回 福島県 こづゆ |
石田 千 |
136p |
続・自転車紀行 シルクロードをゆく 第18回 ソフィアからベオグラードへ |
長澤法隆(写真・文) |
141p |
歴史街道 とは
「いま、歴史がおもしろい」
歴史は過去の人物や出来事を取り上げるとはいえ、現代の人びとに役立たなければ意味がありません。また、歴史は本来、そんなに堅苦しく難しいものではなく、もっと身近で楽しいものであるはずです。そして何より、人間を知り、時代の流れを知る上で、歴史ほど有益な参考書はありません。そこで『歴史街道』は、現代からの視点で日本や外国の歴史を取り上げ、今を生きる私たちのために「活かせる歴史」「楽しい歴史」をビジュアルでカラフルな誌面とともに提供します。いわば、新しいタイプの歴史雑誌といえるでしょう。