雑誌
歴史街道 2018年4月号
今月号の読みどころ
幕末の日本において、肥前の佐賀藩は「近代化のトップランナー」というべき存在でした。そして、その立役者となったのが、藩主・鍋島閑叟(直正)です。
幕末きっての開明派として知られる薩摩藩主・島津斉彬は、嘉永5年(1852)に反射炉の築造に着手した際、技術者たちを一堂に集めて、「西洋人も人なり、佐賀人も人なり、薩摩人も同じく人なり。退屈せず、倍々研究すべし」と激励したといいます。「佐賀人」を「西洋人」と並べて、「彼らとて、私たち薩摩人と同じ人間である」と藩士たちに呼びかけ、発破をかけたのです。
この斉彬の言葉が示す通り、佐賀藩はまさしく日本の近代化の先駆者であり、牽引者でもありました。日本は、アジア最速の近代化を成し遂げることによって、西洋列強の脅威を撥ね退け、植民地化を防ぎましたが、その背景には佐賀藩の存在があり、そして閑叟がいたのです。
佐賀藩から巣立った男たち――江藤新平、佐野常民、大隈重信、副島種臣、東芝の祖・田中久重らは、幕末から明治にかけて、多方面で活躍しました。その意味でも、明治維新は閑叟の存在抜きには語れないでしょう。
閑叟の活躍ぶりや、その志を継いだ者たちが明治維新において果たした役割、そして「信念」と「夢」を描く特集です。
特集2は、メンタリストDaiGo氏と脳科学者・中野信子氏が分析する「裏切りの戦国史」です。
幕末きっての開明派として知られる薩摩藩主・島津斉彬は、嘉永5年(1852)に反射炉の築造に着手した際、技術者たちを一堂に集めて、「西洋人も人なり、佐賀人も人なり、薩摩人も同じく人なり。退屈せず、倍々研究すべし」と激励したといいます。「佐賀人」を「西洋人」と並べて、「彼らとて、私たち薩摩人と同じ人間である」と藩士たちに呼びかけ、発破をかけたのです。
この斉彬の言葉が示す通り、佐賀藩はまさしく日本の近代化の先駆者であり、牽引者でもありました。日本は、アジア最速の近代化を成し遂げることによって、西洋列強の脅威を撥ね退け、植民地化を防ぎましたが、その背景には佐賀藩の存在があり、そして閑叟がいたのです。
佐賀藩から巣立った男たち――江藤新平、佐野常民、大隈重信、副島種臣、東芝の祖・田中久重らは、幕末から明治にかけて、多方面で活躍しました。その意味でも、明治維新は閑叟の存在抜きには語れないでしょう。
閑叟の活躍ぶりや、その志を継いだ者たちが明治維新において果たした役割、そして「信念」と「夢」を描く特集です。
特集2は、メンタリストDaiGo氏と脳科学者・中野信子氏が分析する「裏切りの戦国史」です。
公式サイト | ![]() |
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外圧に対して幕末期の大名が優秀であった理由 |
黒鉄ヒロシ |
3p |
この人に会いたい vol.135 |
広瀬すず |
7p |
特集1 幕末佐賀藩の奇跡 鍋島閑叟(直正) 島津斉彬に先駆けた名君
総論 明治を創造した「近代化のトップランナー」 |
童門冬二 |
14p |
年表 鍋島閑叟と佐賀藩が駆け抜けた幕末維新 |
22p |
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かくしてアジア最速のイノベーションは実現した |
米倉誠一郎 |
24p |
島津斉彬、井伊直弼 二人の同志との別れ、そして「孤高の存在」へ |
植松三十里 |
28p |
最新研究から見えてくる「名君の意外な素顔」 |
浦川和也 |
34p |
コラム1 パートナーだった江川太郎左衛門 |
藤井祐介 |
38p |
インタビュ― 「さおだけ屋」の著者が経営分析 他藩とはここが違う! 財政改革「二つのポイント」 |
山田真哉 |
39p |
コラム2 開明的だった嫡男は鹿鳴館で… |
43p |
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江藤新平◆この国の礎を創り上げた「真の勝者」 |
伊東 潤 |
44p |
コラム3 岩倉具視が息子を託した佐賀の藩校 |
48p |
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田中久重◆日本初の蒸気船をつくった「東芝の祖」 |
風野真知雄 |
49p |
佐野常民・大隈重信・副島種臣・大木喬任…◆近代国家設立は、彼らの力なくしてありえなかった |
楠戸義昭 |
53p |
コラム4 幕末の佐賀藩士と『葉隠』 |
藤井祐介 |
59p |
現当主が語る「閑叟公を身近に感じた瞬間」 |
鍋島直晶 |
60p |
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世界的アーティストが語る「日本文化の底力」 第2回 現代人をも魅了する「刀鍛冶の超絶技巧」 |
舘鼻則孝 |
69p |
女子高生女優・北村優衣がゆく! 老舗の「味」と「歴史」を体験レポート 最終回 割烹 みや古 |
76p |
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幻となった「もう一つの明治維新」 松平春嶽と福井藩が目指した新しい日本 |
長尾 剛 |
80p |
年間購読のご案内 |
86p |
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特集2 心理学と脳科学で読み解く「裏切りの戦国史」 明智光秀の心を「メンタリズム」で分析すると… |
メンタリストDaiGo |
88p |
特集2 心理学と脳科学で読み解く「裏切りの戦国史」 裏切り者を生み出した「メカニズム」とは? |
中野信子 |
93p |
特集2 心理学と脳科学で読み解く「裏切りの戦国史」 コラム 「裏切り者」と「忠義者」 |
98p |
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連載小説 果てなき図面 帝国ホテル建築物語 第16回 竣工の章 |
植松三十里 |
100p |
「歴史街道」伝言板 |
110p |
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BOOKS・CINEMA |
112p |
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この著者に注目! 先崎彰容 |
114p |
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歴史街道脇本陣 |
115p |
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明治の有名人が愛した「大磯・小田原・箱根」 |
長谷川敦 |
118p |
差別と闘い続けた人びとの記録 ―国立ハンセン病資料館を訪ねて |
125p |
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「動物」と「歴史」の意外な関係 第5回 犬(後編) |
菅井友香 仁科邦男 |
130p |
始皇帝の中国統一は、なぜ可能だったのか |
塚本靑史 |
135p |
歴史街道・ロマンへの扉 三木城 |
林 宏樹 |
140p |
次号予告! |
142p |
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満州国の面影 第3回 帰国者たちの現実 |
写真・文 鶴崎 燃 |
143p |
歴史街道 とは
「いま、歴史がおもしろい」
歴史は過去の人物や出来事を取り上げるとはいえ、現代の人びとに役立たなければ意味がありません。また、歴史は本来、そんなに堅苦しく難しいものではなく、もっと身近で楽しいものであるはずです。そして何より、人間を知り、時代の流れを知る上で、歴史ほど有益な参考書はありません。そこで『歴史街道』は、現代からの視点で日本や外国の歴史を取り上げ、今を生きる私たちのために「活かせる歴史」「楽しい歴史」をビジュアルでカラフルな誌面とともに提供します。いわば、新しいタイプの歴史雑誌といえるでしょう。