歴史街道
発売日
2020年9月4日
税込価格
790円
(本体価格718円)
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歴史街道 2020年10月号

今月号の読みどころ

今月の特集1は、<織田信長の合戦・失敗の本質>です。
織田信長というと「革命児」のイメージが強いせいか、戦国乱世に颯爽と登場し、みるみる間に領土を広げ、天下布武を実現したかのように見られています。
しかし、信長の足跡を辿っていくと、実は数々の失敗や苦戦を経験していることがわかります。
同時に信長は、失敗をしてもその窮地を辛くも切り抜け、そして切り抜けた後にはさらに強くなっているように見えます。
織田信長という人物は、失敗から学ぶのが巧みな人物だったのではないでしょうか。
そこで今回の特集では、信長が失敗した際の要因は何だったのかを明らかにしつつ、そこから信長がいかに学んだかを紐解くことで、現代に通じる叡智を導き出していきます。

特集2は、江戸の“ちょっとヘンな絵師”列伝です。
江戸時代、多くの才能あふれる絵師たちが誕生しました。
その中でも、優れた画力を発揮する一方、かつてない画法で人々を驚かせてみたり、幕府の禁令をすり抜けてみたり、「剛直」「邪道」と表現されたりと、常識破りのちょっと変わった絵師たちを紹介します。

特別企画は、七つのポイントでわかるビザンツ帝国です。
476年の西ローマ帝国の滅亡後、ローマ帝国を継承する唯一の国家として君臨した「ビザンツ帝国」。
最盛期には地中海世界を手中に収めるも、その歴史は13世紀の十字軍、そして15世紀のオスマン帝国の攻撃によって幕を閉じました。
近代を目前に滅亡した“千年帝国”とは、いかなるものだったのか――。

公式サイト
今月号の目次
信長においてをや
黒鉄ヒロシ
3p
この人に会いたい
vol.165
豊川悦司
7p
特集1 織田信長の合戦・失敗の本質 いかに逆境を乗り越えたのか
【総論】
なぜ敗れ、いかに乗り越えたのか──革命児の「志」と「ビジョン」
安部龍太郎
14p
【対浅井・朝倉】
裏切り、姉川、志賀の陣…たび重なる窮地を切り抜けて
渡邊大門
22p
【対本願寺】
最大の難敵との十年──なぜ、かくも苦しめられたのか
谷口克広
28p
【叛将列伝】
弟から筆頭家老、寵臣まで、相次ぐ裏切りの実相
和田裕弘
34p
品野城、河野島、明知城…織田軍はこんなにも敗北を喫していた
楠戸義昭
40p
「燃えぬ船を作れ」非常識な命令から始まった木津川口の逆襲
片山洋一
46p
武田の「強さと脆さ」への対策が、長篠合戦を完勝に導いた
谷津矢車
52p
特集2 江戸の“ちょっとヘンな絵師”列伝
【司馬江漢】
「名利」を求め続けた“洋風画の創始者”
池内 了
82p
【歌川国芳】
その反骨精神に、江戸っ子は喝采を送った
風野真知雄
87p
【曾我蕭白】
決して「つるむ」ことのなかった無頼の画家
狩野博幸
92p
特別企画 七つのポイントでわかるビザンツ帝国
ローマ帝国の継承者がたどった激動の千年
中谷功治
115p
連載・読み物
米軍から最大級の賛辞を受けた駆逐艦「神風」
松田十刻
58p
それは甲府から始まった! 日本の「国産ワイン」誕生ものがたり
仲田道弘
64p
「ものづくりの国」の先駆者──鉄道の父・井上勝の生涯
江上 剛
68p
大和政権を揺るがした「磐井の乱」の真相
古川順弘
76p
連載小説 月と日の后
第29回 日輪の章
冲方 丁
98p
「歴史街道」伝言板

104p
BOOKS・CINEMA

106p
この著者に注目!
鈴木コイチ

108p
連作読切小説 戦国武将×四十七都道府県
第14回 加藤清正×熊本県「小賢しい小姓たちよ」
今村翔吾
110p
「貞観政要」が教えてくれる、上に立つ者の心得
長尾 剛
125p
開戦から八十年――「名言」で読み解く太平洋戦争
第3回 替え歌と標語…知らぬは国民のみ
半藤一利
130p
ふるさとの先人×SDGs~嚶鳴だより
第6回 多久の雀は論語をさえずる

138p
年間購読のご案内

141p
次号予告!

142p
歴史街道脇本陣

143p
歴史とともに味わう「世界の城」
第3回 スターリング城
島崎 晋
146p

歴史街道 とは

「いま、歴史がおもしろい」
 歴史は過去の人物や出来事を取り上げるとはいえ、現代の人びとに役立たなければ意味がありません。また、歴史は本来、そんなに堅苦しく難しいものではなく、もっと身近で楽しいものであるはずです。そして何より、人間を知り、時代の流れを知る上で、歴史ほど有益な参考書はありません。そこで『歴史街道』は、現代からの視点で日本や外国の歴史を取り上げ、今を生きる私たちのために「活かせる歴史」「楽しい歴史」をビジュアルでカラフルな誌面とともに提供します。いわば、新しいタイプの歴史雑誌といえるでしょう。