歴史街道
発売日
2021年3月5日
税込価格
790円
(本体価格718円)
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歴史街道 2021年4月号

今月号の読みどころ

今月の特集1は、「昭和の陸軍」光と影◎“日本型組織”を考える、です。
昭和の陸軍というと「暴走」「精神主義」といった批判が絶えませんが、今村均、本間雅晴、栗林忠道、樋口季一郎のように穏当かつ合理精神を持つ名将もいましたし、一方で暗号分野では実は進んでいる面もあったなど、決して悪い面ばかりではありませんでした。
近年では、太平洋戦争開戦を主導したのは海軍で、陸軍悪玉論も見直されつつあります。
しかしながら、そうした見直すべき面もある陸軍がなぜ、諸外国との軋轢を生む軍事行動に走ったのか――。
光にも目を向けることで、その影の持つ意味がより一層、鮮明になるのではないでしょうか。
また、昭和の陸軍は、近代日本において最大の人員を誇る組織です。そうした組織の問題を探ることは、日本の問題点を探ることにもつながるはずです。
今回の特集では、昭和の陸軍の光と影に迫ります。

特集2は、もっと知ってもらいたい「戦国武将」、です。
武勇に優れていたり、智略を巡らせ、戦国の世を渡り歩いたり……。
見事な功績があるにもかかわらず、知名度がそこまで高くない武将もまだまだいるのではないでしょうか。
数多の戦国武将がいるなかで歴史に埋もれてしまった、知られざる魅力をもつ人物たちを紹介します。

特別企画は、吉兆・瑞兆の世界史、です。
めでたい夢を見た。いいことが起きそうな兆しを目にした。
そんな「吉兆・瑞兆」伝説が、古今東西を問わず、残されています。
それらは、人々に勇気や元気を与え、大きな決断を動かす原動力となることもありました。

公式サイト
今月号の目次
特集1 「昭和の陸軍」光と影 “日本型組織”を考える
【総論】
良識派はいたものの…第三世代の「失敗の本質」
保阪正康
14p
【概説】
軍縮から満州事変、日中戦争、そして太平洋戦争へ
平塚柾緒
22p
インテリジェンス 世界的にも高い能力が活かされなかった理由
小谷 賢
28p
二・二六事件 ある軍人の死と失われたもう一つの未来
岩井秀一郎
34p
作戦を徹底分析 パーフェクトな南方攻略と惨戦のインパール
大木 毅
40p
硫黄島と沖縄の戦い 栗林忠道と牛島満――米軍を苦しめた二人の功罪
原 剛
47p
【東條英機】
開戦の時、独り号泣した首相の苦悩
松田十刻
52p
【阿南惟幾】 
終戦の日、陸相が遺書に記した「大罪」の意味
秋月達郎
57p
特集2 もっと知ってもらいたい「戦国武将」
【水野勝成】
破天荒に乱世を駆け抜けた“鬼日向”
乾 緑郎
78p
【平塚為広】
裏切った小早川軍を幾度も退けた末に…
吉川永青
83p
寺沢広高、柿崎景家、内藤如安… 列伝◎こんなすごい武将がまだいた!
楠戸義昭
88p
特別企画 英雄の誕生、戦争の勝利から化学の発見まで 
吉兆・瑞兆の世界史
鷹橋 忍
115p
連載 読み物
陸と、海と、空の評判
黒鉄ヒロシ
3p
この人に会いたい
vol.169
加藤シゲアキ
7p
本能寺の変、勃発! 窮地を好機に変えた長宗我部の激闘
江宮隆之
66p
アメリカの分断――南北戦争とは何だったのか
宇山卓栄
72p
連載小説 月と日の后
第36回 日輪の章
冲方 丁
96p
「歴史街道」伝言板

104p
BOOKS・CINEMA

106p
この著者に注目!
砂原浩太朗

108p
連作読切小説 戦国武将×四十七都道府県
第20回 北畠具教×三重県「何のための太刀」
今村翔吾
110p
知っているようで知らない「お花見」の日本史
安藤優一郎
124p
全国各地で戦っていた「後醍醐天皇の皇子たち」
森 茂暁
128p
現代人のこころに寄り添う『歎異抄』の言葉
長尾 剛
134p
年間購読のご案内

141p
次号予告!

142p
歴史街道脇本陣

143p
歴史とともに味わう世界の城
第9回 ロワール渓谷の古城群
島崎 晋
146p

歴史街道 とは

「いま、歴史がおもしろい」
 歴史は過去の人物や出来事を取り上げるとはいえ、現代の人びとに役立たなければ意味がありません。また、歴史は本来、そんなに堅苦しく難しいものではなく、もっと身近で楽しいものであるはずです。そして何より、人間を知り、時代の流れを知る上で、歴史ほど有益な参考書はありません。そこで『歴史街道』は、現代からの視点で日本や外国の歴史を取り上げ、今を生きる私たちのために「活かせる歴史」「楽しい歴史」をビジュアルでカラフルな誌面とともに提供します。いわば、新しいタイプの歴史雑誌といえるでしょう。