雑誌
歴史街道 2012年4月号
今月号の読みどころ
「日本はナチスドイツの属国にあらず。ヒトラーのお先棒を担いで弱い者いじめすることが、正しいことですか」。昭和13年(1938)、一説に二万人ともいわれる凍死寸前のユダヤ人難民の命を救った陸軍軍人がいました。樋口季一郎です。杉原千畝のビザ発給の2年前のことでした。樋口はまた、米艦隊に包囲され、玉砕必至のキスカ島守備隊六千人の無血脱出を成功させ、さらに終戦後に北方に侵攻するソ連軍への「断乎反撃」を命じ、北海道占領の野望を砕いて、日本軍最後の勝利をもたらしています。これら三つの「奇跡」をもたらしたのは、常に人道に立脚した樋口の決断でした。たとえ地位を失おうと、人として正しい道を貫いた樋口の信念を描きます。第二特集は「真田幸貫と佐久間象山」です。
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自問自答 |
黒鉄ヒロシ |
3p |
この人に会いたい vol.63 |
石原さとみ |
7p |
【総力特集】ユダヤ人救出、キスカ撤退、占守の戦い… 奇跡の将軍・樋口季一郎 あくまで「人道」を貫く
総論 日本人が誇りとすべき「三つの奇跡」を起こした穏健な熱血漢 |
中西輝政 |
14p |
年表 激動の時代に「人道」を貫いて |
21p |
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ビジュアル1 侵略するソ連軍を、断乎撃滅せよ! |
22p |
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ビジュアル2 地位を失おうと…ユダヤ人難民を救った二人の日本人 |
24p |
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ビジュアル3 濃霧を衝いたパーフェクトゲーム! キスカ撤退戦 |
26p |
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盟友との出会いとヨーロッパ駐在…「しなやかな強さ」を培ったもの |
早坂 隆 |
28p |
樋口を取り巻く陸軍の人々 |
33p |
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ユダヤ人難民を救え! 杉原ビザの二年前、地位を賭した決断があった |
早坂 隆 |
34p |
コラム1 樋口が記した「オトポール事件」 |
39p |
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ウオッカの小瓶と鴨居の小さな水彩画…祖父の思い出 |
樋口隆一 |
40p |
ビジュアル4 秘蔵写真で辿る、その生涯の歩み |
44p |
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「わたしは、約束したのだ」アッツの部下を救えなかった断腸の思い |
秋月達郎 |
46p |
キスカ撤退成功! 独断の謗りを恐れず、海軍との連繋で成した奇跡 |
将口泰浩 |
52p |
コラム2 木村昌福の「機を待つ勇気」 |
57p |
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「これでいいということは絶対にない」大好きな父の教え |
齋藤智恵子 |
58p |
断乎反撃せよ! ソ連の侵略を退けた終戦後の激闘と、思わぬ恩返し |
稲生達朗 |
62p |
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神になった三国志の英雄! 宿敵をも魅了した関羽の「義」 |
渡邉義浩 |
68p |
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【特集】松代藩の主従 真田幸貫と佐久間象山 「六文銭」の旗の下に伝えた海防の志
特別対談 世界に目を向け、「非常の時」に挑んだ稀代の主従 |
童門冬二 眞田幸俊 |
78p |
改革と海防に尽力した日々 ―幸貫、象山年表 |
83p |
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ビジュアル 真田主従の足跡を訪ねて 松代城下MAP |
84p |
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改革と人材登用…尚武の家、再興のために |
小林一郎 |
86p |
「和魂洋芸」で海軍建設を! 幕末を先駆けて |
江宮隆之 |
90p |
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仮装巡洋艦アトランティス 第4回 忍び寄る不吉な影 |
吉田一彦 |
94p |
[連載小説]真田昌幸 連戦記 第26回 我、六道を懼れず |
海道龍一朗 |
100p |
「歴史街道」伝言板 |
110p |
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BOOKS・CINEMA |
112p |
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この著者に注目! アダム・カバット |
114p |
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駐日米大使グルーの昭和史 ―天皇を敬慕し、開戦回避に尽くしたアメリカ人 第13回 中国をめぐり深まる日米の溝 |
太田尚樹 |
118p |
六十余年、リアルな活劇を描き続けて ―「伝説の劇画師」が語る作品への思い |
植木金矢 |
125p |
きまぐれ探検 昭和なスケッチ 第23回 横浜中華街界隈 |
本山賢司 |
130p |
歴史街道・ロマンへの扉 桜井・三輪山 |
鶴田純也 |
134p |
東京で味わう ふるさとの料理×うまい酒 第21回 青森県 いちご煮 |
石田千 |
136p |
続・自転車紀行 シルクロードをゆく 第15回 スングルルからイスタンブールへ |
長澤法隆(写真・文) |
141p |
歴史街道 とは
「いま、歴史がおもしろい」
歴史は過去の人物や出来事を取り上げるとはいえ、現代の人びとに役立たなければ意味がありません。また、歴史は本来、そんなに堅苦しく難しいものではなく、もっと身近で楽しいものであるはずです。そして何より、人間を知り、時代の流れを知る上で、歴史ほど有益な参考書はありません。そこで『歴史街道』は、現代からの視点で日本や外国の歴史を取り上げ、今を生きる私たちのために「活かせる歴史」「楽しい歴史」をビジュアルでカラフルな誌面とともに提供します。いわば、新しいタイプの歴史雑誌といえるでしょう。