雑誌
歴史街道 2016年8月号
今月号の読みどころ
「お父さんは(夢で)みんなの顔がはっきり見えたので、会ったも同じようでした」。栗林忠道中将が硫黄島から娘に送った手紙の一節です。昭和20年(1945)2月19日、アメリカ軍は硫黄島に上陸を開始。その数は日本軍の3倍以上で、「5日で落とせる」と豪語しました。しかし激戦は5日どころか、実に36日間に及びます。「島が落ちれば、本土が空襲される。ただ我々が少しでも頑張れば、その分、内地の人々の命を救うことができる」。指揮官・栗林のもと、日本軍将兵が歯をくいしばって戦いに臨んだ結果でした。そして指揮官から兵士一人ひとりに至るまで、胸には最愛の家族の顔があったのです。家族を守るために命を賭けた男たちの姿を描きます。第二特集は「知られざるアイヌの世界」です。
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東京から1200㎞、南の島の上の二万人の覚悟 |
黒鉄ヒロシ |
3p |
この人に会いたい vol.115 |
佐々木蔵之介 |
7p |
総力特集 硫黄島のサムライたち 愛する「家族」を守るために
総論 家族を思い、家族に支えられ、己の責務を最後まで果たした男たち |
梯久美子 |
14p |
ビジュアル1 硫黄島、鉄壁の要塞と化す |
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ビジュアル2 次代につなげたい敬意と感謝の祈り |
22p |
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ビジュアル3 妻子の笑顔を力に…守るべき家族 |
24p |
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どの辺にある島? なぜ激戦の舞台に? Q&Aで知る硫黄島の戦い |
原 剛 |
26p |
年表・決戦の島へ…男たちの歩み |
31p |
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最後の一兵まで踏み留まる…闘志の源となった家族への思い ◆栗林忠道 |
山之口洋 |
32p |
特別インタビュー 「いま帰ったよ」兵士と同じものを食べ、家の隙間風を案じた祖父の優しさ |
栗林快枝 |
37p |
サイパン、ペリリューから導いた縦深防禦…栗林が構想した鉄壁の備え |
原 剛 |
40p |
「人情に変わりはねぇ」初めて得た家族を胸に、還らざる戦場へ ◆西 竹一 |
大野 芳 |
44p |
コラム1 指揮官、将兵が同じ覚悟を抱いて |
49p |
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五度目の生死関頭…疎開した娘を励まし、最後まで戦い抜く ◆市丸利之助 |
松田十刻 |
50p |
特別インタビュー 家族と故郷に思いを馳せ、「もののふ」として戦い抜いた祖父に感謝したい |
市丸 誠 |
55p |
淡々と理を通す…「ルーズベルトニ与フル書」に込めた市丸司令官の気迫 |
平川?弘 |
58p |
コラム2 思いは一つ…第二御盾隊の特攻 |
61p |
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ビジュアル 写真が語る父島と硫黄島、激闘の跡 |
62p |
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特別インタビュー 誰一人帰りたいと言わず、任務を全うした戦友たちの笑顔が忘れられない |
西進次郎 |
64p |
豊かだった暮らしを伝えたい…全国硫黄島島民の会の願い |
67p |
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激戦の島で平和を学ぶ…小笠原の中学生が感じた硫黄島 |
夏井坂聡子 |
70p |
戦いの記憶と、純粋な想いを後世につなぐ…昨年、24時間テレビを制作して |
倉田忠明 |
72p |
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AKB48と学ぶ! 四十七都道府県 この偉人を知っている? 第1回 関西〈前編〉 |
河合敦×太田奈緒 |
74p |
知られざるアイヌの世界 彼らが大切にしていたものとは
主食は何? どんな住まい? Q&Aアイヌ民族 |
木原仁美 |
80p |
コラム 声に出してみよう! 魅惑の単語集 |
85p |
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ビジュアル 受け継がれる伝統の味! アイヌ料理の魅力 |
86p |
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アイヌが支え合って生きる「カムイ」とはどんな存在か |
中川 裕 |
88p |
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ドゥーリトル日本空襲の内幕 第5回 肥溜めに落ちたヒーロー |
吉田一彦 |
94p |
短期連載小説 南洋のサン=テグジュペリ ~based on a true story~ 後篇 |
秋月達郎 |
100p |
「歴史街道」伝言板 |
110p |
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BOOKS・CINEMA |
112p |
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この著者に注目! 笠井亮平 |
114p |
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井上和彦がゆくガダルカナル 最終回 受け継がれる日本軍将兵への敬意 |
井上和彦 |
116p |
真面目で不器用な天才編集長…僕なりの花山伊佐次を目指して |
唐沢寿明 |
122p |
「上から目線」も乙なもの パリの「名所&高所」を訪ねて |
田中次郎 |
124p |
歴史街道脇本陣 |
131p |
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歴史街道・ロマンへの扉 新宮 |
林 宏樹 |
134p |
ヨーロッパ「ビール」紀行 最終回 ベルギー/ブリュッセル |
藻上 釉 |
136p |
安芸折々 第7回 江田島1 |
写真・文 松尾 純 |
141p |
歴史街道 とは
「いま、歴史がおもしろい」
歴史は過去の人物や出来事を取り上げるとはいえ、現代の人びとに役立たなければ意味がありません。また、歴史は本来、そんなに堅苦しく難しいものではなく、もっと身近で楽しいものであるはずです。そして何より、人間を知り、時代の流れを知る上で、歴史ほど有益な参考書はありません。そこで『歴史街道』は、現代からの視点で日本や外国の歴史を取り上げ、今を生きる私たちのために「活かせる歴史」「楽しい歴史」をビジュアルでカラフルな誌面とともに提供します。いわば、新しいタイプの歴史雑誌といえるでしょう。