歴史街道
発売日
2021年4月6日
税込価格
790円
(本体価格718円)
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歴史街道 2021年5月号

今月号の読みどころ

今月の特集1は、「立花宗茂と真田信繁――強く、美しく生きる」です。
新型コロナウイルスの影響により、世界中が混乱しています。こうした危機の時こそ、人間の真価が問われているのではないでしょうか。
そして、このような時代にあって、いま一度、顧みたい二人の人物がいます。それが、立花宗茂と真田信繁(幸村)です。
彼らはともに1567年(永禄10年)生まれ(信繁は諸説あり)と言われ、戦国武将としては遅い時期に生まれました。
しかし、両者は誰よりも武士らしくあろうとし、戦いの場においては「戦国最強」といわれるほどの戦ぶりを見せました。
一方で出処進退においても、見事な振る舞いを見せます。
関ケ原合戦後に共に改易という憂き目をみながら、大坂の陣では、信繁は大坂方に身を投じ、宗茂は再起の機会を与えてくれた徳川家に尽くしました。
ともに違う道を選んだものの、彼らの選択は後世に語り継がれました。それは、多くの人々が、彼らの生き方に強さと美しさを感じたからではないでしょうか。
立花宗茂と真田信繁が、いかに生き、そしていかにして語り継がれる男へと成長していったのか。
その歩みを対比させつつ、彼らの生涯から「強く、美しく生きる」とは何かを探り、混迷の時代を生きる人々を勇気づけるような特集といたします。

特集2は、「徳川慶喜の真実」です。
大河ドラマ「青天を衝け」で草彅剛さんが演じている徳川慶喜。
大政奉還を行なった最後の将軍として知られる慶喜ですが、その評価は決して高くはありません。
この国が近代国家へと変わろうとした時、慶喜が果たした役割とは何だったのでしょうか――。

特別企画は、「北条時行――中先代の乱」です。
「週刊少年ジャンプ」で連載が始まった「逃げ上手の若君」が話題ですが、その主人公が北条時行です。
建武2年(1335)、中先代の乱を起こした人物として知られていますが、その生涯と乱の歴史的意義に迫ります。

公式サイト
今月号の目次
特集1 立花宗茂と真田信繁 強く、美しく生きる
【総論】
それぞれの“返り咲き”を果たした「戦国の申し子」
小和田哲男
14p
ビジュアル
乱世を鮮やかに駆け抜けた「両雄の軌跡」

20p
信繁◎武田家滅亡の秋(とき)――父・昌幸から学んだもの
鈴木英治
22p
宗茂◎迫る島津の大軍、二人の父に負けないために…
上田秀人
26p
宗茂と信繁◎上田城と大津城――天下分け目を前に二人が抱いた想い
谷津矢車
31p
宗茂◎再び柳川へ…浪々の身からの「奇跡の再興」をもたらしたもの
砂原浩太朗
38p
信繁◎真田を名乗る者として――家康を追い詰めた最期の闘い
乾 緑郎
42p
徹底分析・史料で読み解く“最強武将”二人の戦い方
橋場日月
46p
脳科学者が解析! 上からも信用され、下からも慕われた理由
中野信子
50p
特集2 渋沢栄一も世に訴えようとしていた―― 徳川慶喜の真実
【総論】
日本を近代国家へと牽引した「功労者」として…
安藤優一郎
70p
百年は公開しない約束で、晩年に語り残したもの
植松三十里
77p
特別企画 北条時行――中先代の乱
それは、南北朝動乱と室町幕府成立を呼び起こした
鈴木由美
102p
【伝奇短編】
“仇の子”との間に育まれた絆は…
荒山 徹
109p
連載 読み物
真田(さだ)めし、立花(りっぱ)な、信と宗のシゲ
黒鉄ヒロシ
3p
この人に会いたい
vol.170
横山由依
7p
クーデター、民主派の弾圧…歴史から読み解く「ミャンマー」
宇山卓栄
56p
『万葉集』から見えてくる「古代人の食生活」
古川順弘
62p
連載小説 月と日の后
第37回 日輪の章
冲方 丁
84p
「歴史街道」伝言板

90p
BOOKS・CINEMA

92p
この著者に注目!
柳広司

94p
連作読切小説 戦国武将×四十七都道府県
第21回 長野業正×群馬県「黄斑の文」
今村翔吾
96p
愛らしい表情、困った顔、精悍な体つき… 
由緒ある神社の愉しい「狛犬めぐり」
ミノシマタカコ
114p
山本五十六が「大和」艦長に指名した男・西田正雄
松田十刻
118p
年間購読のご案内

125p
次号予告!

126p
歴史街道脇本陣

127p
歴史とともに味わう世界の城
第10回 エルミナ城
島崎 晋
130p

歴史街道 とは

「いま、歴史がおもしろい」
 歴史は過去の人物や出来事を取り上げるとはいえ、現代の人びとに役立たなければ意味がありません。また、歴史は本来、そんなに堅苦しく難しいものではなく、もっと身近で楽しいものであるはずです。そして何より、人間を知り、時代の流れを知る上で、歴史ほど有益な参考書はありません。そこで『歴史街道』は、現代からの視点で日本や外国の歴史を取り上げ、今を生きる私たちのために「活かせる歴史」「楽しい歴史」をビジュアルでカラフルな誌面とともに提供します。いわば、新しいタイプの歴史雑誌といえるでしょう。