Voice
発売日
2021年8月10日
税込価格
840円
(本体価格764円)
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Voice 2021年9月号

今月号の読みどころ

2021年8月8日、「東京2020オリンピック」が幕を下ろした。開幕前からさまざまな喧騒に包まれた大会であったものの、いずれにせよ日本そして開催都市である東京が、新しい局面を迎えることには変わりない。新型コロナウイルスの脅威はここにきて増しており、8月5日には西村康稔経済再生担当相が「極めて速いけた違いな急速な増加をしている」と感染者数の急増に危機感を表明している。先行きがみえない状況が続くいま、私たちは何を「本題」として議論すべきか。佐伯啓思・京都大大学名誉教授は西洋近代的な思想の限界を指摘し、「時間稼ぎしかできない」と断じる。吉見俊哉・東京大学教授が問題視するのは五輪に代表される成長主義で、いかにその呪縛から逃れるかを戦後の歴史も紐解きながら議論する。そのほか、手腕が注目を集める高岡宗一郎・福岡市長や、元厚労省コロナ対策司令官の鈴木康裕氏などが、目の前の政策論争に囚われず、いま本当に考えるべきテーマを検討する。特別企画は「『新しい戦争』に備えよ」。AI兵器やサイバー攻撃など最新事情を交えて日本の国防の未来を探る。巻頭インタビューには戦略論研究の世界的権威としてしられるエドワード・ルトワック氏が登場、習近平の中国を徹底解剖する。
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今月号の目次

総力特集:五輪後の本題
「西洋近代」に未来は築けない
佐伯啓思
36p
東京が打破すべき成長主義の呪縛
吉見俊哉
50p
対症療法の政治から脱却を
高島宗一郎
60p
日本国民の経済利益を守れ
原 丈人
68p
「不確実性の時代」に生き残る企業
清水 剛
76p
速度の現代民主主義と「怒り」
山本昭宏
84p
日本はリベラリズムと闘うべきだ
ヨラム・ハゾニー
92p
今秋にはコロナ収束への目途が立つ
鈴木康裕
100p
特別企画:「新しい戦争」に備えよ
「超絶知能」は人類を排除するか
ルイス・A・デルモンテ
108p
「戦わずして勝つ」中国の知能化戦略
安田 淳
116p
ロシアが目論む「新型戦争」
小泉 悠
124p
爆撃を超えるサイバー攻撃の破壊力
山田敏弘
130p
連載 ほか
国産ワクチンが安全保障の砦となる
石井 健
136p
日本の「抑止力」とアジアの安定
岩間陽子/村野 将
144p
加速する格差とアンダークラスの危機
橋本健二
156p
企業こそが経済安全保障の主役
小柴満信
164p
巻頭インタビュー
習近平に抗い始める中国国民
エドワード・ルトワック
16p
新連載
人生の道しるべ――あなたの悩みに答えます
森本あんり
234p
「次」の歴史と人類の新軌道〈9〉
エルサレムと日本の深い歴史の縁
長沼伸一郎
182p
言葉のリハビリテーション〈3〉
「毒」と「薬」と
森田真生
192p
質的価値×日本の新時代ビジョン〈5〉
岐阜県・土岐「光洋陶器」
加藤伸治/柳 憲嗣
198p
『竜とそばかすの姫』の視覚的モチーフ
伊藤弘了
206p
健康は意識するほど不健康
茂木健一郎
214p
首長の力量
全国初のネット投票を実現させる
五十嵐立青
222p
令和の事業家
理系人材に真の活躍の場を
加茂倫明
226p
著者に聞く
自然界の「掃除屋」
松原 始
230p
ニッポン新潮流〈歴史論争〉
アレキサンドル一世の「遁世」
渡辺惣樹
26p
ニッポン新潮流〈政治外交〉
緊急事態宣言の本当の効力
三浦瑠麗
28p
ニッポン新潮流〈現代社会〉
枯渇する感染拡大防止ツール
西田亮介
30p
ニッポン新潮流〈都市文化〉
『日本列島改造論』を読み直す
藤村龍至
32p
歴史家の書棚〈15〉
五百旗頭真監修『評伝福田赳夫』
奈良岡聰智
238p
巻頭言〈9〉
ヒトの適応的進化環境
長谷川眞理子
13p
文明之虚説〈45〉
袁隆平(ユアンロンピン)氏、逝く
渡辺利夫
244p
今そこにある近代〈11〉
京都関電ビルディング
写真・文/門井慶喜
1p
Wonder People〈9〉
世界の果てに暮らす遊牧民族
写真・文/佐藤健寿
6p
令和の撫子〈28〉
藤代有絵子
撮影/増田元太
9p
Voiceブックス
編集者の読書日記

240p
Voiceシネマ
編集者の映画三昧

241p
Voiceレター
読者の感想&意見

242p

Voice とは

 月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。