Voice
発売日
2023年1月6日
税込価格
840円
(本体価格764円)
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Voice 2023年2月号

今月号の読みどころ

新型コロナウイルスのパンデミック、ロシア・ウクライナ戦争は、依然として地球上の多くの国々に昏(くら)い影を落とし、世界的なインフレもいまだ終息が見えないままだ。
民主主義や資本主義の矛盾の噴出も含め、現代文明が行き詰まりを見せるいま、西洋近代の文化を吸収しつつ、欧米型とは異なる発展を遂げてきた日本なればこそ、世界へ向けて発信できる「知」があるはずだ。
日本が世界に発信するべき価値観を問う山極壽一氏、「物魂電才」に日本企業の勝機を見出す御立尚資氏と安宅和人氏、東京医科歯科大学との統合を発表した東京工業大学の益一哉学長、そして世界中で人気を集める作家の吉本ばなな氏など、各分野で活躍する識者が「日本の知」の可能性を考える。

特集2は「東アジアの地殻変動」。
中国のいわゆる「ゼロコロナ政策」に反発する市民の抗議デモや、2022年11月の台湾統一地方選の結果などをふまえて、わが国の具体的な安全保障政策を問う。
民主主義の多様性を説くエマニュエル・トッド氏や、主演映画「ファミリア」が公開される役所広司氏のインタビューも掲載。
公式サイト

今月号の目次

特集1:世界を変える「日本の知」
「第二のジャポニズム」を到来させよ
山極壽一
36p
日本企業の勝機は「物魂電才」にあり
御立尚資&安宅和人
46p
科学技術を国の文化に据えよ
益 一哉
58p
十九世紀の日本と「文明」の知
苅部 直
68p
日本人が知らない「Ikigai」の価値
エクトル・ガルシア
74p
広島から示す「教育立国」への勝算
末松弥奈子
84p
いまこそ「グローバル言論人」を輩出せよ
大岩 央
92p
時代を共有できる文学の可能性
吉本ばなな
100p
特集2:東アジアの地殻変動
集団的自衛権で「次の戦争」を防ぐ
篠田英朗&松川るい
136p
中国「ゼロコロナ」へのメディアの誤解
富坂 聰
146p
統一地方選からみる台湾民主主義の強み
小笠原欣幸
154p
連載ほか
家族構造から考える民主主義の多様性
エマニュエル・トッド
108p
日本の大学が急ぐべき「新しい学び」の提供
宮川 繁
116p
OISTの挑戦にみた日本変革のヒント
鈴木崇弘
124p
日本共産党太平記〈後編〉―山村工作隊と人民艦隊、火炎瓶の季節
秦 郁彦
208p
巻頭インタビュー
「痛みの共感」が築く人間関係
役所広司
16p
コロナ下の夜の街〈11〉
「東京右半分」であふれる商売の熱量
谷口功一
164p
地政学的要衝研究会〈12〉
「大人の海」としての北極海
石原敬浩
182p
天才の光と影〈12〉
―異端のノーベル賞受賞者たち―エンリコ・フェルミ
高橋昌一郎
194p
言葉のリハビリテーション〈終〉
瑣事とともに
森田真生
202p
リーダーになるための映画〈終〉
『八甲田山』:生死を分けるリーダーシップ
伊藤弘了
220p
著者に聞く
生まれてくる命への「ケアの責任」
中川 瑛
229p
ニッポン新潮流〈歴史論争〉
敵のルールで戦う
渡辺惣樹
24p
ニッポン新潮流〈政治外交〉
台湾民進党敗北と協力者のジレンマ
三浦瑠麗
26p
ニッポン新潮流〈現代社会〉
「旧統一教会問題」とは何だったか
西田亮介
28p
ニッポン新潮流〈都市文化〉
公園にみる日本社会の現在
藤村龍至
30p
地域から日本を動かす〈10〉
秋田からの強い風
結城豊弘
32p
令和の人文アニメ批評〈6〉
『すずめの戸締まり』
渡邉大輔
234p
歴史家の書棚〈32〉
森万佑子『韓国併合』小宮京『語られざる占領下日本』
奈良岡聰智
238p
巻頭言〈26〉
捨て去られた社会進化論
長谷川眞理子
13p
文明之虚説〈62〉
中国の被害者意識
渡辺利夫
244p
今そこにある近代〈28〉
西宮砲台
写真・文/門井慶喜
1p
Wonder People〈26〉
旧ソ連が生んだ世界最北端の街
写真・文/佐藤健寿
6p
令和の撫子〈45〉
原愛梨
撮影/吉田和本
9p
Voiceブックス
編集者の読書日記

240p
Voiceシネマ
編集者の映画三昧

241p
Voiceレター
読者の感想&意見

242p

Voice とは

 月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。