Voice
発売日
2023年7月6日
税込価格
880円
(本体価格800円)
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Voice 2023年8月号

今月号の読みどころ

安倍晋三元首相が凶弾に斃れてから1年が経った。
「美しい国へ」「戦後レジームからの脱却」などのスローガンを掲げ、戦後日本のあるべき姿を問いかけた姿は、保守層を中心に期待を集めた。
とくに「自由で開かれたインド太平洋」構想を提唱した外交政策は高く評価されているが、一方で悲願とされていた憲法改正には着手しなかったことを象徴に、政策の一貫性については疑問視する声もある。
歴代最長政権は、はたして日本に何を残したのか。没後から1年が経ついま、安倍時代の光と影を問う。
戦後日本の保守の矛盾と使命を説く佐伯啓思氏や、左派と奮戦した安倍元首相の姿を振り返る兼原信克氏の論稿のほか、自民党の福田達夫議員と大野敬太郎議員の対談や、立憲民主党の野田佳彦元首相のインタビューなどを掲載している。

特集2は「語られざる『現代日本の歪み』」。
テロリズム、自殺、ヤングケアラー、貧困など、現代社会で噴出している日本の闇に迫る。
ChatGPTと教養について議論する長谷川眞理子氏と森本あんり氏の巻頭対談や、世界的な知性として知られるニーアル・ファーガソン氏の独占インタビューも掲載。
安田峰俊氏による注目の新連載「『中国嫌い』のための中国史」も今号よりスタート。
公式サイト

今月号の目次

特集1:安倍時代を問う
「歴史観」を取り戻せなかった日本
佐伯啓思
38p
左派と奮戦した真の自由主義者
兼原信克
50p
継承すべき「安倍政治」のレガシー
福田達夫&大野敬太郎
60p
長期政権、前半の光と後半の影
野田佳彦
70p
「二番打者」としての岸田宰相論
吉野直也
80p
自公連立の危機、鍵を握る維新
青山和弘
88p
「ポスト・アベノミクス」の論点は
片岡剛士
96p
歴史史料としての『安倍晋三回顧録』
奈良岡聰智
104p
期待と失望を繰り返した「闘う政治家」
苅部直&ケビン・M・ドーク&細谷雄一
110p
特集2:語られざる「現代日本の歪み」
【テロリズム】凶悪事件の連鎖をどう断ち切るか
磯部 涼
130p
【自殺】政府公表「自殺者数減少」は真実か
末木 新
138p
【ヤングケアラー】偏見に苦しむ「こどもたち」
濱島淑恵
146p
【貧困】カラダを売らざるをえないZ世代
中村淳彦
154p
連載ほか
キューバ危機は再現されるか
ニーアル・ファーガソン
122p
「第三子以降1000万円」の検討を
小黒一正
208p
日本企業は伝統的ビジネスに回帰を
ジョン・ケイ
216p
「言葉の転換期」で格闘する若者たち
ひきたよしあき
226p
巻頭対談
ChatGPTで教養は得られない
長谷川眞理子&森本あんり
16p
「中国嫌い」のための中国史〈1〉
唐――異民族の世界が生んだ代表的王朝
安田峰俊
184p
近代日本暗殺史〈終〉
【大正(後編)】原敬暗殺事件(下)
筒井清忠
162p
大人の国語力が危ない〈4〉
国語力弱者が「モンスター」と化す日
石井光太
192p
考えさせたい大人、答えが欲しい若者〈終〉
新人研修を終えた若者たちへ
金間大介
200p
著者に聞く
福祉の現場から社会を見る
御代田太一
232p
ニッポン新潮流〈歴史論争〉
売上が激減したビール
渡辺惣樹
28p
ニッポン新潮流〈現代社会〉
生成AI、爆発的普及への備え
西田亮介
30p
ニッポン新潮流〈都市文化〉
タワマンとショッピングモール
藤村龍至
32p
地域から日本を動かす〈16〉
高知県の観光挑戦・朝ドラ人気を継続せよ
結城豊弘
34p
令和の人文アニメ批評〈12〉
『雄獅少年/ライオン少年』
渡邉大輔
236p
歴史家の書棚〈37〉
加藤博章『自衛隊海外派遣』河崎眞澄『台湾民主化の闘士謝長廷と台湾と日本』
奈良岡聰智
240p
文明之虚説〈68〉
専制体制の脆弱性
渡辺利夫
246p
今そこにある近代〈34〉
金沢蓄音器館
写真・文/門井慶喜
1p
Wonder People〈32〉
ジョン・フラム信仰
写真・文/佐藤健寿
8p
令和の撫子〈51〉
文学YouTuberベル
撮影/吉田和本
11p
Voiceブックス
編集者の読書日記

242p
Voiceシネマ
編集者の映画三昧

243p
Voiceレター
読者の感想&意見

244p

Voice とは

 月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。