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Voice 2025年11月号
今月号の読みどころ
9月7日、石破茂首相が辞任を表明しました。本誌が店頭に並んでいるころには自民党の新総裁が決まっており、混迷を極める日本政治の行方がますます注目されます。他方で世界に目を向ければ、トランプ2.0で加速度的に不透明さを増しており、本来であれば内向きの議論に終始している余裕はないはずです。昨年の各選挙、そして7月の参院選における自民党の大敗と参政党の躍進をふまえ、日本政治に関しては近視眼的な論点ばかりが語られていますが、いまこそ視野を広げて国の在り方を大局的に検討しなければなりません。そのとき、歴史とともに一つの物差しになるのが、「外からの目線」、つまりは諸外国からの眼差しではないでしょうか。本特集では、外国人識者などの視点も交えながら、日本政治の現在地と課題、そして世界における日本への期待と立ち位置を検討します。特集2は「大災害時代を生きる」。地震などの自然災害はもちろんのこと、夏の猛暑や各地で相次いで被害が報告されている熊の出没などに対して、私たちはいかに備えるべきかを考えます。巻頭には俳優の黒柳徹子さんのインタビューを掲載しています。
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今月号の目次
特集1:騒乱の日本政治、世界の目
自民党を救う「カリスマ」は現れるか |
ケント・E・カルダー |
38p |
曖昧な日本の「ポピュリズム」の功罪 |
苅谷剛彦 |
50p |
習近平と「直接対話」できるリーダーを |
川島 真 |
58p |
「ウクライナ後」のプーチンの本音 |
畔蒜泰助 |
66p |
欧州にみる多数派なき政治の行方 |
吉田 徹 |
74p |
制度的メカニズムなき日台関係の危うさ |
李 世暉 |
82p |
東南アジア諸国が抱く「期待」と「懸念」 |
古賀 慶 |
90p |
投票率の低さは「国民性」のせいではない |
グットマン・ティエリー グットマン佳子 |
98p |
防衛計画の失策から考える「三つの原則」 |
エドワード・ルトワック |
106p |
特集2:大災害時代を生きる
防災庁設置で被災者の人権を守れるか |
石井 美恵子 |
132p |
40度の夏は「人災」である |
立花義裕 |
140p |
自然災害に揺るがぬ国土強靱化の実現 |
小林潔司 |
148p |
獣害は自然災害か? クマ問題の真因と人間社会との共存 |
小池伸介 |
156p |
巻頭インタビュー
トットちゃんがいま伝えたい「言葉の力」 |
黒柳徹子 |
16p |
特別インタビュー
AI時代のリーダーをつくる |
岡田武史 |
164p |
連載 ほか
持続可能な国際平和の枠組みを築け |
長谷川 祐弘 |
114p |
米国の貿易構造の変化と日本の商機 |
田中麻理 |
122p |
危機に直面するアメリカ公共放送 |
清原聖子 |
202p |
それでも、生まれてきたことを肯定する〈6〉 ねじれが心を伝えてくれる |
近内悠太 |
182p |
【新時代ビジョン研究会】 人をつなげる「地域のリハビリテーション」――京都府京都市 |
石﨑立矢 |
226p |
年功序列に回帰する若者たち?──働く意識から見る「失われた30年」 |
米田幸弘 |
192p |
「打ち言葉」は言語をどう変えるか |
秋田喜美 |
210p |
大阪・関西万博、喫煙所設置の意義 |
村中洋介 |
218p |
著者に聞く お金の不安に「感染」しないために |
田内 学 |
234p |
ニッポン新潮流〈現代社会〉 相次ぐ誤報が示した新聞の構造的危機 |
西田亮介 |
26p |
ニッポン新潮流〈教育企業〉 コミュ力至上主義社会の「社交的人嫌い」 |
勅使川原 真衣 |
28p |
ニッポン新潮流〈都市文化〉 ユートピアとディストピア |
藤村龍至 |
30p |
ニッポン新潮流〈現代思想〉 令和人文主義と「斜め」の知性 |
谷川嘉浩 |
32p |
地域から日本を動かす〈43〉 観光振興は広角打法で |
結城豊弘 |
34p |
歴史家の書棚〈64〉 筒井清忠『昭和期の陸軍』戸高一成『日本海軍 失敗の本質』 |
奈良岡 聰智 |
238p |
巻頭言〈20〉 赤と青のブルース |
冨田浩司 |
13p |
文明之虚説〈95〉 開発経済学 |
渡辺利夫 |
244p |
戦跡が語る「先の大戦」〈10〉 フィリピン |
写真・文/安島 太佳由 |
1p |
里山―未来へつなげたい日本の風景〈23〉 メルヘンの世界 |
写真・文/今森光彦 |
6p |
令和の撫子〈78〉 生田 絵梨花 |
撮影/吉田和本 |
9p |
Voiceブックス 編集者の読書日記 |
240p |
|
Voiceシネマ 編集者の映画三昧 |
241p |
|
Voiceレター 読者の感想&意見 |
242p |
Voice とは
月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。