東海西濃運輸株式会社 代表取締役社長 田口幸太郎 様

 セイノーグループの輸送事業会社として、岐阜県東濃エリア、長野県全域、愛知県知多半島エリアの商業活動を支える東海西濃運輸様。
 2014年、大規模なグループ統合によって従業員数が倍増、1,200名を超える大企業となり、2017年にはめでたく創立70周年を迎えられました。2016年、新社長に就任された田口幸太郎様は、全社でのさらなる一体感を醸成したいと、役職者の全家庭に『PHP』の贈呈を開始。
 先々代社長であり、のちに東海西濃運輸名誉会長となった祖父・福太郎氏の遺した言葉、「心の通じ合う、深い理解と正しい管理」の実践にもひと役買っているとおっしゃいます。経済活動の根幹である物流の最前線を担う社員様への思い、「心の栄養」であるという『PHP』について語っていただきました。

会社の発展と社員の幸福を両立

  岐阜県東濃地方は陶磁器の一大産地であり、中山道沿いにいくつもの宿場町が栄えたかつての大動脈です。終戦間もない1947年、地場産業の陶磁器を全国に配送するため、地元の篤志家によって創立されたのが当社の母体となる多治見起業株式会社でした。その前年、祖父の兄・利八が西濃運輸の前身となる水都産業株式会社を創立しており、当社も1960年に西濃運輸の系列となりました。創業時より、兄弟二人三脚で全国くまなくトラック網を張り巡らせ、おかげさまで現在、セイノーグループとしては80社を超えるグループ会社があり、成長を遂げることができました。
 創業者・田口利八は「会社を発展させ、社員を幸福にする」という経営理念を掲げ、家族主義経営をモットーとしました。「今日からこの田口丸が船出する。誰一人船から降りることのないよう、俺がしっかりと守っていく。だから俺についてきてくれ」と熱弁したように、会社側の思いだけでなく、従業員側の思いや労組の意見などもしっかりと聞いて経営にあたっていたのです。グループ基本理念「三つの宝」の一つでもある、この「労使協調体制」が、熱い組織と総合物流商社としての基盤を創り上げ、グループ発展の礎となったことは言うまでもありません。

常に「お客様目線」で判断する

  セイノーグループの使命は、「物流を通じて、お客様に喜んで頂ける最高のサービスを常に提供し、国家社会に貢献する。」その基本が「お客様目線」での行動です。当社の判断基準は、①お客様のためになっているか、②従業員は満足しているか、③商売として継続できるか、の3つ。セイノーグループには、代々の経営者が遺してくれた素晴らしい言葉の数々『西濃運輸理念集』があり、私も日々経営の羅針盤としています。特に祖父の「心の通じ合う、深い理解と正しい管理」という言葉がいつも共にあり、自分も祖父や父に続く公明正大な経営者でありたいと肝に銘じています。
 乗務経験もある私は、その分従業員とお客様との狭間で悩み苦しむこともありますが、判断基準はあくまで、商品を待ってくださるお客様の目線。商品を送る、すなわち人と人との心をつなぐことが当社の使命であり、この「お客様目線」が最も大切な経営の軸であると胸に刻んでいます。

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社長の田口幸太郎様

『PHP』は心の栄養

 近年、会社の規模が倍増したこともあり、全社でより一層の意思統一とコミュニケーションを図るため、私の社長就任を機に『PHP』の贈呈を開始しました。対象者は、当社の役員・管理職・役職者の自宅に直接郵送してもらっています。
 私たち物流業界は、国家社会発展の最前線の現場であり、大変な重責を担っていると自負しています。その半面、労働環境においては、改善傾向にはあってもまだまだ余裕がなく、ご家族の理解と支えがなければ成り立たないと言っても過言ではありません。私もご家族の皆さんと共通のつながりを持ちたい、そう思ったことがきっかけの一つでもあります。 年齢や性別を問わず読むことができるのも、『PHP』の大きなメリットです。
 私自身、「生きる」や毎号の特集では、いつも意外な発見があります。華やかな芸能人やスポーツ選手、成功している経済人や文化人にも、表には見えないまったく違う一面がある。どんなに華々しい活躍をしている人にも、困難に満ちた過去やすさまじい陰の努力があったのだと気づかされます。「生きる」に登場する市井の方々の貴重な体験談と同様、「みんな苦しいけれど頑張っている、だからこれからも頑張っていける」という姿勢は、当社のスピリットにも合致するものです。
 社員からも、「家族全員楽しみにしている」との声が多くあがっています。障がいをお持ちのお子さんがいる社員からは、「初めて手にしたとき、夫婦で涙しながら読んだ」と聞きました。また、記事に触発されて寄付について夫婦で話し合い、実際に検討しているという声もありました。そして私自身、『PHP』を通じて社員の新たな一面に気づくことができたのも大きな収穫でした。
 『PHP』を読むことで、「お父さんは、こんなにいい会社で働いているんだ」とご家族も安心してくださるようです。私も日々『PHP』に助けられていますし、経営においても大きなヒントをもらっています。人は一人で生きているわけではありませんし、会社もまた同じです。松下幸之助さんが唱えた「人間大事の経営」の大切さに気づかせてくれる『PHP』は、まさに「心の栄養」であり、私と社員を勇気づける、小さいけれども大きな存在です。

 

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インタビューにご協力いただいた東海西濃運輸様、ありがとうございました。

※企業名、お役職は取材当時のものです。

【会社概要】

社 名  東海西濃運輸株式会社

設 立  1947年6月

業 種  貨物自動車運送事業 ほか

代表者  代表取締役社長 田口幸太郎 様 

社員数  約1,200名

所在地  岐阜県土岐市

URL   http://www.tokai-seino.co.jp

記事作成日:2018年3月9日