月刊「PHP」2026年4月号 裏表紙の言葉
広い世の中、各界には人々を魅了する異才が綺羅星のごとくいる。同じ時代に生き、その存在を知ることができるのは、真に幸せなことである。
それに比べて、自分はいったい何者であろうか。どこにでもいる名もなき一人。人の活躍に拍手喝采するばかりで、受ける側にはなりそうもない。つくづくわかるのは、自分という存在の何と平凡なこと。
よく大きな目標を持てと言われる。しかし、これが意外にむずかしい。考えれば考えるほど、肝心の答えは遠のいていくばかり。
あせらないことだ。目標は大切だが無理に答えをひねり出すものではない。心が納得しない目標に意味はなし。そんなときは、考えるよりむしろ、日々を素直に味わえばよい。
そしてふと気づくのではないか。今日もまた、自分なりに働き、生きている。自分のため、家族のため、そしてまだ見ぬ誰かのために。自分の背中を押す風に、運命的な何かを感じたこともあったはず。ああ自分が自分でよかった。その事実を発見できたなら、それこそ自分冥利に尽きる。

