宮本武蔵の人生訓
発売日
2000年02月01日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-57373-1

宮本武蔵の人生訓

著者 童門冬二著 《作家》
主な著作 上杉鷹山の経営学』(PHP研究所)
税込価格 586円(本体価格533円)
内容 戦国から江戸へという時代の転換期を、自分で感じ、悩み、決断して“剣聖”となった宮本武蔵。その人生と言葉に学ぶ処世の知恵。



 60数度の試合にすべて勝ち、巌流島の果たし合いで日本中に勇名を馳せた剣豪・宮本武蔵。だがその勝負を最後に武蔵は剣による他者との試合をやめ、自分との闘いをはじめる。戦国乱世から太平の江戸時代へと移り変わる世には、実戦に強いだけの「剣」はすでに用いる場所がなかったのだ。

 29歳で巌流島の英雄となった彼だったが、その後の人生は「不遇」だった。大名に召し抱えられることもなく、めぼしい事跡も伝わらない。そして62歳のとき、自らが究めえた剣の奥義を書き記した『五輪書』の完成とともに、武蔵の人生は終わる。「我事において後悔をせず」「世々の道をそむく事なし」なと゜、彼が残した名言には、自らの境涯と正面から向き合い、悩み、苦しみながら独自の哲学を確立した「人生の達人」の面影が垣間見える。

 本書は、そんな宮本武蔵の生きざまに思いを馳せつつ、筆者が卓抜した洞察眼で彼の言葉を現代向けに読みといた、人生指南の書である。