古武術からの発想
発売日
1998年12月11日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-60401-5

古武術からの発想

著者 甲野善紀著 《武術研究家》
主な著作 『古武術の発見』(光文社)
税込価格 1,624円(本体価格1,476円)
内容 「小よく大を制す」はなぜ可能か。常に新しい発想で武術を研究してきた著者が贈る、人間の身体や思考の新たな可能性を示唆する一冊。



 体の小さい者をいとも簡単に倒したというかつての武術家の話は真実なのか。あるいは嘘や伝説なのだろうか。 本書では「小よく大を制す」を可能にした、人間に潜在する精妙なる動きの「理」を見つけた著者が、そこから見えてくる世の中の矛盾に目を向ける。 まず、東京・仙台間を一日で走り通した江戸時代の男の話などから、人間の身体が驚くべき可能性をもつことを明らかにする。しかしそのような事実を率直に見ようとしない現代の科学者の問題点や、教育の問題点を指摘する。そして現代人と古人の体の動きの質の違いに気づいた著者は、体の各部位の感覚を独立して感じ取り、かつ働かせる、武術的な動きの「理」を発見する。そして相手がどう攻めてこようとも、一切、受けずかわさず、真っ直ぐに踏み込んで制する幻の流儀「無住心剣術」の理解に至る。 人間の潜在力への気づき、いまの時代を観る視点を変え、私たちに新たな発見を促す。