人間にとって経済とは何か
発売日
2002年06月14日
判 型
新書判
ISBN
978-4-569-62024-4

人間にとって経済とは何か

著者 飯田経夫著 《中部大学教授》
主な著作 経済学の終わり』、『日本の反省』(PHP研究所)
税込価格 770円(本体価格700円)
内容 マネーゲームに翻弄される資本主義の問題点を暴き、日本型資本主義の美点や可能性をふたたび見直す。21世紀のあるべき経済の姿を描く。



 「失われた十年」は今日、依然として尾を引いている。だが、そもそもバブル経済はレーガノミックスによって誘発されたのではなかったか。ケインズ政策への懐疑、マルクス主義経済の失敗によって、いままた回帰するアダム・スミスの「自由放任」の経済――。その発展型が、今日世界を席巻するアメリカ型市場経済であり、その本質は、あくなき富の追求である。

 本書は、経済学の存在理由を根本から考え直し、日本の構造改革をはじめ、アメリカ型「グローバルスタンダード」が果たして正しいものなのか、冷静に問い直す。

 現在の日本人は豊かさを実感できず、満腹にさらに何を詰め込むかという、ある種の病に陥っている。「足るを知る」ことがないかぎり、市場原理は人間の欲望を際限なく助長させるだけである。貧乏を克服し、豊かさを手中にしたいま、私たちは経済の目標を何に置くべきか。本書は、新しい価値観の時代を生きる、もう一つの視座を与えてくれる一冊である。