源平合戦・戦場の教訓
発売日
2004年09月01日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-66266-4

源平合戦・戦場の教訓
勝者と敗者、何が明暗を分けたのか

著者 柘植久慶著 《作家》
主な著作 旅順』、『日露戦争名将伝』(PHP研究所)
税込価格 503円(本体価格457円)
内容 石橋山の合戦から一ノ谷・屋島・壇ノ浦まで――源平争乱の主要な合戦を取り上げ、勝敗の分岐点を鋭く解き明かした歴史読み物の力作!



 『平家物語』などの軍記物により後世に伝わった源平合戦は、ともすれば紋切り型の合戦譚と考えられがちだ。つまり勝者と敗者の差が戦う前から歴然であり、今さら検討しても新しい解釈は出ないだろうと見られてしまう。ところが実際に古戦場を歩き、複数の資料を比較しつつ考察すると、様々な「戦場の教訓」を見出すことができる。

 たとえば、源頼朝の惨敗に終わる石橋山の合戦は、敗北後の勢力の再集結にこそ源氏方の真骨頂があった。また水鳥の羽音に驚いて平氏が敗走したという富士川の合戦は、じつは大軍を派した平氏方の「大戦略の欠如」にこそ真の敗因があった。さらに壇ノ浦の合戦において敗北寸前だった源氏方の逆転を許したのは、やはり平氏方が内包する問題点だったのだ。

 本書は、保元・平治の乱から頼朝の奥州征伐までの源平争乱期の23の戦いについて、「勝者と敗者の方程式」というべき教訓・知恵をズバリ読み解いた好著である。

 文庫書き下ろし。