Voice
発売日
2020年9月10日
税込価格
840円
(本体価格764円)
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Voice 2020年10月号

今月号の読みどころ

安倍首相の突然の辞意表明。自民党総裁選の行方も気になるところだが、「ポスト安倍」の政権にとって避けて通れないのが、中国の問題だ。
世界を撹乱し続けている新型コロナウイルスの問題もさることながら、香港への国家安全法の導入は一国二制度を形骸化し、世界はこれに猛反発した。「中国が不寛容な国家であるかぎりは、覇権国になることはできない」とは本特集の野口悠紀雄氏の言葉だが、あらゆる側面から中国の実情と未来、そして「戦狼外交」をはじめとする強硬姿勢が世界に与える影響と、その「限界」を探る。なお、香港問題に関しては、現地を何度となく取材しているジャーナリスト・小川善照氏の緊急寄稿も必読だ。
特別企画は「『次代の政治』を考える」。今回の総裁選は出馬表明を見送ったものの、国民の多くが「ポスト安倍」として期待を寄せる河野太郎・防衛大臣の特別寄稿も掲載。新型コロナの影響もあり、曲がり角に立つ日本の政治のこれからを検討する企画となっている。
巻頭インタビューでは、全世界で2,900万部を売り上げたベストセラーSF小説『三体』の著者・劉慈欣氏に独占取材。新型コロナと『三体』で描いた世界の共通点と人類の可能性を語る。
公式サイト

今月号の目次

総力特集:中国の限界
「不寛容の中国」に覇権は握れない
野口悠紀雄
40p
「チャイノベーション」を侮るなかれ
津上俊哉
50p
「切り下げの帝国」が世界を劣化させる
遠藤 乾
58p
香港の陥落と日本の安全保障
阿南友亮
66p
「軍民融合」で描く社会主義中国の夢
益尾知佐子
74p
反人類的ジェノサイドを座視するな
楊 海英
82p
日本よ、李登輝氏の言葉に立ち返れ
河崎眞澄
90p
コロナ禍で先鋭化した「戦狼外交」
宮本雄二
96p
巻頭インタビュー
コロナショックと『三体』
劉 慈欣
16p
特別企画:「次代の政治」を考える
世界に「言うべきことを言う」国に
河野太郎
106p
リーダーは「明るい中庸」の姿勢をもて
熊谷俊人
116p
民主主義の危機と政治不信の打開
吉田 徹
124p
コロナ危機は政治参加をどう変えるか
坂本治也
132p
特別対談
「共助」コミュニティの再興を
河合雅司/広井良典
164p
新時代ビジョン研究会
日本軍のパラダイムを考える
戸部良一
146p
連載 ほか
香港と周庭氏の終わりなき戦い
小川善照
140p
商品化される人間の行動予測
ショシャナ・ズボフ
156p
デジタル経済は人間性を奪う
ダニエル・コーエン
190p
コロナ禍で人は「花」を求めた
東信
198p
賢慮の世界史〈7〉
「シックス・アイズ」構想の実現を急げ
佐藤 優&岡部 伸
182p
中国vs.世界〈7〉〈セルビア〉
欧州の異端児との「血の絆」
安田峰俊
204p
教養としての映画〈終〉
鑑賞後のアウトプット術
伊藤弘了
220p
データで読み解く「二〇三〇年代の東京」〈1〉
人口・世帯の「これまで」と「これから」
川北秀人
212p
令和の事業家
シリコンバレーで“居住”の概念を変える
内藤 聡
230p
著者に聞く
小説は人生の備忘録
青羽 悠
234p
ニッポン新潮流〈歴史論争〉
日本人の知らない米中関係の闇
渡辺惣樹
30p
ニッポン新潮流〈政治外交〉
靖国参拝と「ポスト安倍」レース
三浦瑠麗
32p
ニッポン新潮流〈現代社会〉
復興五輪が来なかった夏の風景
開沼 博
34p
ニッポン新潮流〈日本文化〉
再構築されるコミュニケーション
舘鼻則孝
36p
西南、南西、テレビ風〈48〉
「国会を米子に移転すべき」
結城豊弘
38p
歴史家の書棚〈4〉
クライブ・ハミルトン『目に見えぬ侵略』
奈良岡聰智
238p
巻頭言〈第34回〉
戦後日本の宿題シリーズ(6):司法権の「孤立」
宮家邦彦
13p
私日記〈第249回〉
コロナの夏
曽野綾子
24p
文明之虚説〈第34回〉
李登輝、消えゆく
渡辺利夫
244p
東京の聖地〈終〉
彰義隊之墓
写真・文/岡本亮輔
1p
土木を撮る〈30〉
関電トンネル
写真・文/西山芳一
6p
令和の撫子〈17〉
鈴木千代 ビーチバレーボール選手
撮影/川島伸一
9p
Voiceブックス
編集者の読書日記

240p
Voiceシネマ
編集者の映画三昧

241p
Voiceレター
読者の感想&意見

242p

Voice とは

 月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。