Voice
発売日
2021年6月10日
税込価格
840円
(本体価格764円)
バックナンバー

Voice 2021年7月号

今月号の読みどころ

新型コロナウイルスが国内で感染拡大し始めてから、500日ほどが経った。感染者数や死者数は海外と比べて依然として低いが、それでもいま、国民のあいだに鬱憤ともいうべき感情が渦巻いているのは、緊急事態宣言や医療体制、あるいはワクチンの問題にせよ、1年半前から事態が前進している「手応え」を得られていないからではないか。
五輪の問題はその最たる例で、合意形成への努力を怠り続けてきた結果、いまでは解決の難しい「究極の問い」になったと山内昌之氏は喝破する。また、コロナ禍以降では盛んに民主主義と専制主義が比較されているが、宇野重規氏があらためて民主主義の可能生と未来を考える。
本特集にはそのほかにも松井孝治氏など5氏が寄稿、自粛や変異株など目先の問題に意識が向きがちないまだからこそ、多角的な専門と視野から「盲点」を衝く内容となっている。
特別企画は、日本人にとっての決して対岸の火事ではない「アジアンヘイトの現実」を取り上げる。
そのほかでは、中西輝政氏による特別寄稿「インド太平洋に浮かぶ世界新秩序」は、これからの世界を考えるうえで、まさに必読の内容。
巻頭には『Voice』で3年以上にわたり連載してきた「プリンス」の単行本化に際して、著者の真山仁氏と西田亮介氏の対談を掲載。
公式サイト

今月号の目次

総力特集:コロナ500日、政治の責任
五輪という「究極の問い」への決断
山内昌之
40p
「新しい公共」の国家をめざせ
松井孝治
52p
民主政治が要請する、政府の権限強化
竹中治堅
60p
「夜の街」の憲法論――立憲主義の防御のために
谷口功一
68p
スター科学者でなく「グループボイス」を
横山広美
75p
医療とワクチン、日独の差を生んだもの
熊谷 徹
82p
現代版「直接民主主義」を構築せよ
宇野重規
90p



特別企画:アジアンヘイトの現実
憎悪の捌け口となるアジア人
秦 隆司
112p
蘇る黄禍論、差別の淵源
廣部 泉
120p
ヘイト時代における人権外交の条件
三牧聖子
126p
政治利用されるマイノリティ
佐久間裕美子
132p
連載 ほか
インド太平洋に浮かぶ世界新秩序
中西輝政
98p
加速する政治的トライバリズム
マイケル・トマセロ
140p
「善き社会」をつくる人類の本質
ニコラス・クリスタキス
148p
新興ウイルスは何度も現れる
仲野 徹/宮沢孝幸
156p
軍との「最後の闘い」に勝つ
ウィンチョ
166p
盛り場はコロナ禍で消えるのか
フリート横田
224p
借り物の民主主義から脱却せよ
真山 仁&西田亮介
16p
言葉のリハビリテーション〈1〉
挫折した言葉を組み立て直す
森田真生
202p
ヒューマン・サバイバル〈最終回〉
百年後の未来を考えることから始めよ
安宅和人
182p
「次」の歴史と人類の新軌道〈7〉
「三体問題」から逃げた現代思想
長沼伸一郎
192p
質的価値×日本の新時代ビジョン〈3〉
兵庫県・淡路「日本遺産〈国生みの島・淡路〉」
三浦義崇
208p
たばこの販売を禁止すべきか?
児玉 聡
216p
令和の事業家
「複業先生」が学校教育を変える
金谷 智
230p
著者に聞く
生物進化に学ぶ創造性
太刀川英輔
234p
ニッポン新潮流〈歴史論争〉
バイデンの対アフガニスタン外交
渡辺惣樹
28p
ニッポン新潮流〈政治外交〉
「イスラエル優位の平和」の代償
三浦瑠麗
30p
ニッポン新潮流〈現代社会〉
「要請と自粛」の土台となる前提
西田亮介
32p
ニッポン新潮流〈日本文化〉
オリ・パラで大都市を動かす
藤村龍至
34p
西南、南西、テレビ風〈57〉
タクシーからは貴重な情報が聞ける
結城豊弘
36p
歴史家の書棚〈13〉
アーネスト・メイスン・サトウ『一外交官の見た明治維新』
奈良岡聰智
238p
巻頭言〈7〉
遺伝と環境のイデオロギー論争
長谷川眞理子
13p
文明之虚説〈43〉
台湾の法的地位を確定せよ
渡辺利夫
244p
今そこにある近代〈9〉
奈良ホテル
写真・文/門井慶喜
1p
Wonder People〈7〉
謎多き「花の民」
写真・文/佐藤健寿
6p
令和の撫子〈26〉
米田まりな 
撮影/川島伸一
9p
Voiceブックス
編集者の読書日記

240p
Voiceブックス
編集者の映画三昧

241p
Voiceブックス
読者の感想&意見

242p

Voice とは

 月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。