雑誌
Voice 2021年7月号
今月号の読みどころ
新型コロナウイルスが国内で感染拡大し始めてから、500日ほどが経った。感染者数や死者数は海外と比べて依然として低いが、それでもいま、国民のあいだに鬱憤ともいうべき感情が渦巻いているのは、緊急事態宣言や医療体制、あるいはワクチンの問題にせよ、1年半前から事態が前進している「手応え」を得られていないからではないか。
五輪の問題はその最たる例で、合意形成への努力を怠り続けてきた結果、いまでは解決の難しい「究極の問い」になったと山内昌之氏は喝破する。また、コロナ禍以降では盛んに民主主義と専制主義が比較されているが、宇野重規氏があらためて民主主義の可能生と未来を考える。
本特集にはそのほかにも松井孝治氏など5氏が寄稿、自粛や変異株など目先の問題に意識が向きがちないまだからこそ、多角的な専門と視野から「盲点」を衝く内容となっている。
特別企画は、日本人にとっての決して対岸の火事ではない「アジアンヘイトの現実」を取り上げる。
そのほかでは、中西輝政氏による特別寄稿「インド太平洋に浮かぶ世界新秩序」は、これからの世界を考えるうえで、まさに必読の内容。
巻頭には『Voice』で3年以上にわたり連載してきた「プリンス」の単行本化に際して、著者の真山仁氏と西田亮介氏の対談を掲載。
五輪の問題はその最たる例で、合意形成への努力を怠り続けてきた結果、いまでは解決の難しい「究極の問い」になったと山内昌之氏は喝破する。また、コロナ禍以降では盛んに民主主義と専制主義が比較されているが、宇野重規氏があらためて民主主義の可能生と未来を考える。
本特集にはそのほかにも松井孝治氏など5氏が寄稿、自粛や変異株など目先の問題に意識が向きがちないまだからこそ、多角的な専門と視野から「盲点」を衝く内容となっている。
特別企画は、日本人にとっての決して対岸の火事ではない「アジアンヘイトの現実」を取り上げる。
そのほかでは、中西輝政氏による特別寄稿「インド太平洋に浮かぶ世界新秩序」は、これからの世界を考えるうえで、まさに必読の内容。
巻頭には『Voice』で3年以上にわたり連載してきた「プリンス」の単行本化に際して、著者の真山仁氏と西田亮介氏の対談を掲載。
公式サイト |
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今月号の目次
総力特集:コロナ500日、政治の責任
五輪という「究極の問い」への決断 |
山内昌之 |
40p |
「新しい公共」の国家をめざせ |
松井孝治 |
52p |
民主政治が要請する、政府の権限強化 |
竹中治堅 |
60p |
「夜の街」の憲法論――立憲主義の防御のために |
谷口功一 |
68p |
スター科学者でなく「グループボイス」を |
横山広美 |
75p |
医療とワクチン、日独の差を生んだもの |
熊谷 徹 |
82p |
現代版「直接民主主義」を構築せよ |
宇野重規 |
90p |
|
特別企画:アジアンヘイトの現実
憎悪の捌け口となるアジア人 |
秦 隆司 |
112p |
蘇る黄禍論、差別の淵源 |
廣部 泉 |
120p |
ヘイト時代における人権外交の条件 |
三牧聖子 |
126p |
政治利用されるマイノリティ |
佐久間裕美子 |
132p |
連載 ほか
インド太平洋に浮かぶ世界新秩序 |
中西輝政 |
98p |
加速する政治的トライバリズム |
マイケル・トマセロ |
140p |
「善き社会」をつくる人類の本質 |
ニコラス・クリスタキス |
148p |
新興ウイルスは何度も現れる |
仲野 徹/宮沢孝幸 |
156p |
軍との「最後の闘い」に勝つ |
ウィンチョ |
166p |
盛り場はコロナ禍で消えるのか |
フリート横田 |
224p |
借り物の民主主義から脱却せよ |
真山 仁&西田亮介 |
16p |
言葉のリハビリテーション〈1〉 挫折した言葉を組み立て直す |
森田真生 |
202p |
ヒューマン・サバイバル〈最終回〉 百年後の未来を考えることから始めよ |
安宅和人 |
182p |
「次」の歴史と人類の新軌道〈7〉 「三体問題」から逃げた現代思想 |
長沼伸一郎 |
192p |
質的価値×日本の新時代ビジョン〈3〉 兵庫県・淡路「日本遺産〈国生みの島・淡路〉」 |
三浦義崇 |
208p |
たばこの販売を禁止すべきか? |
児玉 聡 |
216p |
令和の事業家 「複業先生」が学校教育を変える |
金谷 智 |
230p |
著者に聞く 生物進化に学ぶ創造性 |
太刀川英輔 |
234p |
ニッポン新潮流〈歴史論争〉 バイデンの対アフガニスタン外交 |
渡辺惣樹 |
28p |
ニッポン新潮流〈政治外交〉 「イスラエル優位の平和」の代償 |
三浦瑠麗 |
30p |
ニッポン新潮流〈現代社会〉 「要請と自粛」の土台となる前提 |
西田亮介 |
32p |
ニッポン新潮流〈日本文化〉 オリ・パラで大都市を動かす |
藤村龍至 |
34p |
西南、南西、テレビ風〈57〉 タクシーからは貴重な情報が聞ける |
結城豊弘 |
36p |
歴史家の書棚〈13〉 アーネスト・メイスン・サトウ『一外交官の見た明治維新』 |
奈良岡聰智 |
238p |
巻頭言〈7〉 遺伝と環境のイデオロギー論争 |
長谷川眞理子 |
13p |
文明之虚説〈43〉 台湾の法的地位を確定せよ |
渡辺利夫 |
244p |
今そこにある近代〈9〉 奈良ホテル |
写真・文/門井慶喜 |
1p |
Wonder People〈7〉 謎多き「花の民」 |
写真・文/佐藤健寿 |
6p |
令和の撫子〈26〉 米田まりな |
撮影/川島伸一 |
9p |
Voiceブックス 編集者の読書日記 |
240p |
|
Voiceブックス 編集者の映画三昧 |
241p |
|
Voiceブックス 読者の感想&意見 |
242p |
Voice とは
月刊誌『Voice』は、昭和52年12月に、21世紀のよりよい社会実現のための提言誌として創刊されました。以来、政治、国際関係、経済、科学・技術、経営、教育など、激しく揺れ動く現代社会のさまざまな問題を幅広くとりあげ、日本と世界のあるべき姿を追求する雑誌づくりに努めてきました。次々と起る世界的、歴史的な変革の波に、日本社会がどのように対応するかが差し迫って闘われる今日、『Voice』はビジネス社会の「現場感覚」と「良識」を基礎としつつ、つねに新鮮な視点と確かなビジョンを提起する総合雑誌として、高い評価を得ています。