歴史街道
発売日
2011年10月6日
税込価格
660円
(本体価格600円)
バックナンバー

歴史街道 2011年11月号

今月号の読みどころ

「どんな攻撃を受けても三年はもつ」。ロシア軍がそう豪語した永久要塞が旅順でした。これに挑んだ乃木希典率いる第三軍は、司馬遼太郎の小説『坂の上の雲』などによって「無為無策の突撃を繰り返し、徒に死傷者を増やした」「乃木は愚将であった」というイメージが定着しています。しかし、それは事実に基づく正当な評価とはいえません。第三軍が五カ月で旅順を攻略すると世界は驚愕し、賞賛を惜しみませんでした。それは第三軍が、前例のない近代要塞攻囲戦で極めて合理的な戦法を用い、また苦境の中でも乃木司令官以下、将兵が団結して敢闘、欧米人が不可能と断じた要塞攻略を果たしたからです。二〇三高地に象徴される旅順戦の真実を明かします。第二特集は「Q&A『古文書』の寺子屋」です。

公式サイト
今月号の目次
乃木の義
黒鉄ヒロシ
3p
この人に会いたい vol.58
瑛太
7p



【総力特集】二〇三高地の真実 「旅順要塞」を陥落させた男たち
総論
世界に先駆ける合理的な戦法と敢闘が、永久要塞を攻略した
原剛
14p
ビジュアル1
連隊、「前へ!」

20p
ビジュアル2
総攻撃前夜、乃木第三軍の布陣

22p
ビジュアル3
三次に及ぶ総攻撃、そして攻略へ! 五カ月の死闘

24p
ビジュアル4
鉄壁の東鶏冠山北堡塁に挑む!

26p
ビジュアル5
永久要塞攻略に投入された主力兵器

28p
超大国ロシアに短期決戦を挑む日本…なぜ旅順が焦点となったのか
河合 敦
30p
年表・旅順攻囲戦、激闘の軌跡

35p
ビジュアル6
旅順攻防戦に臨んだ日露両軍の陣容

36p
第三軍司令官に補せらる…埋木の古武士、息子の訃報を胸に満洲へ
稲生達朗
38p
コラム1
攻囲戦の転機となった井上の進言

43p
「射程距離まで軍を進めよ!」大孤山奪取で、ロシア艦隊の死命を制す
江宮隆之
44p
コラム2
堡塁奪取に気を吐いた第三軍随一の勇将

49p
一戸旅団奮戦、築城攻撃、二十八サンチ砲轟発…しかしなおも落ちず
松田十刻
50p
アメリカ人従軍記者が見た乃木と将兵たち

58p
二〇三高地奪取、そして望台占領…将軍は鉄血山を覆う爾霊山を仰ぐ
秋月達郎
60p
旅順攻略の奇跡を起こした第三軍が語る「日本人の真価」とは何か
中西輝政
66p



きまぐれ探検 昭和なスケッチ
第18回 武蔵小山界隈
本山賢司
74p



【特集】桐野作人先生に入門! Q&A「古文書」の寺子屋
第一部
崩し字、変体仮名…意外に簡単? 古文書、基本の基本
桐野作人
78p
ビジュアル
変体仮名を読む! 「教訓いろはかるた」

84p
第二部
江戸の遊び絵や、龍馬、謙信の手紙を読んでみよう
桐野作人

ステップ壱
国芳の遊び絵
桐野作人
86p
ステップ弐
龍馬の手紙
桐野作人
88p
ステップ参
謙信の手紙
桐野作人
92p



風船爆弾の真実
第3回 アメリカ本土、攻撃開始
吉田一彦
94p
[連載小説]真田昌幸 連戦記 第21回
我、六道を懼れず
海道龍一朗
100p
「歴史街道」伝言板

110p
BOOKS・DVD

112p
この著者に注目!
柳生耕一平厳信

114p
駐日米大使グルーの昭和史 ―天皇を敬慕し、開戦回避に尽くしたアメリカ人
第8回 日独防共協定
太田尚樹
116p
長崎の歴史に育まれたカステラとともに
山口喜三
122p
明治・大正の古写真に見る 東京・日本橋界隈
平塚七郎
128p
歴史街道クイズ 「戦国検定!」

132p
歴史街道・ロマンへの扉
三木
鶴田純也
134p
東京で味わう ふるさとの料理×うまい酒
第16回 岐阜県 飛騨牛の朴葉味噌焼き
石田 千
136p
続・自転車紀行 シルクロードをゆく
第10回 ラムサールからタブリーズへ
長澤法隆(写真・文)
141p

歴史街道 とは

「いま、歴史がおもしろい」
 歴史は過去の人物や出来事を取り上げるとはいえ、現代の人びとに役立たなければ意味がありません。また、歴史は本来、そんなに堅苦しく難しいものではなく、もっと身近で楽しいものであるはずです。そして何より、人間を知り、時代の流れを知る上で、歴史ほど有益な参考書はありません。そこで『歴史街道』は、現代からの視点で日本や外国の歴史を取り上げ、今を生きる私たちのために「活かせる歴史」「楽しい歴史」をビジュアルでカラフルな誌面とともに提供します。いわば、新しいタイプの歴史雑誌といえるでしょう。