歴史街道
発売日
2015年5月7日
税込価格
660円
(本体価格600円)
バックナンバー

歴史街道 2015年6月号

今月号の読みどころ

「取舵一杯!」。敵艦隊目前の八千メートルで、日本海軍の連合艦隊は、大回頭を始めました。好機とばかりにロシア・バルチック艦隊は、先頭をゆく旗艦・戦艦三笠に集中砲火を浴びせます。
時に明治38年(1905)5月27日午後2時8分。容赦のない徹甲弾が次々と三笠を襲い、水柱が林立しました。しかし最上の露天艦橋に立つ東郷平八郎司令長官は、顔色一つ変えません。「敵弾は三笠が引き受ける」。イギリス製最新鋭艦である三笠の防御力に、東郷は賭けていました。徹底した合理的思考と、一歩も退かぬ捨て身の覚悟。世界を瞠目させた、海戦史上類例のない完全勝利が今、私たちに語りかける、「勝利の要諦」とは何であるのかを探ります。
第二特集は「Q&A 江戸の長屋暮らし」です。

公式サイト
今月号の目次
名刀、三笠丸
黒鉄ヒロシ
3p
この人に会いたい
vol.101
戸田恵梨香
7p
総力特集 日本海海戦と戦艦三笠 「奇跡」を起こしたものは何か
総論 最新最強の艦こそ先頭に…明治海軍が身を以って示す勝利の要諦
戸高一成
14p
ビジュアル1
「敵弾は三笠が引き受ける」東郷司令長官の賭け

20p
ビジュアル2
戦艦三笠の内部構造を知る

22p
ビジュアル3
威容! 三笠と「六六艦隊」の主力

24p
生き残るために…英国と結び、連合艦隊を強化した戦争外交の強かさ
渡辺利夫
26p
敵の侵攻に打ち勝てる「六六艦隊」建設を…西郷と山本のリアリズム
江宮隆之
32p
コラム
同一縮尺で日露各艦種を比較する

37p
設計思想、主砲、装甲…造艦技術の急速な進歩を反映した戦艦三笠とは
阿部安雄
38p
ビジュアル4
イギリス戦艦を追走した日本海軍の戦艦

44p
丁字戦法の封印、連繋機雷の放棄、敵位置の誤報…想定外の中、決戦へ
松田十刻
46p
もし日本海海戦で戦艦三笠が沈んでいたら…
戸高一成
52p
「捨て身の決断」と「臨機応変の独断」…東郷と上村から学ぶべきもの
平間洋一
54p
ビジュアル5
「絶対に逃がさぬ!」三笠を信じた敵前大回頭

58p
「取舵一杯!」被弾覚悟で三笠に賭けた東郷の決断が、奇跡を呼ぶ
松田十刻
60p
ビジュアル6
「我に続け!」勝利を導いた第二艦隊独断の追撃

68p
日本人の矜持と誇りを思い起こすために…記念艦「三笠」への歩み
増田信行
70p
Q&A江戸の長屋暮らし 今より豊か!? 「世話焼き」ご近所づきあい
第1部 お江戸結婚事情
中江克己
78p
ビジュアル1
庶民の生活を覗いてみると…お江戸長屋鳥瞰図

84p
ビジュアル2
お金はなくとも毎日充実? とある家族の一日

86p
第2部 子育て、日常の知恵…長屋って楽しい!
中江克己
88p



レイテ沖海戦の内幕
第5回 敵将の性格を読んだ囮作戦
吉田一彦
94p
我、六道を懼れず 真田昌幸 連戦記 立国篇
第25回
海道龍一朗
100p
「歴史街道」伝言板

110p
BOOKS・CINEMA

112p
この著者に注目!
渡辺惣樹

114p
大東亜戦争写真紀行 世界で感謝された日本人
第14回 親日国家パラオの「もう一つの激戦の島」・アンガウル
文・写真 井上和彦
116p
お江戸ぶらり散歩 あの日、あの時、この場所で
第15回 芭蕉江戸を立つ
文・絵 堀口茉純
122p
岡崎城、浜松城、駿府城 徳川家康ゆかりの城をゆく
小和田哲男
127p
歴史街道脇本陣

131p
歴史街道・ロマンへの扉
大阪城
林 宏樹
134p
文人がこよなく愛した味と店
第4回 玉ひで・軍鶏すき焼き 谷崎潤一郎
木内 昇
136p
四国百景
第5回 安芸 優美な生垣の武家屋敷
写真・文 藤田健
141p

歴史街道 とは

「いま、歴史がおもしろい」
 歴史は過去の人物や出来事を取り上げるとはいえ、現代の人びとに役立たなければ意味がありません。また、歴史は本来、そんなに堅苦しく難しいものではなく、もっと身近で楽しいものであるはずです。そして何より、人間を知り、時代の流れを知る上で、歴史ほど有益な参考書はありません。そこで『歴史街道』は、現代からの視点で日本や外国の歴史を取り上げ、今を生きる私たちのために「活かせる歴史」「楽しい歴史」をビジュアルでカラフルな誌面とともに提供します。いわば、新しいタイプの歴史雑誌といえるでしょう。