歴史街道
発売日
2015年10月6日
税込価格
660円
(本体価格600円)
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歴史街道 2015年11月号

今月号の読みどころ

「金吾(小早川秀秋)が寝返るか否か、この期に及んでわしの知ったことか!」。乱戦の中、小早川への調略を確認する徳川家康の使者に、黒田長政は怒鳴り返しました。その報告を聞いていらだち、噛んだ爪から血をにじませる家康…。

慶長5年(1600)9月15日、関ケ原。東西決戦の行方は容易に決せず、最後まで予断を許しませんでした。そうした中、黒田をはじめ福島正則、細川忠興、藤堂高虎ら豊臣恩顧の武将たちはなぜ、家康率いる東軍に与したのでしょうか。自分の家と運命を誰に託すのかという点で、人間関係や利害打算を超えた信条など、さまざまな要素があることは東西両軍とも同じでした。必ず勝てる保証のない中、東軍を選んだ男たちの決断を探ります。

第二特集は「文豪百物語」です。

公式サイト
今月号の目次
咳がハラハラ、急きが腹々
黒鉄ヒロシ
3p
この人に会いたい
vol.106
笹本玲奈
7p
総力特集 東軍関ケ原 諸将は「勝ち馬」に乗ったのか
総論 
勝敗の行方が見通せぬ中、彼らはなぜ東軍参陣を決断したのか
小和田哲男
14p
特別インタビュー 
関ケ原には歴史の醍醐味がぎっしりと詰まっている
高橋英樹
20p
ビジュアル1
いざ決戦へ! 関ケ原で対峙した漢たち

22p
ビジュアル2
包囲か、各個撃破か…東西両軍の布陣

26p
「三成憎し」の背後にあった、東軍諸将が決して認めたくなかったもの
童門冬二
28p
年表
政権の内部対立から東西決戦へ

33p
秀頼様に害意なしと誓われよ! 恩顧筆頭の去就が流れを決めた ◆福島正則
江宮隆之
34p
勇戦と恐るべき調略…名軍師の息子はなぜ「親家康」に徹したのか ◆黒田長政
渡邊大門
38p
ビジュアル3
東西拮抗! かくして日本は二つに割れた

42p
「奥の自害、田辺の籠城…三成、許さぬ!」狂おしい憤怒を抱いて ◆細川忠興
秋月達郎
44p
家康殿でなければ治まらぬ…作事普請の名人による最高傑作とは ◆藤堂高虎
橋場日月
48p
ビジュアル4
対立誘引、政権掌握…関ケ原への道筋

52p
東軍に与したそれぞれの事情 ◆加藤嘉明、浅野幸長、池田輝政、山内一豊
楠戸義昭
54p
輝元、廣家、秀元、恵瓊…一門内部の対立が決戦を左右した ◆毛利一族
近衛龍春
58p
コラム
心ならずも西軍に属した男たち

63p
慶長五年九月十五日、美濃関ケ原…東軍の漢たち、かく戦えり
工藤章興
64p
明治霊異記 文豪百物語
狂歌篇
まずは、初めて来てくれた芥川くんから、お話し願うとしましょうか――
稲生傳兵衛
78p
小憩―本日の役者たち

84p
凶禍篇
しかし――
稲生傳兵衛
86p
後日談―その後の文豪たち

91p



キャッチャーはスパイだった 「大リーガー」モー・バーグの謎
第2回 撮影映像は空襲に使われたのか
吉田一彦
94p
我、六道を懼れず 真田昌幸 連戦記 立国篇
第30回
海道龍一朗
100p
「歴史街道」伝言板

110p
BOOKS・CINEMA

112p
この著者に注目!
高橋弘希

114p
家康、夏の陣に死す? 南宗寺の墓が意味するもの
川上 浩
115p
お江戸ぶらり散歩 あの日、あの時、この場所で
第20回 歌川広重、死す
文・絵 堀口茉純
120p
神秘の中に息づく微笑み 天上の聖域、チベット
写真・文 松尾 純
126p
歴史街道脇本陣

131p
歴史街道・ロマンへの扉
仁徳天皇陵古墳
林 宏樹
134p
文人がこよなく愛した味と店
第9回 蓮玉庵・せいろそば 川口松太郎
木内 昇
136p
四国百景
第10回 讃岐の遍路みち 六十六番札所から八十八番札所へ
写真・文 藤田 建
141p

歴史街道 とは

「いま、歴史がおもしろい」
 歴史は過去の人物や出来事を取り上げるとはいえ、現代の人びとに役立たなければ意味がありません。また、歴史は本来、そんなに堅苦しく難しいものではなく、もっと身近で楽しいものであるはずです。そして何より、人間を知り、時代の流れを知る上で、歴史ほど有益な参考書はありません。そこで『歴史街道』は、現代からの視点で日本や外国の歴史を取り上げ、今を生きる私たちのために「活かせる歴史」「楽しい歴史」をビジュアルでカラフルな誌面とともに提供します。いわば、新しいタイプの歴史雑誌といえるでしょう。