雑誌
歴史街道 2017年4月号
今月号の読みどころ
「ロシアの政治機能を麻痺させよ」。明治37年(1904)、日本が超大国ロシアとの戦争に踏み切った時、密命を受けてヨーロッパでもう一つの戦いを始めた男がいました。日本陸軍の情報将校・明石元二郎大佐です。明石はロシア国内で帝政に不満を抱く者たちの破壊工作や叛乱を幇助し、極東派兵を妨害。一方で前線の兵士たちの厭戦気分を高めました。さらに最も力を入れたのが、ヨーロッパ中の反帝政ロシア勢力を糾合し、ロシアの屋台骨を揺るがすことです。なぜ明石は、たった一人で反ロシア勢力と結び、ロシアを動揺させることができたのでしょうか。伝説的に語られる、「明石工作」を成功させたものは何かを探ります。第二特集は「香川元太郎のイラストで見る『復元』日本の城」です。
公式サイト | ![]() |
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本音を明石、元二郎 |
黒鉄ヒロシ |
3p |
この人に会いたい vol.123 |
川島海荷 |
7p |
明石元二郎 奇跡を成し遂げた「熱」と「胆力」
総論 たった一人でロシアを翻弄! 前人未到の工作を成し遂げた人間力 |
中西輝政 |
14p |
年表・欧州、韓国、台湾…世界を舞台に歩んだ56年 |
21p |
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ビジュアル1 明石工作の数々、ロシアの心臓部を衝く |
22p |
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ビジュアル2 欧州全土で火が付いた反ロシアの動き |
24p |
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ビジュアル3 稀代の情報将校を取り巻く人々 |
26p |
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よほどの大物か、悪党か…豪胆で頭脳明晰な「汚れの明石」、陸軍の道へ |
四條たか子 |
28p |
コラム1 陣中の異彩…一族の誇りだった掃部 |
33p |
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情報獲得は命がけの戦い…「参謀本部の父」から学んだ諜報の流儀とは |
前坂俊之 |
34p |
コラム2 ロシアの脅威と部下への心配り |
39p |
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ロシアは一枚岩にあらず! 児玉の支援を得て内情を探り、楔を打つ |
江宮隆之 |
40p |
コラム3 モルトケに酷似? ロシア時代の日常 |
45p |
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機は熟した! 欧州の志士を糾合し、各地で反乱や騒乱を引き起こす |
清水克之 |
46p |
ビジュアル4 秘蔵写真が語りかける人柄 |
52p |
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インテリジェンス・オフィサー「バロン・アカシ」の本心からの親切と誠 |
岡部 伸 |
54p |
眼中官もなく民もなく…韓国の開化を目指して |
58p |
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欲がなく、祖国や人々のためにひたすら働き続けた祖父の横顔 |
明石元紹 |
60p |
台湾の将来のために種子を蒔く…その思いは今も人々に慕われ続けて |
片倉佳史 |
62p |
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「鯨海酔候」の選択 徳川家に最善を尽くす…山内容堂と大政奉還 |
山村竜也 |
68p |
日本遺産認定 郡山を豊穣の地に! 安積開拓と疏水に挑んだ先人たち |
辻 明人 |
77p |
香川元太郎のイラストで見る「復元」日本の城
江戸城 |
84p |
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武蔵松山城・安土城 |
86p |
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金山城(兼山城) |
88p |
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甘崎城・姫路城 |
90p |
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復元イラストはこうして生まれる |
92p |
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ヨーロッパ大空襲 「無差別戦略爆撃」の真実 最終回 民間人の死者七十万人以上 |
吉田一彦 |
94p |
連載小説 果てなき図面 帝国ホテル建築物語 第4回 作図の章 |
植松三十里 |
100p |
「歴史街道」伝言板 |
110p |
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BOOKS・CINEMA |
112p |
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この著者に注目! 木下昌輝 |
114p |
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世界で出会った「日本人の魂」~取材紀行から~ 第8回 チェコ、ポーランド |
早坂隆 |
116p |
AKB48と学ぶ! 四十七都道府県 この偉人を知っている? 第9回 関東〈中編〉 |
河合 敦×太田奈緒 |
120p |
デジタル映像で撮影した深海に眠る戦艦大和 |
監修 戸高一成 |
124p |
北斎も、広重も、国芳も! 浮世絵師たちは「猫」が大好き |
126p |
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歴史街道脇本陣 |
131p |
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歴史街道・ロマンへの扉 霊山寺 |
林 宏樹 |
134p |
女子高生女優・北村優衣がゆく! 老舗の「味」と「歴史」を体験レポート 第1回 駒形どぜう |
136p |
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小笠原遥か 第3回 旅立ちの季節と中吉丸 |
写真・文 冨田マスオ |
141p |
歴史街道 とは
「いま、歴史がおもしろい」
歴史は過去の人物や出来事を取り上げるとはいえ、現代の人びとに役立たなければ意味がありません。また、歴史は本来、そんなに堅苦しく難しいものではなく、もっと身近で楽しいものであるはずです。そして何より、人間を知り、時代の流れを知る上で、歴史ほど有益な参考書はありません。そこで『歴史街道』は、現代からの視点で日本や外国の歴史を取り上げ、今を生きる私たちのために「活かせる歴史」「楽しい歴史」をビジュアルでカラフルな誌面とともに提供します。いわば、新しいタイプの歴史雑誌といえるでしょう。